戦略の歴史―抹殺・征服技術の変遷 石器時代からサダム・フセインまで
- 作者: ジョンキーガン,John Keegan,遠藤利国
- 出版社/メーカー: 心交社
- 発売日: 1997/01
- メディア: 単行本
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古書店巡りの続き。町屋から、都電と日暮里・舎人ライナーを乗り継ぎ、西新井大師へ。で、新規開店の古書店を覗くと、ここでも絶版「戦略の歴史」を発見。しかも半額だったので、今日は数年に一度のラッキーDAYのようだ。
邦題は「戦略」だが、実際には「戦争文化」が主題で、イースター島の生存戦争から日本のサムライ文化にも触れ、クラウゼヴィッツが唱えた政治戦争だけでなく、より広範な視点で石器時代から湾岸戦争までを解説した一冊。ざっと眺めた感じでは「戦闘技術の歴史」に似た部分もあるものの、テーマはより深いので、時間をかけてゆっくり読み進める予定。ちなみに2015年には、中公文庫から再版されている。
さらに言うと本書は、戦略家コリン・グレイの「現代の戦略」の中で『興味深いが腹立たしい』『クラウゼヴィッツを悪魔化している』内容だと一刀両断されている。このあたり、学派的な意見の相違もあるが、キーガンの「ほとんどの戦争は、文化的なものだ」という主張は、グレイからすれば、正しいものの、あくまで戦争の一側面を捉えただけだということらしい。自分も、どちらかと言えばグレイの考えを良しとするのだが、まあ、それも踏まえたうえで読むのも宜しいかと。