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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【The Second World War】「TSWW:Day of Infamy」Operation MI Solo-Play AAR Part.2

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では、TSWWミッドウェー作戦シナリオ、ソロプレイ開始。

1942年6月前半ターン、先手は日本軍。まず移動フェイズ=第1海上移動セグメント。空母4隻を擁する第1機動部隊は、アメリカ軍空母を撃滅すべく、ミッドウェー島を素通りし、米空母部隊がいると思われる海域へ進出した。日本軍はこの移動中に、筑摩・利根から零式水偵を発艦させ、まずTF16(空母エンタープライズとホーネット)に対して索敵を行った。やはり空母2隻を擁するTF16は危険だし、先制攻撃をかけて潰してしまった方が後々の作戦がやりやすい。しかしこの索敵が失敗。1海上移動セグメント中には、1目標に対して1回しか索敵が行えないので、これにてTF16への先制攻撃の夢は潰えた。ならばと第1機動部隊はさらに北上し、TF17(空母ヨークタウン)にも索敵を行い、こちらは発見に成功した。

ここまでで、第1機動部隊は16海上ゾーンを移動し、戦略移動力を16消費している。さらに2回の索敵を行ったため+2消費、攻撃隊を発艦させるためさらに+1消費、合計19戦略移動力を消費した。

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第1機動部隊の艦載機は、CAPと水偵を残して全機、TF17=空母ヨークタウン隊に向けて発艦。索敵チェックに続いて、敵艦隊発見チェックにも成功した(失敗すると、索敵に成功していても、敵艦隊を見つけられず帰投しなければならない)。

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日本軍攻撃隊は、まず空母を潰すべく、空母ヨークタウンに99艦爆✕2、97艦攻✕2、重巡アストリアとポートランドにそれぞれ99艦爆✕1、97艦攻✕1を割り当てた。米軍CAPのF4F-4戦闘機は、空母ヨークタウンを狙う艦攻隊を攻撃し、これを1個撃墜。しかしこのCAPは、護衛の零戦3個から攻撃を食らって、こちらも撃墜。さらに艦隊の対空射撃(総対空力13)が行われたが、空母ヨークタウンに迫る艦爆隊を1個帰還させただけで、ステップロスは与えられなかった。帰還した艦爆隊にしても、爆撃力の75%は投下している。

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99艦爆は、作戦爆撃力2だが、急降下爆撃機(タイプD)による作戦爆撃任務は爆撃力+50%となるため、作戦爆撃力3として攻撃する。97艦攻も、コードCV(艦載機・魚雷装備)のため魚雷力3を持つ。つまり、それぞれ3回ずつ命中判定を行う。結果、空母ヨークタウンには、99艦爆隊が3ヒットを与え、97艦攻隊が2ヒットを与えた。空母ヨークタウンの防御力は6なので、ヒットポイントは4。許容量を上回るダメージを受け、ヨークタウン沈没。史実での空母ヨークタウンは、ミッドウェー戦の最後に撃沈されたが、ここでは最初に喪失されることとなった。しかし重巡アストリアへの攻撃は、6回ともすべて失敗。これはダイス目がヒドかった。重巡ポートランドへも、艦爆隊が1ヒットを与えたのみ。ポートランドの防御力は5なので、ヒットポイントは3。耐久力1/3を失って中破、というところだろうか。

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手番代わって、第1海上移動セグメントのアメリカ軍の移動。空母ヨークタウンを失ったTF17は、損傷した重巡ポートランドをハワイ方面に避退させ、それ以外はTF16に合流。アメリカ軍は、艦艇の対空力を合算できるので(日本軍はできない)、防空能力を高めて日本軍の航空攻撃を迎え撃つ準備と。ミッドウェー島からはPBY5カタリナ飛行艇0.5ユニット✕3が海上偵察任務に発進したが、これがすべて日本軍第1機動部隊の索敵に失敗。さらにTF16自らも、日本軍の索敵に向かったが、これにも失敗。仕方なくTF16は、ミッドウェー島方面に移動した。次の第2海上移動セグメントでは、また日本軍が先手となって攻めてくるため、ミッドウェー島の航空戦力と、周辺海域で哨戒中の潜水艦戦隊も活用しやすい位置に移った形だ。逆に日本軍からすれば、この位置のTF16に攻撃を仕掛けるのは危険と……

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続いて第2海上移動セグメント。先手日本軍は、第1機動部隊をミッドウェー島に接近させ、TF16の索敵を試みたが失敗。そのまま島周辺にいると、島の航空戦力にも攻撃されてしまうので、いったん北方へと避退した。

代わって第2海上移動セグメントのアメリカ軍。ようやくミッドウェー島のPBY5が、日本軍第1機動部隊を発見。TF16もその海域に接近し、攻撃隊を発艦させたところ、敵艦隊発見チェックにも成功。いよいよアメリカ軍攻撃隊が、日本軍空母に襲いかかった。

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アメリカ軍は、まず耐久力の低い空母蒼龍・飛龍を潰そうと、TBD、SBDを0.5ユニットずつ割り当て、空母赤城・加賀にはSBDのみを割り当てた。これに対して、CAPに就いていた零戦0.5✕2ユニットが迎撃し、飛龍に向かっていたTBD隊を撃墜。しかしそのCAP隊も、護衛に就いていたF4F-4✕3との空戦で2個とも撃墜された。第1機動部隊は対空火力でも応戦したが、日本軍の場合、輪形陣などを取れ入れていないため、艦隊の全艦船の対空力を合算するのではなく、主力艦1+巡洋艦1+駆逐艦1の対空力だけを用いる。そのため4(空母加賀)+2(利根)+1(野分)=6対空力のみ。これはまったくアメリカ軍側に被害を与えられず、そのまま攻撃と相成った。

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攻撃の結果、空母赤城に3ヒット(防御力7=ヒットポイント5なので中破)、空母加賀に4ヒット(同じくヒットポイント5なので大破)、空母蒼龍は3ヒット(防御力5はヒットポイント3)なので撃沈、空母飛龍は2ヒット(同じくヒットポイント3なので大破)となった。赤城と加賀には、クリティカルヒット(判定時に10面体ダイスを振って10が出る)も出たため、攻撃隊の規模に反して甚大な損害を被ってしまった。また空母は、1ヒットを被るたびに、艦載機1スコードロン(0.5ユニット)を失う判定を行うが、これによってその艦載航空隊がほぼ全滅してしまった。

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さらにミッドウェー島から、アメリ海兵隊のSBD-2、SBD-4、アメリカ空軍のB17Eが追い打ちをかけるように攻撃。SBDは、その通常航続距離外にあったので、延長距離飛行を行い、爆撃力は半減している。しかしこのSBD隊が、弱った空母赤城と加賀にトドメを刺し、これを撃沈。B17Eの攻撃は失敗したため、空母飛龍だけが、ぎりぎり首の皮一枚残して生き残った。

史実ならこの後、猛将山口多聞指揮の下、空母飛龍が一矢報いる攻撃を行うのだが、あいにく飛龍にも艦載機が残っていない。ここで「たとえシナリオでもキャンペーンゲームのようにプレイすべし」という格言に従うなら、日本軍としては速やかに撤収し、せめて空母飛龍だけでも修理して再起を期す……という感じだろうか。 

というワケで、適当にソロプレイした割には、かなり史実に近い結果(日本側空母3喪失、アメリカ側空母1喪失)になったと思う。タラレバ的に振り返るなら、第1海上移動セグメントで、日本軍がTF16への索敵・先制攻撃に成功していれば、その後の展開もまったく違っていたと思う。ただ、TSWWでは、日本軍の艦隊防空能力が低く設定されているので、キャンペーンゲーム等をやっていれば、いずれどこかで空母隊を喪失するような攻撃を喰らうのだろう。TSWWでは、目標以外の艦艇が被害を引き受けることはできないし、狙われた艦だけが攻撃を被るため、当然のように空母が狙われ、いずれやられると。それはもう身もフタもない展開なのだが、航空攻撃とか潜水艦攻撃ってそういうものよね?