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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Advanced Squad Leader】ASLJ105「Borodino Train Station」Solo-Play AAR

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ミニシナリオでASLのルールを覚え直そうシリーズPart.5。今日は「ASL Journal #7」収録のJ105「Borodino Train Station」をソロプレイしてみた。設定は、1941年10月16日、モスクワを目指すドイツ軍Hauenshildt戦闘団が(ナポレオン戦争でも有名な)ボロジノ駅を占領したものの、ソ連軍第32ライフル師団がそれを奪い返しに来るというもの。使うのは、地図盤20の半分だけ。全5.5ターンとかなり手頃だ。ROARでの対戦記録は、ドイツ軍67勝、ソ連軍37勝。

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防御側ドイツ軍は、勝利条件になっているボロジノ駅(写真左側のU3建物)と、市役所(写真右側のZ3建物)、さらにその中間のX3建物に部隊を配置。一応、第1ターン裏に4個分隊、PSW221装甲車、251/1ハノマーク兵員輸送車が増援として登場する。対する攻撃側ソ連軍は、登場兵力を第1・第2ターンに分配してよく、今回は第1ターンにほぼ8割方のユニットを出すことにした。また5-2-7分隊✕6は、突撃工兵扱いなので煙幕配置指数が2上がり、dr3以下で煙幕が張れるようになっている。

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第1ターン終了時がこちら。北盤端から登場したソ連軍は、5-2-7突撃工兵に煙幕を張らせつつ、ボロジノ駅と市役所に前進。市役所に陣取っていたドイツ軍HMG(重機関銃)スタックを潰走させ、ボロジノ駅でも2個スタックを後退させている。ドイツ軍は、市役所危うしと見て、輸送車で9-1指揮官+MMG(中機関銃)スタックを市役所裏まで運搬。PSW221も市役所脇に停め、ソ連軍に銃撃を浴びせた。

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第2ターン表。ソ連軍は、ボロジノ駅と市役所の両方に突入。しかしボロジノ駅方面では、ドイツ軍に撃たれて混乱した分隊が多く、駅に突入できたのは1スタックのみ。市役所方面でも9-2指揮官が混乱させられ、突入した部隊はドイツ軍HMG、MMGスタックと睨み合っているという緊迫した状況である。

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第2ターン裏。ドイツ軍は、市役所内での戦闘で再びHMGスタックが潰走。中央とボロジノ駅には増援のスタックが入り、守りを固めている。またハノマーク輸送車は、ソ連軍の側面に位置し、潰走ルートを射界に収めている。

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第3ターン表。ドイツ軍の防御射撃で、市役所に突入したソ連軍4-4-7✕3個分隊が混乱。これを救うべく、混乱から回復したソ連軍9-2指揮官が、ハノマーク輸送車の射線を突っ切って市役所へダッシュで駆け戻り、Z2ヘクスで合流。一方、ボロジノ駅には後続のソ連軍スタックがなだれ込み、ドイツ軍はT3ヘクスに押し込まれた(オーバースタック状態)。

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第3ターン裏。ドイツ軍は、HMG+MMG両スタックの隣接射撃で、突出していたソ連軍スタックを除去し、再び前進。ソ連軍9-2指揮官と混乱スタックをZ2ヘクスに追い詰めた。ボロジノ駅でもソ連軍8-1指揮官スタックを追い返している。

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第4ターン表。市役所で追い詰められたソ連軍9-2指揮官スタックは、どうにか回復し、近づいてきたドイツ軍HMGスタックに射撃を浴びせて三度潰走させ、MMGスタックに対しては白兵戦を仕掛けてこれを除去した。ボロジノ駅でもソ連軍8-1指揮官スタックが息を吹き返し、ドイツ軍をS4に追い詰めた。

第4ターン裏。S4のドイツ軍は、さらに防御射撃を喰らって混乱。ドイツ軍は、もはやボロジノ駅を保持するのは不可能と判断。さらなる勝利条件である、盤南へのソ連軍突破を防ぐため、8-1スタックを駅から潰走させ、回復の機会を待った。市役所では、最後の1ヘクス(Z4)を守るため、部隊が集められた。

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第5ターン表。ソ連軍は、ボロジノ駅から叩き出したドイツ軍8-1スタックを殲滅。市役所でも、最後までZ4で粘っていたHMGスタックを白兵戦の末に除去し、2つの勝利条件建物を制圧した。

第5ターン裏。残るドイツ軍は、ソ連軍の盤南への突破を防ごうと、PSW221装甲車とハノマーク輸送車を交差点に配置したものの、すでに盤全体をカバーできるほどの兵力は無く、第6ターン表にソ連軍勝利と相成った。ちなみにDR(2D6ダイスロール)平均値は、ドイツ軍7.01、ソ連軍7.09とほぼイーヴン。ただしドイツ軍が、回復で最悪のDR12を3回出し、1.5個分隊を失ったのは痛かった。

それにしても、かなり好感触のシナリオだった。『すべての建物は地上レベルのみとする』という特別ルールも簡単でいい。サイズ的にも元祖「Squad Leader」のシナリオ1「The Guards Counterattack」を彷彿とさせるものがあり、やはり市街戦は手に汗握るなあと。これが建物の2階や3階を導入すると、また面倒になるのだが、そういった本格市街戦もそのうちに……