Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Battalion Combat Series】「Baptism by Fire」

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MMP社に直接プレオーダーしていた、BCS(Battalion Combat Series)第2弾「Baptism by Fire(業火の洗礼)」が到着。お題は、1943年2月14日~23日(1ターン=1日)までの北アフリカチュニジアにおけるドイツ軍の反撃「春風作戦」から始まる、いわゆるカセリーヌ峠の戦闘。すでにこのBlogでも記事にしているが、BCSの基本ルールはver1.1となり、様々な改訂が加えられている。

枢軸軍は、指揮系統の混乱により、2つの作戦目標(TebessaかLe Kef)のうち、どちらを攻めるか決定しないままキャンペーンゲーム(全11ターン)を始め、第6ターン(2月19日)になったら、ランダムに作戦目標をチットで決める。それまでは、枢軸軍も連合軍も狙いが定まらぬまま戦うハメになる。シナリオは6本あり、まずは戦闘序盤を扱う「春風作戦」シナリオ(全4ターン)から試してみたいが、ユニットが少ないので、実際に一日かければ、キャンペーンゲームもそれなりに消化できそうな気もする。

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そう、本作のユニットは非常に少ない。カウンター総数は560個だが、半数以上はマーカー類であり、部隊ユニットは(司令部と補給部隊を含めて)枢軸軍50個、連合軍70個ほどしかない。これで戦場がフルマップ2枚なのだから、ユニット密度的にはかなりスカスカだろうが、扱うユニットが少ない分、シリーズ第1弾「Last Blitzkrieg(バルジ戦)」よりもBCS入門者向けだと思う。地形も、入り組んだアルデンヌの森よりは、分かりやすい。

ただ、この戦力密度でフルマップ2枚の戦場をカバーできるのか?と思ったら、「前哨(Recon Screen)」なる新ルールが登場していた。前哨に指定された偵察ユニットは、3ヘクス以内の移動面の敵ユニットに対し、ヘクス毎に追加+1移動力を消費させることで敵の前進を鈍らせるというもの。とは言え偵察ユニットも少ないし、それでうまいこと、この広い戦場がカバー出来るかは分からないが、一応この前哨ルールは、シリーズ第1弾「Last Blitzkrieg」にも適用できるとのこと。このあたり、まだまだこのBCSというシリーズ・システムが固まっていない感もある。

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すでにBCS基本ルール1.1も、本作の特別ルールやヒストリカルノートも訳してあるので、早速ソロプレイに取りかかってみたい。個人的に、WWII大隊作戦級は大好物だが、なにせ独特かつ斬新なシステムだし、まだまだシリーズ立ち上げ当初の開発段階にも思えるので、「味見する」程度の感覚で触れようかと思う。以下のリンク記事が、実際ユニットを動かす参考になりそうだ。

「Baptism by Fire」Playing a complete Game Turn

カセリーヌ峠の戦い1943―ロンメル最後の勝利 (オスプレイ・ミリタリー・シリーズ 世界の戦場イラストレイテッド)

カセリーヌ峠の戦い1943―ロンメル最後の勝利 (オスプレイ・ミリタリー・シリーズ 世界の戦場イラストレイテッド)