Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Advanced Squad Leader】「なぜ初心者プレイヤーに悪いことが起きてしまうのか」を訳してみた

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引き続き、「ASL Journal #8」(2010年発売)に掲載された入門記事「Agony of Defeat」(敗北の苦悩)を訳してみた。サブタイトルは「なぜ初心者プレイヤーに悪いことが起きてしまうのか」だが、なかなか魅力的な見出しである。筆者曰く『これまでのASL記事は、最適な戦術についての記事ばかりで、初心者の間違いを指摘するものではなかった』『対戦相手も、それを指摘するにはお行儀が良すぎる』としたうえで、この記事を『初心者に対する愛のムチ』だとしている。と言っても、書いてあることは、ASLプレイでのお作法ばかりで、特にキツい言い回しでもない。

本記事のアドバイスを、ざっと並べてみると『無闇にスタックするな』『最初の臨機射撃は機関銃だけで射撃し、次の臨機射撃は分隊の固定火力で撃ち、その後は連続臨機射撃で撃て』『残留火力を活かせ』『即応射撃を活かせ』『スカルキングを活かせ』『消極的に攻撃するな』『だからといって無謀に攻めるな』『戦力を集中しろ』『戦車は準備射撃をするのではなく、煙幕を張り、移動しながら機関銃を撃ち、相手のヘクスに突っ込んでフリーズさせろ』等々、先に訳した「あなたのASLプレイを上達させる13のステップ」でも言及される手筋が多い。まあ、それだけ定番のお作法なのだろう。

自分は、初心者にインストする場合、ルールを教えるだけでなく、対戦中にそういった手筋や選択肢まで教えるようにしていた。『今、そのユニットを臨機射撃しちゃうと、もう他のユニットは撃てなくなるよ』とか『今からこの建物ヘクスに移動するけど、建物に入ってから4火力+2修整で撃つ?それとも建物に入る前に即応射撃で2火力+0修整で撃つ?』とか。たとえ手筋を教えてそのゲームに負けたとしても、それはそれで良いのだ。初心者には、早めにルールとお作法を覚えてもらって、そこから先で、技量差の少ないプレイがしたいのだから。初心者が基本的な手筋を知ったところで、それを使うタイミングはやはりベテランの方が上手いだろうし。

ちなみに自分の場合、初心者との技量差が縮まった後は、『ほらほら、これ臨機射撃しなくていいのかな~』とか『そのヘクスなら白兵戦を仕掛けても勝てるんじゃないの~?』などと、正解のような間違いのようなジレンマを提示し、初心者が『いや、その半個分隊には臨機射撃しません!』などと決断してくれるのを楽しんでいた。それも一種のウォーゲームを通じたコミュニケーションという奴か?違うか?