Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】アブラハム・ラビノビッチ「ヨムキプール戦争全史」

ヨムキプール戦争全史

ヨムキプール戦争全史

 

先日、土浦の古書店にて「ヨムキプール戦争全史」(2008年刊行・現在品切れ)を購入した。昨年行った際にも見かけていたが、定価4800円がプレミア価格8000円代になっていて、良さそうな本だけど高いなあ~と思って帰宅してからネットで確認したら、Amazon中古は13000円スタートだったので、なんだ、あれでも安い方だったのかと。まあ、BCS(Battalion Combat Series)の次々回作がこのヨムキプール(第四次中東)戦争らしいので、今から早めに予習しておこうと。

著者のラビノビッチ氏は、この戦争に関わった政治家や将軍から、中級指揮官、一兵卒に至るまで、さまざまな階層の人々にインタビューを行い、この戦争の推移を、さながら群像劇のようにまとめている。たとえて言うなら、コーネリアス・ライアンの「史上最大の作戦」「遠すぎた橋」や、ジョン・トーランド「バルジ大作戦」「大日本帝国の興亡」 のような形で、第四次中東戦争を記した一冊で、個人的には大好物な読み物スタイルになっている。実際、戦闘経緯も詳しく描かれ、ウォーゲーマーが参考にするにも向いている。ただ、戦車戦のシーンで、いちいち両軍の装備車両すべてを明記してはいないので『この場面、なに戦車と、なに戦車が戦っているんだろう?』と不明瞭なところもあった。まあ、そのあたりは、BCS第四次中東戦争が出るのを待つしか。