Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Operational Combat Series】「Case Blue」Summer 1942 EATG Scenario Set-Up

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OCS - Case Blue Support - Scenario

OCS史上最大規模を誇るビッグゲーム「Case Blue(CB)」には、マップ1~2枚でプレイできるシナリオが少ない。まして「Guderian's Blitzkrieg II(GB II)」との連結キャンペーン(フルマップ10枚以上)なぞ、我が家の六畳敷きでは広げることすら不可能だ。さすがにアメリカの邸宅基準でもこれは手強いようで、フォローするためか、MMP社サイトでは手頃な追加シナリオが公開されている。今回はこの追加シナリオの中から「7.6B Summer 1942 EATG」を味見してみようと思う。

シナリオ期間は、1942年6月29日から7月29日までの全10ターン。つまり枢軸軍の青作戦開始からの一ヶ月間だけを切り取っている。SPI「Drive on Stalingrad」で言えば、序盤の5ターンだけプレイするようなものだ。使用するのは「Enemy at the Gates(EATG)」の地図盤A・Bの東半分+地図盤C・Dの西半分=フルマップ2枚分。

ユニット配置は「7.6 1942年ドイツ軍夏期攻勢 青作戦キャンペーンI」を見ながら。大量のユニットの中から部隊番号を確かめつつ並べるのは結構しんどい。また本来なら地図盤A・Bの西半分+地図盤C・D東半分に配置されていた戦闘ユニットは増援プールにまとめられ、後から増援として登場させる。史実ではこの北方(GB IIの地図盤C+F)でドイツ第4装甲軍も攻勢を開始し、本シナリオ範囲に南下してくるはずだがそちらは省略。

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こちらがシナリオ範囲の一番北側。ベルゴロド方面。攻勢の主力、ドイツ第40装甲軍団(第3・第23装甲師団+第29自動車化歩兵師団)が作戦開始を今か今かと待ち構えている。

しかし枢軸軍側には総計5個装甲師団+4個自動車化歩兵師団+軽装甲師団とも言えるアドルフヒトラー親衛旗旅団(LAH)があるものの、各部隊のトラックはいずれも燃料未積載のうえ、盤上には全部併せて5SP(補給ポイント)しかない。

それもそのはず、本来青作戦に使用するための攻勢用10SPはハリコフ(シナリオ範囲外・2ヘクス列西向こう)に備蓄されているのだ。シナリオには「3SP積んだトラックを増援プールに入れる」とも書いてあるが、それ一回ではとても攻勢をまかないきれそうもない。枢軸軍が各ターンに受け取れるのも4~8SP(平均6SP)なので、非常に頼りない。それとも毎ターン、増援プールから3SP積んだトラックを出せるのか?あるいはシナリオ範囲外のハリコフにある10SP+トラック3+ワゴン3を事前に自由配置するぐらいの措置をとらないと、青作戦が成立しない気もする。できればこのシナリオ、OCS東部戦線入門者にドイツ軍を受け持たせて、殴りたいだけ殴らせてあげられるようにしたい、とも思うので。

一方のソ連軍は、各ターン6~13SPが届く。補給に関しては攻勢に出る枢軸軍よりずっと多いが、基本、殴られて退却するだけで精一杯かと。戦線後方に控える戦車軍団もAR(アクションレーティング=練度)が低く、反撃は期待薄である。

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こちらは地図中央部。ドネツ河沿い、イジューム屈曲部付近。枢軸軍戦線左に見える緑ユニット群はルーマニア第6軍団。戦線右に見える水色ユニット群はイタリア第35軍団。ルーマニア軍はAR2が主体で頼りないが、イタリア軍は歩兵部隊もほぼAR4となかなかの陣容。後方に控えるアオスタ自動車化歩兵師団もAR5のオートバイ大隊を持つなど十分戦える部隊である。

ちなみに空軍力は、戦闘機ユニット数で枢軸軍2:ソ連軍1。しかもソ連軍には空戦力2の戦闘機(Mig3、Lagg3)しかなく、空戦力5~4のBf109にはなすすべが無さそうだ。枢軸軍は爆撃機も潤沢なので、航空戦闘全般もワンサイドになるかと。

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こちらがシナリオ範囲南部。枢軸軍戦線左の緑ユニットはスロバキア軍。写真には入っていないが、戦線後方にはドイツ第第14・第16・第22装甲師団とLAH旅団が控えている。しかしハリコフの10SPを渡したとしても、枢軸軍が全戦線で同時に攻勢に出る余裕はなく、南部での攻勢はSPに余録があれば……という感じだろうか。

また青作戦キャンペーンでは各ターン、このEATG地図盤からCB地図盤へ移動するよう指示されているユニットが多々ある。特にソ連軍。本来なら戦線を移動したと見なして除去されるが、このシナリオでは地図盤DのXX20列以南、つまりドン河以南へ移動し、そこで留まることになっている。

第6ターン(6月15日)ともなると、CB地域へ10個師団以上が移動しなければならず、ソ連軍としては退却タイミングも要確認。まあ基本的にソ連軍は押される一方だろうし、ドン河目指して下がる、ということだけ念頭に置いておこう。

と、イイワケも書き終わったところでソロプレイ開始。OCS版「Drive on Stalingrad」の始まりである。

スターリングラード 運命の攻囲戦 1942-1943 (朝日文庫)

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