Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

SPI 「Next War」

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ヤフオクにて中古のSPI社「The Next War」を購入した。遙か昔、中学生の頃から欲しかったゲームだが、いまだ高値取引されているし、これは手が出ないかと諦めていたものの、たまたま「箱ダメージ品」が手頃な値段で出ていたので衝動買い。届いた4インチ箱を眺めてしばし感慨に耽ってしまった……

ゲームは1978年製。想定年代は「明日」。ソ連を中心とするワルシャワ条約軍が西ドイツに攻め込んだら?と云う当時の近未来戦テーマを、フルマップ3枚+ミニマップ2枚、カウンター総数2400個でシミュレートしたビッグゲームである。1ヘクス=14kmのマップはデンマークから北イタリアまでを含み、陸上ユニットは師団~旅団/連隊を基本とし、航空機、艦艇ユニットもあり。1ターンは2日を表し、キャンペーンゲームは30ターンに及ぶ。勿論、現在では明らかにアウト・オブ・デートなゲームだが、当時としては革新的かつ独特な陸戦システムはまだ味わう価値があると思っている。

陸戦は、スタック毎に与えられた20移動力を消費して自由に移動・戦闘を組み合わせて行うと云う画期的なモノ (疲労はするが追加移動力もあり)。スタックが攻撃をかけて敵を撃退し、さらに前進し、その突破口へ後続のスタックがなだれ込み、さらに敵後方へ進出すると云う、当時ワルシャワ条約軍が行うであろうと想定された梯団攻撃による縦深突破作戦が再現できるわけだ。無論、これに対するNATO軍のアクティブ・ディフェンス……すなわち突破部隊の先端へ戦力を集中して撃滅する戦法も再現でき、1970年代末の東西両軍ドクトリンを検証できるゲームだと思っている。

基本陸戦ルールはさほど難しくないものの、化学兵器核兵器、空軍と海軍、ヘリコプター、特殊部隊、電子戦と、選択ルールを山盛りにすると難易度もかなり上がってしまうようだ。まあ個人的に海軍はオミットしようかなと。キャンペーン・ゲームは無理としてもフルダ峡谷シナリオ、北ドイツ平原シナリオあたりから始めて、その2つを合わせた主戦線シナリオまでは遊んでみたい。

第三次世界大戦―1985年8月 (1983年) (サラ・ブックス)

第三次世界大戦―1985年8月 (1983年) (サラ・ブックス)