引き続き「TSWW : Hakkaa Päälle」の冬戦争シナリオをソロプレイ。今回は、1940年2月から始まったソ連軍の攻勢シナリオ「Timoshenko's Offensive '40」を試すことに(ちなみに、ちょうど80周年)。冬戦争序盤で、大きな損害を被りながらもカレリア地峡のフィンランド軍防衛線=マンネルハイム線を突破できなかったソ連軍は、この地を攻める北西方面軍司令官にティモシェンコ大将を任命。ティモシェンコ大将は、膨大な兵力と砲兵を結集し、正面からマンネルハイム線の突破を画策。結果、この突破戦闘でも、ソ連軍は多大な失血を強いられたものの、フィンランド第2の都市ヴィープリ(Viipuri)に迫ったところで冬戦争は停戦と相成った。
このシナリオは、1940年2月Iターンに始まり、3月IIターンまでに(計4ターン)、ソ連軍がフィンランド軍に10スタックポイント(10個連隊相当)の損失を与えたうえで、ヴィープリを占領していれば勝利となる。
ソ連軍は、マンネルハイム線の前に5スタック……歩兵師団✕13、戦車旅団✕3、空挺連隊✕3、砲兵連隊✕14、攻城用の列車砲大隊✕1を配置。特に中央の2スタックは、総計70戦力以上。さらに後方にも予備として、戦車師団✕1、歩兵師団✕4、二線級の歩兵師団✕4が控えており、ゴリ押しする気満々。こういうハイスタックが並ぶと、いよいよエウロパシリーズの本格シナリオという感じがする。
一応、エウロパシリーズとは違って、TSWWでは補給ルールも厳しくなったが、後方のレニングラードには、ソ連軍の補給所(ST)があり、2兵站ポイント(LP:Logistic Point)が準備されている。1兵站ポイントで、3個軍司令部とその麾下にある12個軍団司令部を攻勢補給下(騎兵と自動車化部隊も額面移動力100%を使用可能、かつ全ユニットの戦闘効率補正100%を使用可能)に置ける。今回、ソ連軍は、カレリア地峡の東西に第7軍、第13軍の2個軍司令部を有し、その麾下に6個軍団司令部+1個砲兵司令部がある。この場合、2/3兵站ポイントを使用すれば、前線部隊はすべて攻勢補給下となれる。2兵站ポイントがあれば3ターンずっと攻勢補給が継続でき、ソ連軍は1ヶ月毎に1兵站ポイントが送られてくるので、最終ターンまで攻勢補給が途絶える心配は無い。
スオムッサルミ戦シナリオで見られた、ソ連軍に不利な制約もほとんど解除されているため、通常運行で作戦が行える状態となっている。
対するフィンランド軍も、首都ヘルシンキの補給所(ST)に2兵站ポイントがあり、カレリア地峡軍を補給下に置けるだけの物資はある。ただしマンネルハイム線守備隊はお寒い限りで、前線6ヘクスに各1個師団+砲兵連隊がいる程度。予備兵力も無く、いったん突破されたら、前線を塞ぐ部隊は無い。
一応、フィンランド軍の戦闘効率補正(CEV)はいまだ1.4、後方に陣取るマンネルハイム将軍の防御補正1.0もあるため、フィンランド軍地上部隊の防御力は✕ 2.4となる。質的な有利さは健在だが、さすがにここまで量的に劣勢になるとどうなるか。
また今回、ソ連軍は航空兵力も結集させており、近接航空支援(CAS)を行ってくるはず。しかしフィンランド空軍で頼りになる迎撃機は、フォッカーD21隊1ユニットのみ(北欧空戦記!)。
ソ連軍としては、とにかく勝利条件都市であるヴィープリを目指して正面攻撃をかけるしかない。カレリア地峡西部沿岸には、フィンランド軍の沿岸陣地も連なっているため、攻めるのが面倒臭いし。
ソ連軍の戦闘効率補正(CEV)は1.0。つまり額面そのまま。しかし過酷な天候下で、マンネルハイム線(大規模陣地線)ヘクスサイドを超えて(戦闘力✕0.75、ダイス修整-4)、森林+湖ヘクスを攻撃する(戦闘力✕0.5)場合、たとえ70戦力あったとしても、70✕0.75✕0.5=26.25となる。フィンランド軍10戦力スタックが✕2.4=24となるのだから、額面70:10でも戦闘比は1:1となるわけだ。キビシィー! いやソ連軍の重砲兵や攻城砲兵は、大規模陣地に対して戦闘力4倍となるから、その活用も大事か。
とは言え、基本的にフィンランド軍1スタックに対して、最低でも2スタックで攻めなければダメ。助攻として、カレリア地峡東部でも攻撃をかけるとしても、2スタック対1スタックの原則は守るべき。
とにかくマンネルハイム線さえ突破すれば、戦闘力✕0.75とダイス修整-4というペナルティは消えるのだから、ソ連軍としては損害に怯まず、攻めるしかない。少しずつでも、マンネルハイム線守備隊の戦力を削っていけば、そのうち戦闘比も有利になってくるはず。しかし「すれば」とか「はず」という見込みでやる作戦ってロクなことにならないのが世の常……まあ、そういった事情も見えてきたところで、いよいよソロプレイ開始。