- 作者: J C ワイリー,奥山真司
- 出版社/メーカー: 芙蓉書房出版
- 発売日: 2010/02/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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元アメリカ海軍少将、J.C.ワイリーの「戦略論の原点」を購入。メインとなるのは、1967年に発行された「The Military Strategy:A General Theory of Power Control」という総合戦略理論。分量としてはあまり多くないが、シンプルで内容が濃いと評価されている文献である。「Power Control」とあるように、戦争とは敵のコントロールが目的であるとしたうえで、 そのパターンは予測不能とも説いている。個人的には、順次戦略と累積戦略というあたりを興味深く読んだ。太平洋戦争で言えば、アメリカ軍が島嶼伝いに日本列島に迫ったのは順次戦略であり、潜水艦で日本の船舶を撃沈し続けたのが累積戦略、という喩えも分かりやすかった。一応、20年後に書かれた、テロリズム、核戦争、SDI構想に関する追記も訳出されているが、元々の部分だけでも十分勉強になる。