Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】Lars Celander「How Carriers Fought」

How Carriers Fought: Carrier Operations in World War II

How Carriers Fought: Carrier Operations in World War II

  • 作者:Lars Celander
  • 出版社/メーカー: Casemate Pub & Book Dist Llc
  • 発売日: 2018/08/03
  • メディア: ハードカバー
 

「TSWW:Day of Infamy」の参考書として、第二次世界大戦の空母戦を扱った「How Carriers Fought(空母はどのように戦ったのか)」をざっくり読了。Kindleでは安かったのに、またハードカバー版を購入。

第1章「空母作戦」では、索敵、発艦、航空攻撃、対空防御といった空母戦の仕組みを詳解し、WWII空母戦ゲームが好きな方にはとても参考になりそうな内容。第2章「第二次大戦の空母戦」では、ケーススタディとして、珊瑚海、ミッドウェー、マリアナ、レイテ海戦等が分析されている。この第2章も、いずれTSWWでそのあたりをプレイする際には、もう一度読み直すつもり。

個人的に、一番参考になったのは第3章「空母作戦術と進化」。ここではランチェスターの法則などを使って空母戦をモデル化しているが、中でも「(空母を)集中するのか分散するのか」という命題は、先日TSWWでウェーク島シナリオをプレイした際にも気になった。本書では、メカメカしい部分にも多く触れているが、やはり気になるのは、TSWWのプレイでも必要となる、作戦レベルでの空母の運用なので。

もう10年前に刊行されたムックだが「決定版 太平洋戦争シリーズ④第二段作戦」にも「空母はこう戦う」(古峰文三氏)という記事があり、「How Carriers Fought」の第1章に書かれてあるような内容が簡単に図示されているのでオススメ。このムックには、第二次大戦当時の海軍作戦の進化を分析した「狭海パラダイムへの変換」(片岡徹也氏)も載っていて、こちらも海軍作戦に興味のある方は是非是非。