Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Operational Combat Series】「Sicily II」Campaign AAR part.6

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今年2月から続いてきたFORGER氏主催の「OCS:Sicily II」キャンペーンも、残すところ3ターンとなり、今回で最終回。第14(8月24日)ターンも、連合軍先攻で始まった。

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FORGER氏率いるイギリス軍は、カタニアから北の海岸道路沿いに攻撃開始。予備スタックを用いた二度の攻撃でメッシナへ通じる主要道路2ヘクスを打通した。東部枢軸軍(自分が担当)は、長きにわたって戦線を支えてくれた30火力イタリア軍砲兵連隊も失い、メッシナ防衛のため戦線を下げざるを得なくなり、遂にエトナ山戦線崩壊である。

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一方、HA氏率いるアメリカ軍は、一気にシチリア島北岸に達し、(勝利条件にも関わる)主要港パレルモに隣接。海軍部隊も港の沖合に進ませ、この地の攻略を狙ったが、移動モードの戦車大隊だけでは戦力的に不十分ということで、攻撃は次ターンに先送りした。

これに対してN村氏率いる西部枢軸軍は、アメリカ軍の根っこにあたる補給線を切る位置に部隊を斬り込ませ、まだまだ徹底抗戦の構えを見せた。

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第15(8月28日)ターンも、連合軍が先攻。東部枢軸軍は、島の中央から部隊を引き抜き、海岸道路を埋めてはみたものの、一時的に予備モードの砲兵スタックがいなくなったため、ある意味ノーガードの状態に。また接敵されたイタリア軍海岸砲兵があっさりと降伏し、海岸で孤立した降下猟兵戦闘団が損耗・除去される始末。それでも迎撃覚悟でイタリア本土から出撃したドイツ空軍スタックが、スピットファイヤを追い返して連合軍先鋒歩兵師団にの損害を負わせる活躍を見せ、どうにかCalatabiano(5224)でイギリス軍を食い止めた。

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N村氏がアメリカ軍後方に送り込んだイタリア軍機械化大隊は、きっちりその補給線を断っており、これを排除しようとしたアメリカ第1歩兵師団がオーバーランで挑むも、奇襲に成功しながらダイス目で負けて逆に除去される始末。このイタリア軍機械化大隊は後に除去されるが、それまでにかなりの戦力のアメリカ軍を誘引し、立派に任務を果たした。

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またパレルモに対しては、アメリカ軍が空海陸から包囲攻撃を仕掛けたが、イタリア軍Assieta師団(アクションレーティングほぼ最低の1)がその猛攻に耐えに耐え、残り1ステップでこれを確保している。

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最終第16(8月31日)ターンも、連合軍が先攻。イギリス軍は、メッシナ目指して再び海岸道路沿いに攻撃を仕掛けたが、東部枢軸軍は再び予備モードの砲兵スタックを2つ用意し、攻撃部隊をDG(混乱)に。枢軸軍の前線スタックは後退させられたものの、連合軍のメッシナへの突破は何とか防いだ形である。

結局パレルモはこのターンにアメリカ軍の手に落ちたが、パレルモにしろカタニアにしろ、要求するターンまでに落とせなかったため、枢軸軍に作戦達成点が入っている。

ということで全16ターンを終え、最後までシチリア島を確保した枢軸軍の勝利と相成った。とは言え、自分が受け持った東部枢軸軍は、基本的にずっと受け身であり、戦略的持久に徹したその展開は、さながら沖縄戦のごとし。エトナ山で延々時間を稼ぎ、一度も討って出ることのなかった自分は、さながら「シチリアの八原作戦参謀」状態だ。麾下のユニットはほとんど壊滅し、ゲーム的には勝利しましたと言われても、はあそうですかという感じである。一方のN村氏は、最後まで果敢に攻撃を仕掛けてアメリカ軍を拘束し続けたので、もし次回プレイする機会があるなら、N村氏のような果敢な防御策も試してみたい。

イギリス軍を率いたFORGER氏は、慎重かつ重厚な正面攻撃で、終始、手堅く攻め続けて来た印象。アメリカ軍を率いたHA氏は、今回のメンバーの中では一番OCS経験が浅かったため、苦戦した部分もあったと思うが、徐々にOCS特有の駒使いにも慣れたきたご様子。まあ、一応この「Sicily II」はフルマップ1枚だし、ユニットも少ないため、ボリューム的には敷居が低いが、陸海空の統合作戦を指揮しなきゃならんというハードルもあり、素直に入門者向けと言い難い部分があるのも事実。やはり真のOCS入門作は「Reluctant Enemies」か「Korea」か、今現在プレオーダー中の「Smolensk」だろうか。

とにもかくにも、ご参加の皆さん、お疲れさまでした。そして毎回ユニット位置を記録し、プレイ準備をしていただいた主催のFORGERさん、ありがとうございました。いずれまた別の戦場にて……

※西部枢軸軍担当:N村氏のBlogはこちら⇩