Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Grand Tactical Series】「Race for Bastogne」To Bastogne and Beyond Solo-Play AAR Part.2

さて「To Bastogne and Beyond」の続き。こちらが1944年12月19日夜間ターン終了時。バストーニュの南北で突破を図るドイツ第2装甲師団、教導装甲師団は、アメリカ第101空挺師団に行く手を阻まれている。教導装甲師団と第26国民擲弾兵師団はバストーニュへ正面攻撃をかけているが、こちらも前日から大きな進捗は見られない。日中ターンが短い、派遣ポイントが少なくフォーメーションチットを使った組織的な攻撃が行えないなどの理由はあるが、それにしても……な有様である。

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対するアメリカ軍は、工兵部隊を用いてバストーニュ周辺に塹壕を設置。来るべきドイツ軍の本格的な攻撃に備えて、一帯を要塞化しつつある。北部には夜間ターンの増援として、M18ヘルキャット駆逐戦車3個中隊を擁する第705駆逐戦車大隊も到着しており、ドイツ第2装甲師団の前面に展開した。

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そして夜が明けて12月20日0700時ターン。天候は「霧」のため、視界は2ヘクス、火力-1、移動コスト+1だが、次の0900時ターンも霧なので、ドイツ軍としては天候が回復するのを待っていられず、フォーメーションチットを何枚か投入。しかしチットで先手を取ったアメリカ第101空挺師団がバストーニュ前面に阻止弾幕を展開。教導装甲師団擲弾兵たちは、その弾幕を乗り越えつつアメリカ軍の前線に肉薄したが、さらなる攻撃をくらって次々にステップロスしている。

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後方では、散々ドイツ軍を悩ませたM4シャーマン中隊が、3度目の強襲を喰らって遂に除去された。しかしここでも、IV号戦車中隊が武勇チェックに失敗し、装甲車中隊だけで強襲したっていう……

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北部でも、V号パンターとM18ヘルキャットが対峙する中、第2装甲師団擲弾兵たちが強引にアメリカ軍戦線に食らいついてる。

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続く0900時ターンも「霧」だが、両軍ともフォーメーションチットを投入しまくり、ドイツ軍は押せ押せ、アメリカ軍はカウンターの構えである。

北のドイツ第2装甲師団は、第101空挺師団の防衛線を抜くべく、最北部に位置していた陣地=バンド・オブ・ブラザーズこと第506連隊第2大隊E中隊めがけて猛砲撃を加えてステップロスさせ、弾幕をかいくぐった工兵中隊が強襲をかけて、あと1ヒットで全滅まで追い込むも突破ならず。さらに前日から粘っていた第10機甲師団B戦闘団のM4シャーマン中隊にはV号パンター中隊が強襲をかけて撃破。

とにかく戦場が平坦で、見通しが良く、身を隠す場所が無いため、お互い有利な地形に籠もり距離を取り合ったまま撃ち合うという状況になりにくく、だったらもう平地を突っ切って隣接して強襲をかけてしまえ、という場面が続いた。戦車が戦車に強襲かけるなんて、長年GTSプレイしてるけどなかなか無いぞ。

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中央でも、ドイツ第26国民擲弾兵師団が、第10機甲師団のM5スチュアート中隊に歩兵中隊で強襲をかけて撃破。歩兵部隊の損害も大きかったが、とにかく数はあるんだから、多少の損害には目をつぶろうという強引な攻めで前進していく。

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弾幕マーカーを外してあるが、ドイツ軍の先鋒はすでにバストーニュの外郭陣地に取り付いている。教導装甲師団の工兵中隊が地雷原を除去し、そこを突破口にして歩兵がなだれ込んでいる。しかし平地で阻止弾幕を喰らっているため、損害が多く、また制圧もされているが、いいから行け行けとばかりに部隊を前進させていく。正直、GTSでこれほど雑に部隊を扱ったのは初めてかもしれない。ドイツ軍は何度か強襲もかけたが、すでにアメリカ軍の第一線は塹壕化されており、堅いのなんの。

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南でも阻止弾幕に遮られ、まだ本格的な攻撃は始まっていない。装甲教導師団は、いまだに派遣ポイントが少なく、チットを入れるにしてもバストーニュ正面の部隊のチットを入れているため、こちらまで活性化させる余裕がない。

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これが0900時ターン終了時。それにしてもこのターンは長かった。フォーメーションチットも複数入り、あちこちで強襲も頻発したので、処理するのにだいぶ時間がかかってしまった。もう少し先のターンまで進めようかと思ったが、体力的にバテバテ。

そしてここまで動かして、いやこれ第101空挺師団はバストーニュ防衛と、ドイツ軍装甲師団2個の突破をすべて防ぐのは厳しいんじゃないかと思ったり。ドイツ軍側が勝利点に至らない程度に装甲師団を突破させつつ、バストーニュ防衛に戦力を割いた方が良いような気が……いや、そんな都合良くできるか?と、アメリカ軍の防衛構想そのものに疑問が出てきたので、今回のソロプレイはここまでとした。

さすが「Race for Bastogne」のメインシナリオだけあって、今までプレイしたGTSのシナリオの中でも屈指のユニット密度と、戦闘の苛烈さ。平野部での戦車戦もあり、遊び応えはあるが、その分プレイするのも大変だった。まあ、そういったシナリオの風味が分かっただけでも良しとしよう。両軍ともかなりの数のフォーメーションが登場するので、どれをどこに送り込むのか、一回プレイした方が今後の参考にもなるしね。

【Grand Tactical Series】「Race for Bastogne」To Bastogne and Beyond Solo-Play AAR Part.1

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今年4月に購入した、作戦戦術級シリーズGTS(Grand Tactical Series)「Race for Bastogne」から「To Bastogne and Beyond」シナリオをソロプレイすることに。なにしろ舞台は1944年12月、冬のアルデンヌ戦線。ゲーム自体は春に到着したが、暖かい時期にやる気分ではなかったので、あえてこの冬までプレイを先送りにしてみた。雰囲気的には(これ大事)、まさに寒いクリスマス時期にソロプレイするのが絶好のタイミングかなと。

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シナリオ開始は、1944年12月19日0700時ターン。すでに16日からドイツ軍の攻勢が始まっており、ドイツ第47装甲軍団に属する第2装甲師団、教導装甲師団、第26国民擲弾兵師団は前線を突破し、次なる目標バストーニュの街に向かっている。しかし街にはすでにアメリカ軍の増援部隊、第101空挺師団が到着しつつあり、前線から後退してきた第10機甲師団B戦闘団(CCB)と共に守りに就いている。言うなればこれ「Race for Bastogne」のメインシナリオとも言える。

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こちらは南側を進む教導装甲師団と第26国民擲弾兵師団。V号パンター戦車中隊を先頭に押し立て、すでにバストーニュの街まで10ヘクス=5kmに近づいている。ここまで押し込んでいながら、史実ではバストーニュを落とせなかったなんて嘘だろと思うような状況。

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北を進む第2装甲師団は(教導装甲師団もだが)、バストーニュに向かうのではなく、西の地図盤端から突破するよう命じられている。目的地は遙かアントワープなのだ。

シナリオとしては、バストーニュの奪取(勝利点1)と、2個装甲師団の突破(師団毎に勝利点1)によってドイツ軍の勝利となる。アメリカ軍としては、それを阻止して勝利点1に抑えれば勝利し、2点止まりでも引き分けに持ち込める。

ではソロプレイ開始。1944年12月19日0700時ターンの天候は、史実を採用して「霧」のため、視界は2ヘクスのみ。各ヘクスの移動コストは+1となる。両軍とも前線に向かって移動開始。すでに2ヘクス以内で対峙している地域では、散発的に砲撃も行われているが、ここはあくまで準備段階。ドイツ第26国民擲弾兵師団も、このターンは師団チットがカップに入れられていないのでほぼ動けない。

0900時ターンから天候は快晴。ご覧の通り、まさに「Race for Bastogne」。両軍がマップ中央のバストーニュめがけて前進しつつある。増援のアメリカ第101空挺師団も、強行軍を用いて前線へ駆けつけている。霧も晴れ、両軍ともLOS(視認線)が通るようになり、ここからいよいよ本格的戦闘だが、ドイツ軍も派遣(Dispatch)ポイントが少なく、まだフォーメーションチットは購入せず、師団チットのみで間合いを詰めていく。しかしバストーニュ前面では、装甲教導師団のパンター戦車中隊が、アメリカ軍のM16スカイクリーナー自走対空砲中隊を吹き飛ばし気勢を上げていた。

続く1100時ターン。ドイツ教導装甲師団は、第901戦闘団を突破させるため、その前進路に射撃ゾーンを及ぼしているアメリカ軍M4シャーマン中隊に、IV号駆逐戦車、IV号戦車中隊を肉薄させ、射撃ゾーンを1ヘクスに減少(目の前のヘクスに敵ユニットがいるとそれ以上先のヘクスを射撃できない)。その隙に第901戦闘団を西に向かわせた。目指せアントワープ

一方、バストーニュ正面では、両軍の阻止砲撃が炸裂。教導装甲師団は、なかなか派遣ポイントが溜まらず、戦闘可能なフォーメーションチット無しのまま、指揮ポイントのみで1ユニットずつ敵射撃ゾーンに突っ込んだり、射撃したりと、組織的な攻撃ができていない。貴重な機動戦力であるパンター中隊をこのまま歩兵陣地に突っ込ませていいのかという懸念もある。

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一方、バストーニュの北を進むドイツ第2装甲師団は、派遣ポイントも得たため、Von Volm戦闘団のフォーメーションチットを投入。パンター戦車、プーマ装甲車中隊を前に押し立てて、アメリカ第10機甲師団B戦闘団を攻撃中。

1300時ターン。アメリカ第101空挺師団は、ドイツ軍の突破を阻止すべく、第327グライダー歩兵連隊のフォーメーションチットを購入してカップに投入。これが功を奏して、ドイツ軍に先んじてチットを引き、突破口を塞ぐように布陣した。

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北のドイツ第2装甲師団は、増援部隊も前線に到着したものの、まだアメリカ軍の前線を突き崩せずにいる。パンター戦車が4個中隊もあるのに、M4シャーマン1個中隊を排除できないとは、なんたるていたらく。

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中央のドイツ第26国民擲弾兵師団も増援を得ているが、こちらもアメリカ軍装甲車中隊の遅滞行動に悩まされている。

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南のドイツ教導装甲師団は、強引に突破口を開けようと、M4シャーマン中隊のヘクスへ、IV号駆逐戦車、IV号戦車で強襲(同一ヘクス戦闘)を仕掛けた。しかしあと1ヒットでシャーマンを潰せるところで戦闘終了。

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1300時ターン終了時。すでに第101空挺師団の増援部隊も、北と中央に展開し、バストーニュを守りつつ、ドイツ軍の突破を防ごうとしている。

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続く1500時ターン。西ヨーロッパの冬は日が落ちるのが早く、このターンをもって日没、12月19日の日中ターンは終わりとなる。まずドイツ第26国民擲弾兵師団は、フォーメーションチットも使って強襲に持ち込み、一気にアメリカ軍の防衛線を抜こうと思ったものの、指定した4個擲弾兵中隊がすべて武勇チェック(敵ヘクスに突入できるかどうかの士気判定)に失敗し、攻撃が停滞。この後、再度、強襲をかけたが、アメリカ軍機械化歩兵中隊をあと1ヒットまで追い込みながらも、こちらも突破とはならなかった。

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北のドイツ第2装甲師団も、M4シャーマン中隊に接敵し、強襲で決着をつけようとしたところ、こちらも武勇チェックに失敗。それでもアメリカ軍対戦車砲だけは潰し、後方に控える第101空挺師団第506空挺連隊に攻撃をかけた。ちなみに地図盤最北部のヘクスを守っているのは「バンド・オブ・ブラザーズ」こと、第2大隊E中隊である。この時はもう中隊長はウィンタースではないけれど、他の中隊より部隊練度は1高い。

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南の教導装甲師団も再び、M4シャーマン中隊めがけて強襲をかけたが、こちらでもIV号戦車中隊が武勇チェックに失敗し、IV号駆逐戦車中隊のみで突入することに。まあ、どうせM4シャーマンはあと1ヒットで除去できるから楽勝……と思いきや、M4シャーマンは主砲と機関銃、どちらの射撃も10面体ダイスで「0」しか当たらないはずなのに、振ったダイスはどちらも「0」。この1%のラッキーヒットにより、IV号駆逐戦車中隊もステップロスする羽目に……しかもM4シャーマンを除去しきれなかったという、映画化決定な展開と相成った。

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こちらが1500時ターン終了時。いや、今までGTSもだいぶプレイしてきたが、なかなかユニット密度の濃いシナリオだなと。それでもマップ1枚に収まっているし、初手から戦闘が始まるので、ゲームクラブの例会などで多人数プレイするには良さそうだ。

この後、12月19日の夜間ターンとなり、さらに12月20日へと続く……

【The Library of Napoleonic Battles】「Napoleon's Wheel」The Battle of Austerlitz:Approach to Battle Solo-Play AAR Part.2

さて両軍とも布陣を終え、霧も晴れた12月2日9時ターン、いよいよ先手・対仏連合軍(オーストリア=ロシア)が攻撃開始。このターン、連合軍は全軍団が活性化に成功し、一斉にフランス軍めがけて襲いかかった。南部では、ロシア第1軍団長ドクトゥロフ自らが指揮したテルニッツ(Ternitz)への攻撃は跳ね返されたものの、オーストリア軍歩兵がソコルニッツ(Sokolnitz)への攻撃に成功し、市街に突入している。とは言え単独での突出なので、返す刀で叩き出されたり、包囲殲滅される可能性も。

中央でも、オーストリア軍によるコベルニッツ(Kobelnitz)への攻撃が成功。こちらも川を渡って市街に突入したが、同じく単独での突出に留まった。ランゲロン率いるロシア第2軍団が正面攻撃に成功すれば、高地に位置していたフランス第4軍団スタックをオーストリア軍ZOCに追い込めたが、あいにく攻撃側敗退となっている。

さらに北では、ミロラドヴィッチ率いるロシア第4軍団が、ベルナドット率いるフランス第1軍団を正面攻撃。これも跳ね返された上、攻撃側全滅となった2ユニットが早くも除去された。

9時ターン後攻のフランス軍は、ソコルニッツに入ったオーストリア軍歩兵旅団を包囲し、これを後退・除去した。戦闘後前進は強制ではないので、オーストリア軍も突出する必要はなかったかもしれないが、翌ターンまで踏みとどまれば渡河攻撃の足場が固まるし、判断としては難しいところ。

コベルニッツに突入したオーストリア軍歩兵旅団と砲兵隊も、包囲攻撃を食らって除去されている。またこれが属するオーストリア第6軍団は規模が小さいため、8戦力歩兵旅団という主力が失われたため、軍団として士気崩壊(イニシアチブ1低下、戦闘後前進、騎兵突撃不可)に陥った。これも結果的に突出しなければ良かったように見えるが、前ターンのロシア第2軍団の攻撃が成功していれば高地にいるフランス軍スタックを除去できたので、ここでの勝敗は紙一重だったなと。

ベルナドット率いるフランス第1軍団は前進して、ロシア第4軍団を攻撃。これにより、またロシア軍スタックをひとつ除去し、戦闘を優位に進めている。

10時ターン先行・対仏連合軍。南部では再びソコルニッツへ攻撃を行い、2カ所で渡河攻撃に成功した。複数スタックで渡河すれば、フランス軍も対応する戦力を分散させなければならないし、対岸に踏みとどまれるチャンスはあるかなと。しかしこの地域、果樹園やら沼地やらが入り組んでいて、攻撃しにくいのなんの。

中央のコベルニッツでは、ロシア第2軍団オルスフィエフ歩兵旅団が前進に成功し、高地上のフランス軍スタックも後退不可に追い込めると思ったが、相棒のカメンスキー歩兵旅団の攻撃は失敗。この戦区では、ちぐはぐな攻撃が続いている。

北部では、バグラチオン軍団、コンスタンティン率いるロシア親衛軍団も攻撃を開始。

10時ターン後攻・フランス軍は、コベルニッツに渡河してきたロシア軍2スタックを包囲し、これを除去。うーん、連合軍としては徒にスタックを突出させ続けて、それを次々潰されていくという稚拙な攻撃。一応、ロシア第1軍団長ドクトゥロフは避退判定に成功したため、近くのスタックへ逃れた。

中央では、ロシア第2軍団も押し返されている。

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11時ターン、先攻・対仏連合軍はすでに30戦力以上を除去され、攻撃もいったん息切れ。次の12時ターンから、除去されたユニットの復活作業が始まるので、それが盤上に帰ってくるまで小休止。

しかし最北部では、猛将バグラチオンだけが攻撃を継続し、フランス第5師団スタックを包囲、除去して気勢を上げていた。

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11時ターン、後攻・フランス軍は南部でいよいよ反撃に。稚拙な攻撃が続いたロシア第1、第3軍団はすでに士気崩壊(D)状態にある。

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中央では、ベルナドットの第1軍団と共に、ミュラ率いる騎兵軍団も前進中。しかし次の12時ターンから3ターン続けて天候が「泥濘」となり、騎兵突撃は不可となる(あまり実行しないけど)。

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12時ターン、天候が「泥濘」に変化。先攻・対仏連合軍は、除去されたユニットの復活作業を行い、ロシア第3、オートストリア第6軍団は士気崩壊状態を脱した。また復活するユニットは軍団長のいるヘクスに裏面で配置されるが、その軍団長自身が敵ZOCにいる場合は復活が先送りされる。またこのターン、連合軍は「増援」カードを引き当て、翌13時ターンにオーストリア第5軍団の召喚に成功した。

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しかしここまで指揮判定に成功し続けていた連合軍軍団長たちだったが、ここへ来て、2個軍団が指揮判定に失敗。引き続き、自力で活性化できるバグラチオン軍団だけが、フランス第5軍団(ランヌ指揮)の側面を脅かしている。

12時ターン後攻のフランス軍は、南部で、ロシア第1、第3軍団の主力スタックを包囲。これがどちらも後退できず除去となり、ロシア第1軍団長ドクトゥロフは捕虜となり、代替指揮官が2ターン後に登場。一方、ロシア第3軍団はすべてのユニットが除去され、全滅と相成った。

正面では、ベルナドットの第1軍団が前進を続けているが、連合軍リヒテンシュタイン麾下の騎兵部隊による遅滞行動で、ずるずると逃げられている。そう、ベルナドットの配下には騎兵がいないため、より足の速い騎兵部隊には、戦闘前に逃げられてしまうのだ。そのためミュラの騎兵部隊が支援についているが、思うような戦果は挙げられていない。一方、ランヌの第5軍団は、ロシア親衛軍団最強の9戦力歩兵旅団を包囲し、これを除去。これにより親衛軍団も士気崩壊に陥った。

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13時ターン先攻の対仏連合軍。すでに南部のロシア第3軍団を失った司令官ブクスホーデンは、後方に退避。オーストリア騎兵が撤退を掩護する構え。

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中央では、自力活性化に失敗したオーストリア第6、ロシア第2軍団が戦場に取り残され、両翼から包囲されつつある。

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唯一気を吐いていたバグラチオン隊も、ここへ来て攻撃側敗退が相次いだ。

13時ターン後攻のフランス軍は、南部で連合軍4スタックを包囲し、これをすべて除去。完全に南部戦線の連合軍を一掃した。

中央では、身動きが取れなくなった連合軍部隊を大きく包囲し、補給線を遮断して士気崩壊状態に。またオーストリア第5軍団スタックを包囲・除去したが、軍団長リヒテンシュタインは取り逃がした。

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14時ターン、先攻・対仏連合軍は「窮鼠猫を噛む」とばかりに、包囲下にあったロシア第2軍団が解囲攻撃を行い、ミュラの1戦力騎兵は除去したものの、包囲網は突き崩せず敗退。

地図盤端からは、増援のオーストリア第5軍団が接近しているが時すでに遅し。一応、まだまともな戦力が残っているバグラチオン軍団と合流した。

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後攻・フランス軍は、南部の敵を一掃した第3、第4軍団が中央部に駆けつけているが、この時点でほぼ会戦の趨勢は決したとしてソロプレイも終えた。今回は、増援のフランス第3軍団(ダヴー指揮)がカードプレイによって予定より早く到着したため、フランス軍優位に傾いたが、それが無ければ南部戦線は結構苦戦したはず。

まあ、いつも思うがTLNB、ルールは簡単だけれど駒さばきが難しいというか、戦闘後前進するかしないかという判断でいつも間違える気がする。今回は戦闘後前進して失敗したが、今までのソロプレイを振り替えると、逆に戦闘後前進するべきところで前進せずに失敗したパターンもあるので、なんとも言えない。他の攻撃結果を見てから戦闘後前進を決定するわけではないので、他のスタックとの連携が大事。

接敵(Approach to Battle)シナリオは、時間に余裕があるソロプレイなら良いかなと。自分が思う通りに部隊を布陣できるし、すでにプレイ経験のある、TLNBワーテルロー等も長期的なシナリオとして再挑戦したいし、こういったスケールを体験できるのがTLNBの魅力かなと。しかしこれが時間的に制限のある、たとえばゲーム例会での対戦となると、布陣するまでに時間を取られて本番の決戦までに至らない可能性もあるのでご注意を。

【The Library of Napoleonic Battles】「Napoleon's Wheel」The Battle of Austerlitz:Approach to Battle Solo-Play AAR Part.1

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先日購入したTLNB(The Library of Napoleonic Battles)シリーズ「Napoleon's Wheel」から、1805年12月のアウステルリッツ会戦(三帝会戦)シナリオをソロプレイすることに。今回は、決戦日シナリオ(Day of Battle)ではなく、決戦前日(12月1日)の布陣から扱う接敵シナリオ(Approach to Battle)を選んでみた。OSGサイトでは全シナリオの両軍配置表がPDF化されているので、それをダウンロードしてユニットを配置。いつものように、隠匿ルールは省略するけれどカードプレイは導入と。

しかし、よく会戦級ゲームでユニットを配置すると「なんでこんな布陣になっているんだよ」とゲーム的に、また個人的に納得いかないケースがままあるが、この接敵シナリオであれば、ある程度は自分の裁量でユニットを配置できるのが良いところ。

とは言え対仏連合軍(オーストリア=ロシア)は、すでに6個軍団に対してフランス軍右翼へ向かうよう、行軍命令を出している。兵力的に劣勢なフランス軍(ナポレオン)は、連合軍を罠にかけるため、この前段階で、あえて地形的に有利なプラッツェン高地から撤退し、わざと戦力を薄くして右翼に連合軍を誘い込んでいる。この誘いに乗っかった形で、連合軍は主力をわざわざ遠いテルリッツ(Telnitz)、ソコルニッツ(Sokolnitz)方面に向かわせている。まあ、史実的な陰謀ルールか。

もちろんゲーム的には、そんなところにフランス軍主力はいないので、もっと違うところに部隊を送り込みたいが、各軍団長が指揮チェックに成功すれば行軍命令をキャンセルできる。今回も、ある程度までは行軍命令通りに進むとしても、どこかで行軍命令をキャンセルしようと思う。一応、連合軍は初手のモードカードで「早期の到着」(カードNo.5)を引いたので、第1ターンに限っては全ユニットが指揮下として移動可能になった。

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ちなみにフランス軍も、連合軍が行軍命令をキャンセルして正面から攻めかかってくることを予想し、スールト率いる第4軍団を南寄りに展開させ、空いた正面には第1ターン増援の第1軍団(ベルナドット指揮)を入れるなど、戦力調整を行っている。またフランス軍もモードカード「補充」(カードNo.4)を引いたので、ステップロスしていたユニットを8戦力分、復活させた。

この接敵シナリオは、1805年12月1日14時ターンから始まるが、今回は史実の天候を採用するため、翌15時ターンから「霧」(移動力-1、砲撃不可)となった。

さらに17時ターンからは日没後の薄暮ターンとなり、行軍命令を受領していないユニットはイニシアチブ移動のみとなる。この薄暮ターンは3ターン続いた。

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薄暮ターン(19時~20時)が終わって両軍の状況。画像が暗いのは、わざと夜間の雰囲気。

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連合軍は「クトゥーゾフ元帥」(カードNo.20)を活性化。これがロシア第4軍団の行軍命令をキャンセルさせ、フランス軍正面、ベルナドット麾下のフランス第1軍団と接触。小競り合いの後、翌日の決戦を待つ形となっている。しかしその脇を通過している、オーストリア第6軍団はいまだ事前の行軍命令通り、目的地に向かっている。

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フランス軍もカードプレイにより、本来より3ターンも早く、増援のフランス第3軍団(ダヴー)指揮を戦場に呼び寄せた。フランス第3軍団の先鋒はすでにテルニッツに入り、ここを目的地として行軍してきたロシア第4軍団と接触している。またフランス軍は、カードプレイによって第5軍団、騎兵軍団の増援も呼び寄せている。

この後、夜間ターンが3ターン続き、行軍命令を受領している軍団は引き続き移動したが(騎兵は3移動力、歩兵は2移動力のみ)、戦闘は発生しなかった。

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日が変わって12月2日6時ターン。まだ夜明けターンなので、薄暮と同様、イニシアチブ移動のみ。天候も「霧」が3ターン続くため、この後の7時ターン、8時ターンは日中だが移動力-1、砲撃不可となる。史実では、連合軍が8時ターンに攻撃を開始しているが、それでは不利な天候下で攻撃することになる。

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やはり霧が晴れた9時ターンから攻撃を開始すべし……ということで、五里霧中の7時ターン、8時ターンはさらに細かく布陣を調整することにした。

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そして8時ターン終了時がこちら。前日からここまで12ターン、ほとんど戦闘は無く、ただ布陣に専念してきたが、このプロセスを面白いと思うかどうかよね。これで次の9時ターンから霧も晴れ、いよいよアウステルリッツ会戦の火蓋が切って落とされる。それについては次の記事にて……

【Wargaming Column】旅先のホテルでウォーゲームをソロプレイする、または彼女抜きのポラーニョ「第三帝国」(John Prados追悼)

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 War Game Advent Calender 2022 参加企画

2022年を振り返ってみると、非常に出張旅行の多い一年だった。53年間生きてきて、一番移動した年だったと思う。おかげで自宅でウォーゲームをする機会もめっきり減ったが、途中から、だったら出張先のホテルでウォーゲームをソロプレイすれば良いのでは?と気づいた。ロベルト・ポラーニョの小説「第三帝国」も、リゾートホテルに恋人と長期滞在しながらウォーゲーム「第三帝国 Third Reich」を持ち込んでプレイする物語だったが、恋人はともかく、実際に旅先のホテルでウォーゲームをソロプレイできるのか?それに適したホテルはあるのか?どんなゲームが適しているのか?を検証してみた。

ちなみに小説同様、実物のウォーゲームをホテルに持ち込んでソロプレイするのが目的なので「ノートPCでVASSALプレイすればいいじゃないですか」などという意見は却下。また小説では海岸沿いのリゾートホテルが舞台だったので「割安のビジネスホテルやウィークリーマンションでいいじゃないですか」とか「民宿や旅館もいいですよ」という意見も却下。あくまでも、ちょっと良いホテルにウォーゲームの現物を持ち込んで広げてプレイするのが大前提なのだ。

※ちなみに今回の企画にエントリーした直後の2022年11月28日、ゲーム「第三帝国」のデザイナーであるJohn Prados氏が逝去された。追悼の意味も込めて、このふざけた記事を書いていきたい。

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まず3月15日、ソラリア西鉄ホテル京都プレミア・三条鴨川に宿泊。Booking.comの割引で朝食付・一泊約15000円。京都駅から少し離れているものの、鴨川沿いの立地も、お部屋も気に入っている(昨年も宿泊)。部屋にはローテーブルとソファが備えられているので、ハーフマップサイズのゲームなら広げられるんじゃないかな。なによりソファにゆったり腰掛けながらプレイできるのはイイ。しかし部屋にデスクスタンドが無かったので、フロントに言って持ってきてもらった。そして京都の場合、街が素敵すぎて、ホテルに籠もるのがもったいなく感じてしまうのが難点。そう、この旅先ウォーゲーム・プレイは、どんな街に滞在するかもポイントなのだ。

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3月16日~18日。ANAクラウンプラザホテル福岡に宿泊。朝食付・一泊約18000円。JR博多駅から歩いてすぐなので仕事には便利。ANAの会員なので13時にチェックインもできた。デスクにも一応、ハーフマップは置ける。しかし博多は飲み歩きが楽しい街なので、自分は全然お酒を飲みに行かない人間だけれど、そんな自分でも「ちょっと博多ラーメン食いに行くか」となるので、多分ほとんどの人は遊びに行ってしまうと思う。にぎやか過ぎる街も、ホテルステイ・ウォーゲーミングには向かないのだ。

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4月7日~9日。名古屋マリオットアソシアホテルに宿泊。朝食付、一泊約23000円。名古屋駅直結の高層ホテル、35階。さあ、だんだん高級ホテル感が出てきたぞ。ホテル内では、いかにも「お前らパパ活だろ」みたいな年の差カップルも見かけたが気にするな。お部屋には、ソファ+ローテーブルが備えられ、ゆったりゲームがプレイできる。さらに言えば、地元の方には申し訳ないが、名古屋の街自体があまり面白くなかったので、外出する気も出なかった。いや、一応、名古屋城は見に行ったし、古書店も探索に行ったけど、それ以外は……という感じ。しかしこの企画、むしろつまらない街の方が、お籠もりプレイには好都合なのだ。

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実際この時は、買ったばかりのGMT「Salerno'43」を持ち込んだ。このゲームは、コンポーネントが少ないので、和訳ルールを入れたクリアポケットに、地図盤を挟み込み、小袋に仕分けしたカウンターを入れるだけでOK。地図盤もフルサイズより小さいので、ローテーブルにもなんとか乗っている。しかし、なかなかフルマップが置けるホテル部屋はないし、あったとしてもハイクラスのお部屋になってしまうので、そこまでは手が出ない。いや、いつか手を出してみたい……

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そしてセットアップもしてみたが、いつも自宅ではソフトマップの上に透明デスクマットを敷いているので、それが無いためちょっと遊びづらかった。しかしこの経験が後に生きることになる……

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ちなみに番外編。名古屋出張時には、JR駅構内にある個室ワークスペース「EXPRESS WORK」を利用してみた。ここでもウォーゲームをプレイしたり、ノートPCを持ち込んでのVASSALプレイも出来ると言えば出来るが、さすがに狭かった。自分は閉所恐怖症ではないけれど、やはりゆとりは大事だ。

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4月25日~28日。早めのゴールデンウィーク休みとして、成田のヒルトンホテルに宿泊。朝食付・一泊約18000円。もちろんお部屋は素晴らしいけれど、こういった良いホテルに来ると「まさかお客様、当ホテルに来てまでノートPCで仕事しませんよね?」「当然、お仕事を忘れてラグジュアリーにくつろぐためにいらしたんですよね?」とばかりにテーブルが狭い。

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しかしこんなこともあろうかと、この時は、ナポレオン戦術級シリーズ、バタイユの日本語ルールを印刷して持ち込んだ。なかなかこういった分量の多いルールをしっかり読み込む時間もないので、泊まり込みの受験生のように取り組もうかなと。実際には、やっぱりお風呂やベッドが心地良く、たいしてルールも読まずにのんびりしてしまったが、集中してルールを読みたい時にホテルを使うのもアリだなと。

そしてヒルトン成田がウォーゲーム的に良かったのは、周囲に何にもないところ。場所は、成田空港近くの道路沿いなのだが、辺りにはお店も無く、出歩く気分にもならず、隠遁するには絶好の場所だと思った。一応、ホテル1階にセブンイレブンが入っているので、飲み物やお菓子などが欲しくなったら買いに行き、また部屋に戻ればいいと。

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5月8日~10日。ANAクラウンプラザホテル大阪に宿泊。朝食付・一泊約15000円。夜の街・北新地に隣接しているため、お酒飲むのが好きな人は出歩いてしまいそうな環境。テーブルは広めだったけれど、個人的に、どうも大阪とは相性が良くないので、ホテルに籠もる感じでもなかった。

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6月6日~8日。長崎のヒルトンホテルに宿泊。朝食付・一泊約23000円。西九州新幹線開業に伴って新設された、真新しいホテル。部屋からは長崎湾が一望でき、それこそ恋人や妻を連れてきたら大感謝されるだろうなあ……と思うのだがそこは省略。しかしここも「まさかお客様、当ホテルに来てまで」パターンで、テーブルがとても小さい。これは本当に小説「第三帝国」の主人公のように、広めのテーブルを持ってきてもらうしかない。そして長崎も、さすが観光地だけあって街歩きが楽しく、ホテルに籠もるのがもったいなく感じてしまう。やはり長崎は普通に遊びに来るところだなと。

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6月9日~10日。熊本のホテル日航に宿泊。Booking.comの割引価格で一泊約15000円。場所的にはJR熊本駅から少し離れているものの、むしろ中心街ど真ん中なので買い物などには便利。デスクにはハーフマップなら置けたけれど、ソファではなく固い木製ベンチだったので、こりゃくつろげないなと。

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6月21日~22日。仙台のホテルメトロポリタンに宿泊。朝食付・一泊約17000円。JR仙台駅に隣接しているため、近いことは近いが、テーブルが狭かった印象。でも部屋に籠もって、何か買い物がしたかったら駅ビルで済ませる……という使い方はアリかなと。

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9月9日~10日。新神戸ANAクラウンプラザホテル新神戸に宿泊。朝食付・一泊約15000円ほど。ここはホテル・ウォーゲーミングに良いかも。新神戸駅から直結しているのですぐ入れるし、デスクにはハーフマップも置けるし、図表類を置くためのサイドテーブルもあり。そして神戸の中心街である三宮から少し離れているので、すぐ遊びにも出れないし、籠もるには良いかなと。

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9月11日~12日。JR京都駅直結のホテルグランヴィアに宿泊。朝食付・一泊約14000円。駅近なので便利だけれど、デスクスペースは無く、ローテーブルのみ。ソファ付きなのは良いけれど、ちょっと手狭か。やはり京都は、ホテルに引き籠もるにはもったいない街なので候補地から外れる……

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11月11日~12日。長野のホテルメトロポリタン長野に宿泊。間違えてワンランク上のデラックスダブル(朝食付・一泊約18000円)を予約してしまったが、予約後に「旅行割」が始まったので、結果2泊で1万円引きになった。広めのデスクとサイドテーブルがあるお部屋で、おお、これは宿泊ウォーゲームにいいぞと。ホテルとしても、JR長野駅と直結しているので、雨や雪が降っていても駅からそのまま入れるし、何か買い物があれば駅ビルに行けばいいと。そして正直、長野駅周辺もさほど遊び場所はないので、お籠もりプレイには良さそうだ。

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そしてこの時はもう「年末のアドベントカレンダーねたとして、ホテルでウォーゲームをする記事を書こう」と決めていたので、実際にアバロンヒルの「第三帝国」を持ち込んでみた。ご覧のようにフルマップもぎりぎりテーブルに載っている。いや、ハードボードだから大丈夫だけど、ソフトマップだったら端が落ちてしまうなあ。そう考えると、多少テーブルからはみ出しても安定してくれるハードボード製のウォーゲームの方がホテルプレイに向いているとも言える。運搬面で言うと、アバロンヒルのようなしっかりした外箱の方が耐久性があって旅行にも持って行きやすい。SPIの外箱はヤワだし、アバロンヒルでも平箱は持ち運びにくい。GMTの外箱はしっかりしているけれど、その分、重みもあるのが難点。となると、軽くて丈夫なプラスチックケースに中身を移し替えて運搬するのが一番良さそうな。

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とは言え運搬面では、Rimowaの68リットルサイズを使っているので、物理的に重たいゲームでもなんとかなる。我が家最大のボックス・ウォーゲームである、Decision Games「GOSS:Atlantic Wall」も楽々入るし、いつかこれでビッグゲームをそのまま持ち運んで、それこそリゾートホテルでゆっくりソロプレイするのが夢……(^_^)

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ちなみにこの時は古いタクテクス誌も持参して、1940年の対仏作戦の研究記事を読みながら少しユニットを動かしてみたが、今さら思うに「第三帝国」って各ヘクスに番号が書かれておらず、地図盤端のアルファベット列と数字を交差させてヘクス番号を特定するため、記事の中で「ヘクスXX」とか出てくると、確認するのが面倒に感じてしまった。

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11月13日~14日。金沢のホテル日航に宿泊。朝食付・一泊約14000円。JR金沢駅の目の前。高層26階で眺めも良い。ただしこちらはBooking.comの割引価格で予約したため「旅行割」が適用されなかった。金沢も京都同様、街歩きが楽しいので、引き籠もるにはもったいない気がする。

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デスクスペースもご覧の通り、ハーフマップしか置けない。基本的にホテルでのウォーゲーム・プレイは、ハーフマップ規模か、ASL(Advanced Squad Leader)の横長マップ程度が適しているかなと。

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11月19日~20日。仙台のウェスティンホテルに宿泊。恐らく仙台では最もハイクラスのホテル。今回はお客様のお祝い事があったので宿泊したが、朝食付・一泊約38000円。今年の宿泊費最高値というか、人生でも最高値である。一泊コマンドマガジン/ゲームジャーナル10冊分ですよあなた。しかしやはりここも「まさかお客様……」パターンで、デスク回りにコンセントが無く、ノートPCでのVASSALプレイにも難があるなあと。そう、高いホテルに泊まったからといって、すべての面が良いとは限らないのだ。世の中には「高額なんだから良いモノだろう」という幻想/期待/神話があるが、ウォーゲームも、高額だからといって必ずしも素晴らしい作品とは限らないのと一緒だ(その割に高額なウォーゲームばかり買っている)。結局、自分の身の丈に合ったものを選べばいいのだけれど、ホテルは実際に泊まらないとわからないし、ウォーゲームも実際にプレイしないとわからないのよね。

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この時は「第三帝国」の直系子孫である「A World at War」の欧州戦線部分だけをプラスチックケースに入れて持ち込んだ。また「A World at War」はソフトマップなので、それを押さえるための透明デスクマット(60cm×45cm)を新たに買って、丸めてスーツケースに入れて持ってきた。旅行先でのウォーゲーム・プレイには、こういった小物も揃えておいた方がいいかなと。

ちなみに「A World at War」は各ヘクスにちゃんと番号が打たれているし、そのヘクス番号は「第三帝国」の地図盤から変わっていない。そのためタクテクス誌に載っている昔の「第三帝国」記事を読みながら「A World at War」の地図盤にユニットを並べて対仏作戦を考えるという、ちょっとトリッキーな作戦研究タイムを過ごせた。

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12月13日~14日。広島のホテルグランヴィアに宿泊。こちらも朝食付・一泊約18000円だったが、やはり後から「旅行割」が適用されて二泊で1万円引きに。とは言え、デスクスペースは狭く、透明デスクマットが乗りきらない。もしまた広島に行く機会があったら、次は真向かいに建っていたシェラトンホテルを試してみたい。

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ここでは、ローテーブルにデスクマットを敷いてTLNB(The Library of Napoleonic Battles)シリーズの「Napoleon Invades Spain」の1/4マップシナリオをソロってみた。まあ、出張の空き時間にプレイしているので、そんなに難しいゲームはできないし、あくまでもソロプレイに慣れていて、ルールが簡単な部類の、軽めで、小さめのゲームが良いのだが、あいにく我が家のウォーゲーム・コレクションは重厚長大系ばかりである。となると候補としてはASLスターターキットが良さげだが、今ちょっとASLという気分ではない。だったらTLNBでいいかと。実際、これが正解。ハーフマップ以下のシナリオなら、心身ともに負担にもならないし。

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12月15日~16日。再び博多のANAクラウンプラザホテルに宿泊。ここは博多に泊まる時の定宿になっている。今回も昼前の11時にチェックインできた。

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こちらでは、デスクスペースに透明デスクマットを広げ「Napoleon's Quagmire」のタラヴェラ会戦をソロプレイしてみた。ご覧のように、デスク上にはルールブックや図表を広げる余裕もあり、サイドテーブルもあるので、そちらも活用できた。これぐらい空間的に余裕があると、自宅でのプレイ環境より良いかもしれない。

というワケで各地のホテルに泊まってみたが、今年に限って言うなら、ウォーゲームのお籠もりプレイに良さそうなのは、博多ANAクラウンプラザ、名古屋マリオットアソシア、新神戸ANAクラウンプラザ、メトロポリタン長野あたりか。東京からの所要時間、交通費も含めて言うなら、長野が今年のベストワン。

しかし自分は関東在住なので、あまり関東近辺のホテルに泊まる機会はないが、都内や北関東、伊豆箱根あたりでも良さげなホテルがあると思う。また部屋のランクを上げて、より快適な空間も探してみたい。来年はどこかに連泊して、お籠もりソロプレイ記事を書いてみたいなあ。

ソロプレイを主目的としたホテルステイなら、最低2泊はしたい。チェックインした日にセットアップ、翌日以降はまるまるソロプレイ……を何日かけてやるかだ。一応、最近ではSDGsの影響で、連泊の場合でもリクエストしなければ部屋掃除無しを選択できるので、部屋にゲームを広げっぱなしにしたままでOKな場合もある。コロナ禍で行動制限がかかっていた時は、ホテル側も連泊プランを出していたけれど、最近は制限が解除されたから、もうあまりやっていないかな。

とにかくウォーゲームのプレイに適した環境が構築できるかどうかは、それぞれのホテルによって違うので、新たなホテルに宿泊するたびにチェックしたいし、来年もどこか旅先にウォーゲームを持って行こうと思う。あとは、ウォーゲームにまったく興味のない恋人/パートナーを見つけるだけだな(^_^;)

【The Library of Napoleonc Battles】「Napoleon's Quagmire」The Battle of Taravera Solo-Play AAR

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先日購入したTLNB(The Library of Napoleonic Battles)シリーズから「Napoleon's Quagmire」のタラヴェラ会戦シナリオをソロプレイしてみた。ハーフマップのみで、ウェルズリー率いるイギリス=スペイン連合軍と、ジョセフ王率いるフランス軍との戦いである。ハーフマップのみで、会戦当日のみを扱う決戦日(Day of Battle)シナリオとした。

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今回も詳細は割愛。一応7ターンほどプレイしたが、押したり引いたりに終始し、双方決定打が打てなかった。まあ、これも主目的は今年のアドベントカレンダー用だが、これで素材は揃ったので、あとはネタ記事を書くだけだ。

【The Library of Napoleonc Battles】「Napoleon Invades Spain」Vimeiro Solo-Play AAR

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先日購入したTLNB(The Library of Napoleonic Battles)シリーズの「Napoleon Invades Spain」から、ヴィメイロ会戦の決戦日(Day of Battle)シナリオをソロプレイしてみた。まだウェリントン公に叙せられる前のウェルズリー将軍率いるイギリス=ポルトガル連合軍と、ジュノー率いるフランス第8軍団との戦い。史実ではフランス軍が敗退。1/4マップだけを用いるミニシナリオである。

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諸般の事情によって詳細は省くが、5ターンほど進めた結果、史実に近い形でフランス軍の攻撃が頓挫した形となった。まあ、このシナリオをプレイするのが主目的ではなく、どこでプレイするかが主目的だったので……(12月19日公開予定:毎年恒例クリスマス・アドベント記事に続く)