Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Grand Operational Simulation Series】「Wacht am Rhein 2012」Ride of the Valkyries Solo-Play AAR Part.1

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年末はやはりバルジ戦、ということで「Wacht am Rhein 2012」の第6装甲軍シナリオ「Ride of the Valkyries」に再挑戦してみた。2015年はGOSS(Grand Operational Simulation Series)を集中的に遊んでみたので、今年の総決算的な意味で。

ちなみに本作のデザイナーJoe Youstが、最近Consimの書き込み欄に「次はGOSS:Patton's 3rd Army in Lorraine」と記している。「GOSS:Anzio Beachhead」の企画が消えてしまったので、もうこのシリーズも打ち止めかと思ったが、なかなかしぶとい……

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さてソロプレイ開始。前回(初回)のソロプレイでは、第1SS装甲師団を慎重に動かしてしまったので、今回はなるはやで突破させることを念頭に。また重戦車が渡ると橋が落ちる問題に関しても、試してみたい案があるのでそちらも。

まず12月16日払暁ターン。第1SS装甲師団先鋒はヘクス6025まで前進。GOSSでは移動順が厳密に決められており、おおまかに言えば戦略移動が先、強襲移動が一番最後となっている。そのため前線部隊が攻撃のために前進してから後方の部隊が追いすがる……ことはできない。今回は、まず前線の第3降下猟兵師団の中でも強襲戦闘を行わないユニットが進撃路を空け、そこに第1SS装甲師団が滑り込んで停止し、さらに強襲を行う第3降下猟兵師団ユニットが動く、という順番となった。ややこしくて面倒臭いが、バルジ戦序盤の渋滞感が味わえるとも言える。

16日払暁ターンでのドイツ軍砲撃はすべて非観測となり、当たりにくくなるため、今回は弾薬を節約する意味でも一切行わなかった。それでも第3降下猟兵師団は邪魔なアメリカ軍装甲車中隊を蹴散らし、第1SS装甲の進撃路を確保している。

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続く12月16日午前のアメリカ軍ターン。まだ大半のアメリカ軍は未活性だが(ドイツ軍の奇襲効果)、攻撃を受けて目を覚ました第2・第99歩兵師団の前線部隊は、戦線を整えるため後退開始。

そして16日午前のドイツ軍ターン。第1SS装甲師団と第150装甲旅団を突破モードに指定(マーカーは外して撮影)し、ドイツ第6装甲軍は総攻撃に出た。

しかし北の第326国民擲弾兵師団はモンシャウ前面(ヘクスNE5111)への攻撃に失敗。第12SS装甲師団もワーレルシャイトの十字路(NE5515)で撃退されている。第277擲弾兵師団に至っては、クリンケルトの森(NE5619)を守るアメリカ第99歩兵師団第393歩兵連隊第2大隊に防御ダイス01=最良を叩き出され、2ステップロスを喰らう有様だった。第12国民擲弾兵師団は、進撃路の要衝ロスハイマーグラーベン(NE5523)を攻め、3ステップロスと引き替えに第394歩兵連隊第1大隊を後退させ、これを奪取。戦闘後の突破フェイズにおいて、第1SS装甲師団はヘクス5417まで前進した。ただし突破モードなので消費できる移動力は1/2まで。残りの移動力は次のアメリカ軍ターン中に行使できる。

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続く12月16日午後のアメリカ軍ターン。第394歩兵連隊第3大隊は、突破してくる第1SS装甲を邪魔すべくホンズフェルド(NE5223)へ入った。

そしてこのアメリカ軍ターン中のドイツ軍突破フェイズで、突破モードの第1SS装甲師団が残り半分の移動力を使って前進。この突破フェイズではオーバーラン(単独ユニットによる移動中の攻撃)が行えるため、先鋒のパイパー戦闘団主力ユニットが次々とホンズフェルドに襲いかかった。準備強襲1シフトも砲兵支援も無いため戦闘は決して有利では無く、貴重なV号パンター+装甲擲弾兵混合ステップを失いつつも、なんとかホンズフェルドを奪取した。

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そして12月16日午後のドイツ軍ターン。第1SS装甲師団先鋒は、ビュリンゲン(NE5121)のアメリカ第99歩兵師団司令部+第644駆逐戦車大隊(M10駆逐戦車装備)+工兵中隊を強襲。見事これを撃退し、本道上に躍り出た。しかしこのターンで奇襲効果の強襲+1シフトも終わってしまう。

続く16日夜間のアメリカ軍ターンには、第5機甲師団A戦闘団がモンシャウ近辺に展開。ドイツ第326擲弾兵師団の前に立ちはだかった。

明けて12月17日午前のアメリカ軍ターン。ようやく大半のアメリカ軍が活性化し、第2歩兵師団はワルシェ河北岸に防御線を展開。後方では第99歩兵大隊がラグレーズ(NE3120)へ、第825対戦車砲大隊がスタヴロー(NE3521)へ入った。増援の第7機甲師団はいつものように盤外のサンヴィット(NE4430)へ。

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12月17日午前のドイツ軍ターン。ハイテ空挺隊は1中隊のみヘクス4413へ降下。

渋滞を抜けだした第1SS装甲師団の先鋒は、マルメディ(NE4020)を強襲し、ここに籠もる第291工兵大隊を殲滅。しかし空爆によってまたIV号戦車ステップが失われた。さらに戦闘後前進によってアンブレーヴ河を渡ったところ、NE3820-NE3920の橋がV号パンターの重みに耐えきれず崩落。別スタックがNE3919-NE4020の橋を渡ったが、こちらも橋が落ち、師団の主力スタックが川向こうに孤立することになった。ちなみに橋が落ちる確率は70%。かなりリスキーだったが、今回はあえて試してみた。一応、後方にはVI号b型ケーニッヒスティーガーが乗っても壊れない重架橋資材が来ているので、それを頼みにする予定。

また第326・第12SS装甲師団は攻撃を続けたものの、目を覚ましたアメリカ軍砲兵に叩かれ双方3ステップロスの大損害である。

17日午後のアメリカ軍ターンでは、増援の第1歩兵師団第26歩兵連隊第1大隊がハイテ空挺隊を蹴散らして南下。第1SS装甲を止めるべく、突破口の封じ込めが始まった。

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17日午後のドイツ軍ターン。連絡線の切れた第1SS装甲師団先鋒は、補給切れ(戦闘力、移動力が半減。予備や強襲モードになれない)のまま、スタヴローへ。師団の装甲捜索大隊もNE3522へ回り込み、ここを攻撃した。NE3522からスタヴローへ通じる橋を確保すれば、先鋒部隊との連絡も回復するはず……しかしやはり戦力比が低く、第1SS装甲師団は撃退された。

この間、第12・第277擲弾兵師団は共同してアメリカ第99歩兵師団を締め上げ、その包囲網を徐々に狭めていった。しかしすでに後方では、多数の砲兵大隊が弾薬切れとなり、これ以降の砲兵支援は望み薄となっていた……というあたりでPart.2へ続く。