ドイツでの軍事史学会の講演録をベースとした「軍事史とは何か」を購入。歴史学という中での軍事史のあり方について、複数著者による考察がまとめられている。そもそも歴史学とは何かという専門的教養が無いとついて行けないし、自分にとっても、正直、本書の大半は歯が立たない内容だった。
しかし、戦後ドイツにおける戦争史研究がたどった変遷や、「作戦史」という聞き慣れないものの、非常になじみ深い概念を知れたのはありがたい。なるほど、自分がウォーゲームの参考資料として最近惹かれているのも、本書で言うところの「作戦史」なのだなと、あらためて再認識した。
恐らく、本書でも「作戦史としての軍事史」を書いているデニス・ショウォルターの「クルスクの戦い1943」や、カール・ハインツ・フリーザーの「電撃戦という幻」あたりは、学術的な作戦史なのだろう。まあ、どこからが学術的で、どこからが非学術的なのかという線引きは、単なる歴史ファンの自分には分からないが、これから洋書戦史を選ぶにしても、「作戦史」というワードが、自分の目安になりそうだ。