Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Age of Muskets】Bellica 3rd Generation「Tomb for an Empire」

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スペインの新興ゲームメーカー、Bellica 3rd Generation社の Age of Musketsシリーズ第1弾「Tomb for an Empire」を購入した。 発売直後から気になっていたが、国内ショップでは高額だし、 どうしようかと悩んでるうち、e-bayで手頃な価格を見つけてつい…… (しかしまさかB3G社とMMP社が提携するとは思わなかったな)

テーマは、タイトル通り「(ナポレオン)帝国の墓穴」となったイベリア半島戦役。1808年~1814年の様々な時期を扱うキャンペーン・シナリオが18本あり、野戦ディスプレイだけを用いるバトル・シナリオも5本入っている。そう、作戦は盤上で行い、戦闘が発生すれば野戦ディスプレイで解決するシステムなのだ。これは好み。「Napoleon at Bay」よりも俯瞰した視点の戦役級ゲームと云う立ち位置も以前から欲しいと思っていた。

1ゲームターンは基本的に1ヶ月、各ユニットは師団~旅団を表している。盤上はエリア分けされ、各エリアには小麦の束が1~3記してあり、これは食糧の徴発可能量を示している。恐らく移動する場合は、おのずとメシがたくさん食えるエリアを通り、それが回廊のように機能するのだろう。半島全体も北部・中部・南部に大きく分けられ、天候等の判定に使用される。

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総司令官、軍団長クラスは、肖像画入りでユニット化され、作戦指揮値、士気修正、イニシアチブ値、戦術修正なるレーティングで表される。両軍合わせて300人以上の将官が名前入りで登場するので、 指揮官リストと能力値を眺めてるだけでも楽しくなってくる。 ゲリラ隊長エスポス・イ・ミナもユニット化されててニヤリとしたり。しかし、さすがに金地に金文字は読みにくい。その辺りも含めてアートワークの出来はGMTやMMPより数段落ち、特にマーカーの絵がヘタ過ぎる……。カウンターシート1枚の印刷が表裏逆だったりと、まだまだだなと思う部分もあり。ご購入される際はお覚悟を。

各ユニットには戦力マーカー(1戦力=1000人)を組み合わせるが、各戦力はベテラン、一般兵、新兵などに区分され、訓練によるレベルアップもあり。ただし戦力マーカー自体にはベテラン等の区別は付されておらず、別途、管理シートに書き込む必要あり。この辺りも、やりたいことは判るが、コンポーネント的に準備不足なのは否めない。一応、総数1300近いカウンターが入っているものの、ゲームの本質的にはそれでも足りないのだ。

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ゲームプレイは、活性順の高いHQから活性値を消費して行動し、戦略イニシアチブを握っている側は、優先的に1HQを活性化できる。戦闘は、小戦闘と野戦に分かれ、ある程度以上の戦力がぶつかり合う野戦では解決ディスプレイを使用し、各翼に配置した部隊に対し、戦闘チット(突撃や砲撃)で指示を出すらしい。半島戦役らしくゲリラ、シントラ協定などのルールもある。いろいろ難点が多いゲームではあるが、それでも自分好みのスケールのナポレオン戦役級であり、モチベーションも高まっている。試しに遊んでみて、 もし面白ければ、8月のTOM7でデモプレイするかもしれない。

The Peninsular War Atlas (Revised) (General Military)

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Wellington's Army in the Peninsula 1809-14 (Battle Orders)

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