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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Battalion Combat Series】「Baptism by Fire」Operation Spring Wind Solo-Play AAR

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「Baptism by Fire」の序盤4ターン(2月14日~2月17日)を扱う「Operation Spring Wind」シナリオをソロプレイしてみた。盤上に配置されたアメリカ第1機甲師団CCA・CCC戦闘団に対し、ドイツ軍第10・第21装甲師団が攻撃をかけるという設定である。4ターン終了時までに枢軸軍がSidi bou Zid、Kern's Crossroad、Sbeitlaを占領し、さらにもう1カ所勝利条件ヘクスを奪えば枢軸軍勝利となり、連合軍はSbeitlaとKern's Crossroadを占領していれば勝利となる。とりあえずBCS初体験なので、第1ターンは下記リンクのプレイ例を参考に動かしてみた。

「Baptism by Fire」Playing A Complete Game Turn

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第1ターン、天候は晴れ。ドイツ軍先攻。最初に活性化したのは、プレイ例と同じくKG Reimである。プレイ例では、いきなりティーガー中隊を移動面で突進させ、Poste de Lessoudaのアメリカ軍G/1戦車中隊を射撃戦で除去し、さらにKern's Crossroadへ前進して2回目の射撃戦を行っている。しかしティーガー中隊も、移動面では射程1(展開面では射程2)なので、アメリカ軍戦車の射程内に踏み込む必要があり、1ステップしかないため、ダイス目が悪ければ「双方1ステップロス」で全滅する恐れがある(そしてティーガー中隊は再建不可だ)。 数が少なく貴重な射程2の戦車ユニットを失うのも嫌なので、ここは慎重に展開面でG/1戦車中隊へ接近し、アウトレンジ射撃をしかけて難なくこれを除去。さらにII/86歩兵と共にTF Watersを攻撃する位置についたものの、第2活性化には失敗してKG Reimの手番は終了。

手番変わって連合軍は、やはりプレイ例と同じくCCAを活性化。プレイ例通り、Sidi bou Zidを放棄して、Kern's Crossroadへ後退した。

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さらに手番変わってドイツ軍は、KG Gerdtを活性化。先に動いたKG Reimを追い越す形で13号線を西進し、Kern's Crossroadを守るCCAを攻撃。アメリカ軍3/1戦車大隊を後退させた後、第2活性化にも成功し、さらなる攻撃で背後にいたCCA司令部をも後退させ、CCA補給部隊も機能不全に陥らせた。KG Gerdtは、都合5ヘクスの縦深突破を成し遂げたうえに疲労レベルは上がらずという、理想的な活性化だった。

手番変わって連合軍は、最後のフォーメーションCCCを活性化。部隊機能判定(SNAFU)の結果「機能半減」だったため、移動力が半減したが、運良く第2活性化にも成功し、Sbeitlaへ後退できた。

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続いて枢軸軍は、KG Stnkoffを活性化。アメリカ軍3/168歩兵大隊の攻撃に向かわせ、直接射撃を複数回浴びせてステップを削ったものの、第2活性化にはしくじり、3/168大隊を除去しきれなかった。最後に残ったKG Schtは、Sidi bou Zidを占領してSbeitlaへ向かっている。ここまでが第1ターンである。

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第2ターン。天候は雨のため、部隊機能判定(SNAFU)は「半減」が上限となる。つまりフル移動力を使える活性化はない。連合軍には第3ターンに増援(CCB/1)が来るので、枢軸軍を足止めしてくれる恵みの雨か。CCCは、Sbeitla付近で準備防御(移動を犠牲にして防御を堅くする)に入ったが、枢軸軍も逃げる連合軍ユニットを討ち取りつつ、Sbeitlaへ前進。疲労が上がりやすい通常/急襲攻撃は使わず、射撃戦や直接射撃を多用しているため、各KGの疲労レベルも上がっていない。

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第3ターン。天候は晴れ。Sbeitla攻防戦の始まり。両軍戦車隊による射撃戦の応酬となるが、数と質に劣るアメリカ軍戦車がみるみる削られていく。Sbeitlaに籠もるCCC 3/6機械化歩兵大隊も6ステップを有し、準備防御状態にあるものの、直接射撃を浴び続け、次第に戦力が落ちていく。そして連合軍期待の増援CCB/1は、第2活性化に失敗したため、Sbeitlaに入る手前で行動終了。

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最終第4ターン。遂に枢軸軍KG LangがSbeitlaへ突入。部隊はさらにSbeitlaを越えて連合軍のCCB・CCC司令部スタックを射撃し、これを後退させた。もはや連合軍にSbeitlaを奪い返す戦力は無いが、これで枢軸軍の勝利が決まったわけではない。あとひとつ、勝利条件ヘクスを取らなければならない。

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地図盤北部に広がる勝利条件ヘクスのうち、Hadjeb el Aioun(40.26)はガラ空きのため、Kern's CrossroadでもたもたしていたKG Reimが進路を変えて北上するも、第1活性化だけでは到達できず、第2活性化には失敗。代わってそちらへ向かったKG Gerdtも、KG Stnkoffも、やはり第2活性化に失敗し、Hadjeb el Aiounを占領できず。結局ゲームは「引き分け」で終わった。※ルール間違い:KG Gerdtを最終第4ターンに盤上から取り除くのを忘れていた。

感想。最初は、地図盤が広い割にユニットが少ない、と思ったが特に問題はなかった。と言うより、このシステムには広いスペース(特に縦深)が必要なのだと分かった。なにしろ1回戦闘や射撃戦に負けるたび3ヘクス後退するし、それが複数回重なると、かなり戦線が動く。後方に二線陣地と言うか、予備の防御ユニットを置いておくのも大事になる。そういう意味では先輩格のOCS同様、BCSも縦深突破が可能であり、縦深防御が必要なシステムなのだと分かった。司令部や補給部隊が蹴散らされるとフォーメーション全体に影響が及ぶ、というあたりも(表現方法は違えど)OCSと同じような思想が流れている。

また、個々のスタックが蜂のように飛び回って刺し合う機動戦も、北アフリカ戦にマッチしていると感じた。独特なシステムなので、最初は戸惑うかもしれないが、決して難解なゲームではないので、馴れればさくさく進められるし、この「Operation Spring Wind」シナリオなら、午後から夕方までで決着できるだろう。あらためてシリーズ第一作「Last Blitzkrieg(バルジ戦)」をプレイすれば印象は変わると思うが、とりあえずのBCS第一印象はそんなところである。