Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Grand Tactical Series】「The Devil's Cauldron」 A Near Run Thing AAR

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昨年10月の猿遊会以来、半年ぶりに「The Devil's Cauldron」を対戦。今回はMi-boh氏、karter氏へのインストプレイと云う事で、シナリオは「A Near Run Thing」を選び、自分がドイツ軍Feldt軍団を担当。両氏にはアメリカ第82空挺師団とイギリス機甲部隊を分担してもらった。

シナリオ開始と共に、ドイツ空軍野戦部隊を中心とする4個戦闘団が、アメリカ第82空挺師団が守る四つの街と補給ルート目指して進撃開始。これに対しアメリカ軍は、師団砲兵、迫撃砲で阻止弾幕を展張する。ドイツ軍の指揮状態は劣悪で、ただでさえ派遣ポイントが少ないのに自分がダイス9を出してさらに減り、フォーメーション・チットが買えず。おかげでブレッカー戦闘団、グレシェク戦闘団は、目標の街に近づいたものの、アメリカ軍射撃ゾーン内に入れず立ち往生。またグロスビークの街を目指したゲーベル戦闘団は、アメリカ軍の阻止砲撃をくらって制圧されたところを強襲され3中隊が除去。ヘルマン戦闘団は、アメリカ軍前哨陣地を踏み潰して前進するも、砲兵部隊と連絡がつかず、ムックの街を目前にしてイギリス軍戦車と対峙・・・と云う展開で5ターンほどプレイし、時間切れ終了となった。

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最後は両軍とも指揮ポイントが枯渇してい たが、第6ターンには連合軍フォーメーション・チット2枚が投入されており、指揮ポイントの回復力にも分がある連合軍の勝利確定かなと。両氏にも初 「TDC」をそれなりに楽しんでいただけたようだ。

今回のインストは、一度にすべてのルールを覚えてもらうのは無理かと思い、とにかく面白い部分、キモの部分から知ってもらおうと考えた。面白い部分とは、まず射撃。特に部隊練度7を誇る第82空挺師団は機会射撃に成功しやすく、中隊ボーナスも得やすいので、 バンバン派手な射撃が楽しめるかなと。 実際、部隊練度チェックも盛り上がっていた。

次に絶対外せないキモの部分が、師団運用(指揮・派遣ポイントの把握)。さすがに独特なルールなので、両氏と もすぐには飲み込めなかったものの、遊ぶうちに、いつ、どこで、どれだけポイントを使えばいいのか悩み始め、「TDC」特有の作戦的ジレンマを味わっていただけたようだ。

逆に「TDC」の面倒な部分は、移動である。非縦隊、輸送モードへの転換、敵射撃ゾーンなどいろいろ細かいが、防御に徹する「A Near~」シナリオなら、ほとんど移動しなくてよいし。その辺り、ゲーム個性に合わせて面白い部分から楽しんでもらうべく、それに適したシナリオ、 プレイサイドを選んだつもりだが、そもそも面白いかどうかを感じるのはインストを受ける側である。そのため読み違いが生じる危険もあるが、今回のお相手は30年来の付き合いのある二人だったため、どこを面白がるか/嫌がるかと云う反応は、ある程度見えていたつもり。それでも「細かいゲームだなあ」と辟易されたので、まだまだ読みが浅いか。まあそうやって相手の嗜好を推し量りつつ、「このゲームをどういう切り口でお出ししようか」と考え るのが、インストラクティングの醍醐味だと思う。「お客さまのおもてなし術」に似てる気がする、なんとなく。