Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Advanced Squad Leader】「Singling Campaign」(Operations Special Issue #1)

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2008年夏に出版された「Operations Special Issue #1」を、海外オークションにて購入。今回も、お目当ては本誌ではなく、付録のASLヒストリカル・モジュール「Singling Campaign」が欲しかったので。この戦闘は、1944年12月6日(バルジの戦いが始まる10日前)、フランスのロレーヌ地方で行われた、アメリカ第3軍の攻勢の一環であり、アメリカ第4機甲師団エイブラムズ支隊(そう、あのM-1エイブラムズ戦車の元ネタの)による、Singlingという小村への攻撃を扱っている。対するドイツ軍は、第11装甲師団を投入しており、小部隊戦闘の戦例としては有名らしい。GMTの「Panzer」シリーズでも「Expansion #3 Drive to the Rhine」に、やはりこのSinglingのヒストリカル・マップが入っている。詳しい戦闘経緯は下記に。

Small Unit Actions: Singling 

ヒストリカル・モジュールと言っても、地図盤1枚のみ、専用ルールは3ページのみ、新規カウンターは無し、キャンペーンゲームの他にシナリオが2本入っているだけという、小振りなものになっている。

で、なんでまたそれを12年前に買わなかったかと言えば、当時(2008年夏)、自分の作家仕事が思わぬアクシデントで滞り、一時的にお金が入ってこない状況だったため、まあ仕方ないと思いつつスルーしたのだ。その後、海外オークションで探し求め、ようやく手頃な値段のモノを見つけたと。まったく、貧乏には困ったものだが、気長に探せばそのうち手に入るものだ。

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また、この雑誌には、スターリングラード戦を扱ったASLヒストリカル・モジュール「Valor of the Guards」の追加シナリオVotG18「In sight of the Volga」も付いているが、実はこれも欲しかったのだ。「Valor of the Guards」には、追加シナリオが10本存在するが、そのうちVotG19~VotG27までは「ASL Journal」に掲載されていたから、手元にあったものの、このVotG18だけが「Operations Special Issue #1」に入っていたため、そこだけ欠けた形に。まあ、これでようやくコンプリートと。 

ちなみにこのVotG18「In sight of the Volga」と同名のシナリオが「Beyond Valor」のシナリオ5にあるが、どちらも1942年9月14日、スターリングラードでの同じ戦闘を扱っている。シナリオ5は汎用マップを使い、VotG18は史実マップを使うという違い。

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また、本来この「Operations Special Issue #1」のメイン付録は、硫黄島での戦闘をエリアシステムで再現した「Rage Against the Marines」=ゲームジャーナル16号付録「激闘硫黄島」のMMP版である。他にも「GTS:Devil's Cauldron」「OCS:Korea」の訂正カウンターも入っており、そのあたりも持っているのに、経済的な理由で当時買えなかったことを思い出すと、なんとなーく切ない気持ちになる。あれから12年かあ……(遠い目)

【Company Scale System】「The Fulda Gap : The Battle for the Center」

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プレオーダーしていたCSS(Company Scale System)第6弾「The Fulda Gap : The Battle for the Center」が到着。このCSSシリーズ、WWII太平洋戦線のサイパン島グアム島テニアン島西部戦線モンテリマール、東部戦線ノボロシースクと来て、今回は1985年想定の第三次世界大戦モノと相成った。本作は、今までのCSSと同じく、1ヘクス=500m、1ターン=2時間、1ユニット=中隊というスケールで、東西ドイツ国境の中央部に位置するフルダ峡谷に対してワルシャワ条約軍が攻め込むという、良くあるWWIII想定となっている。たしかにフルダ峡谷を舞台としたWWIII仮想戦は数あれど、このスケールでの作品は初めてのような気がする。 

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ちなみに本作は、CSSシリーズの中でも「Modern War Vol.1」と称されており、本作に続いて、南部のホフ峡谷、北ドイツ平原、東西ベルリン市街戦(これはマップ2枚)が企画されている。まあ、さすがにSPIのセントラルフロント・シリーズのように連結はできないが、別の戦場も予定されていると。そのため、本作ではすでにカウンターのミスが発覚しているが、ルールブック巻末に『訂正カウンターはベルリンに付ける』と書いてある。いや、それ出るの、いつなんだ。と言うか、早くもエラッタが多い。

http://talk.consimworld.com/WebX?233@@.1ddcadd9!enclosure=.1de1b79a 

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本作は、フルマップ4枚でフルダ峡谷周辺をカバーしている。1ヘクス=500mなので、4枚併せても、70✕52ヘクス=35km✕26kmという範囲。これ、攻め込むワルシャワ条約軍からすれば、開戦日+3日ぐらいで突破したい範囲だろうか。本作では、5本あるシナリオのうち、2本は開戦初日のみ、キャンペーンで開戦から5日間までを扱っている。さらに開戦4日目、6日目からのNATO軍の反撃シナリオもあり、両軍とも攻防が担えるシナリオが用意されている。 

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登場する部隊は、まずアメリカ軍第11機甲騎兵連隊、第3機甲師団、第8機械化歩兵師団という、WWIIIウォーゲームに触れた方ならお馴染みの面々。第3機甲師団と第8機械化師団は、いまだにM60A3戦車、M113装甲車装備だが、最前線を担う第11機甲騎兵連隊には、1985年当時の新鋭戦車M-1、M-3騎兵戦闘車(イラストは無い)が配備されている。ただそのM-1戦車も、まだ初期の105mm砲装備だったりする。しかしM-1戦車は、これも当時の最新技術である、チョバム装甲を有しているため、いったん撃破結果をくらっても、一度それを無視し、それ以降はチョバム装甲が無くなったものとして、装甲値が下がった状態となって、また撃破結果を被れば除去される仕様になっている。

また、基本的にCSSは、各旅団・連隊ごとに司令部カウンターが用意され、いったん潰走した(地図盤から取り去られた)ユニットは、その司令部の周囲に復活する形となっている。しかし第11機甲騎兵連隊だけは、連隊司令部が無く、連隊指揮官と3名の大隊指揮官カウンターが司令部として機能する。さらに第11機甲騎兵連隊は、連隊活性化チットをコスト無しでカップに投入でき、それを引いてプレイした後、もう一回、今度はコストを支払って再度カップに投入できるという、例外的な扱いになっている。まあ、そういう処理でもしなければ、ワルシャワ軍の物量に潰されてゲームとして成立しないのかも。 

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こちら、黒や灰色の強面カウンターは、西ドイツ第5装甲師団と第53郷土防衛旅団。第5装甲師団には、すでに(やはり当時新鋭の)レオパルド2戦車が配備されている。もちろん120mm砲装備なので、M-1戦車の火力7を上回る、火力8を誇っている。ちなみに本作での火力や防御修整は、今まで出版された第二次大戦モノのCSSと同格ではない。たとえば「CSS:Montelimar」では、ドイツ軍のパンター戦車を火力7と評価しているが、だからといってM-1戦車と同じ火力ということではない。あくまで10面体ダイスで判定するシステム内で、第二次大戦、第三次大戦の車輌を、別個に格付けした形になっている。これは、10面体ダイスを用いたGTS/CSSシステムの限界なので致し方なし。 

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こちらがNATO軍の航空支援カウンター。戦闘機には長距離空戦力/短距離空戦力(カウンター左上)もあるが、A10サンダーボルトの防御力(右上)の高いこと。またAH64アパッチは、まだアメリカ軍のどの師団・連隊にも配備されておらず、独立した航空支援とされている。

そのAH64アパッチは、ヘルファイヤ対戦車ミサイルを搭載しているが、各対戦車ミサイルごとに火力と射程が記されたカウンターが用意されている。アメリカ軍のTOWなら火力7、射程2~6だが、ヘルファイヤは火力8、射程2~12と長射程になっている。 

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そしてこの、お洒落な春物コートみたいな色のユニットが、ソ連第79親衛戦車師団。さすが親衛師団、最新のT-80戦車が配備されている。しかしT-80も、火力7とは言え、相対するM-1戦車は防御修整-5。単純に言えば、7-5=2、10面体ダイスを振って0~2を出せば、M-1戦車に潰走チェックをさせられるが、撃破の可能性はまったく無い。となれば、T-80中隊ユニットを3個スタックさせて、大隊として運用し、火力を7+1+1=9に上げ、集中射撃でさらに+1=10-5とすれば、10面体ダイスの目0~5の範囲で、20%で撃破、40%で潰走チェックとなる。いや待て、それは隣接ヘクスから射撃した場合の話。射距離が2ヘクス以上離れると-3修整が付くのだから、結局、撃破の目は無くなってしまう。やはりいつものGTS/CSSのように、M-1戦車に弾幕を浴びせて視界を奪い、その隙に隣接ヘクスまで突っ込んで大隊全力で集中射撃をしろということか。それでも、最初の撃破結果はチョバム装甲で無かったことにされるのか。結構厳しいな、ソ連軍戦車…… 

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こちらは、ソ連第27、第39、第57自動車化狙撃(モーター・ライフル)師団、第119独立戦車連隊。このあたりになると、T-62M戦車もちらほらと。

ちなみに両軍部隊の質で言うと、部隊練度(Troop Quality)が最も高いのは、アメリカ第11機甲騎兵連隊、西ドイツ第5装甲師団の7。ソ連軍は、各自動車化狙撃師団が練度5、第79親衛戦車師団が練度4という、親衛の名にふさわしくない有様。もちろんNATO軍の方が、指揮範囲も長く、派兵(Dispatch)値も高く、臨機応変に戦える印象。ソ連軍は、戦力がある割に、それを効率的に運用できないだろう。このあたり、当時のアメリカ軍で論じられた「OODAループ」=相手より早く決断と行動を回すことで、相手を麻痺させる=が上手く再現されるような気がする。

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こちらが、ワルシャワ軍の航空支援カウンター。

その下に見えるコミッサール(政治局員)は「CSS:The Little Land」でも登場したが、特別イベント等でワルシャワ軍の正規指揮官が除去された場合に、NATO軍プレイヤーによって!強制的に置き換えられるという、一種の嫌がらせカウンター。コミッサールは、NATO軍プレイヤーによって置かれたワルシャワ軍ユニット(スタック)の部隊練度を3下げ続けるという、厄介な輩である。 

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他にも、1980年代戦らしく、核兵器NBC防護ペナルティ、避難民などのルールもあり。 

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また航空ディスプレイ上で、AWACS優勢、航空優勢なども表現されているが、このあたりが詳しくやりたいならGMT「Red Storm」がオススメかと。

とりあえず、基本ルールやチャートは今までのCSSと変わりないので、差分さえ読んでしまえば、すぐにプレイできそうだ。CSSでの戦車戦は、無傷か、潰走か、一発除去かという、0か100かみたいな割り切り方なので、あまり面白くなさそうだが、そのあたりも確かめたい。1ユニット中隊スケールとはいえ、ソ連軍は大隊スタックでの運用が求められるから、NATO軍との差異も分かりやすいし、戦力は多くても鈍重なワルシャワ軍と、戦力は少なくても機敏なNATO軍という、OODAループ対決として見るのも面白い。そういや、同じくOODAループを意識したWWIIIゲーム「Less Than 60 Miles」も、いずれまた挑戦してみたいタイトル…… 

※2023年4月4日追記:唐突にCompass Gamesから訂正カウンターシートが送られてきた。Compassの場合、直販プレオーダーした顧客のところにはこうして訂正カウンターを送ってきてくれる。しかしこの訂正カウンターシート自体、裏表に印刷されていて、製品版のカウンターと照合する際???となってしまった。まあ、カットしてしまえば特に問題はないのだろうけど……

【参考文献】「零戦と一式戦・隼 完全ガイド」

雑誌ミリタリー・クラシックスの再編集本「零戦と一式戦・隼 完全ガイド」を購入。こういったメカメカしい本は、買うとキリがないのであまり手を出さないが、たまにはね。と言うのも「TSWW:Singapore !」のインパール作戦シナリオを準備するうち、ビルマ戦線での一式戦・隼の運用に興味が沸いたので、簡単に読めるモノを求めて本書に手を出した。なので「零戦」部分には、あまり興味が無かったり……

しかし零戦にしろ一式戦にしろ『負けたけど、善戦もしました』的なポジティヴな記事には、あまり興味が無い。本書でも、一式戦がP-51と互角に戦った、1機も失わずに完勝した戦いもあった、とあるけれど、最終的には負けているワケだし、互角に戦った以上に、どこでどう負けたのか、運用面での失敗など『こういう原因で負けました』的なネガティヴな情報が読みたいのだ。もちろん、ポジティヴな記事が読みたい方もいらっしゃるだろうが、敗因を知る方が学びにもなるしね。

まあ、自分が求める情報はあまり載っていなかったので、やはり本当にビルマ戦線での一式戦隊の活動を知るなら、戦史叢書の「ビルマ・蘭印方面第三航空軍の作戦」か、梅本弘氏の「ビルマ航空戦(上下)」に手を出すしかないかも。どちらにしてもボリューミーだが、結局、簡単に読めるモノより、そういう重厚長大な史料の方が頼りになりそうだ。 

 

【参考文献】Osprey Campaign Series「Burma Road 1943-44」「Imphal 1944」「Kohima 1944」

Imphal 1944: The Japanese Invasion of India (Campaign)

Imphal 1944: The Japanese Invasion of India (Campaign)

 

「TSWW:Singapore !」のインパール作戦シナリオの参考にと、オスプレイのキャンペーン・シリーズを3冊購入。まずは、そのものズバリな「Imphal 1944」。インパール作戦自体の書籍は何冊か読んでいたが、基本的に日本側が書いたモノばかりだったので、イギリス側からの史料も必要だろうと。実際、日本側の書籍だと、日本軍の補給の稚拙さや、牟田口中将の指揮ぶりを中心に書かれていて、戦闘経緯そのものは省略されている場合が多い。その点、陸戦史集の「インパール作戦(上下)」は、作戦そのものの推移に焦点が当てられていたし、本書でも、両軍の細かい機動が記されている。とは言っても、図解されているのは、日本軍がインパール盆地に攻め込んだ時と、そこからイギリス軍が反撃に出るあたりで、トンザン付近での戦闘など、序盤はやはり省略されている。そういう意味では、陸戦史集は便利だなあと(戦史叢書も詳しいのだろうけど)。 

Kohima 1944: The battle that saved India (Campaign)

Kohima 1944: The battle that saved India (Campaign)

  • 作者:Lyman, Robert
  • 発売日: 2010/11/23
  • メディア: ペーパーバック
 

またインパールの北に位置し、むしろイギリス側としては、ここを取られるとヤバかったコヒマ戦を扱った「Kohima 1944」も購入。本書では、コヒマ戦を詳しく解説しているが、さすがにTSWWや「OCS:Burma」では、ここまで細かく表現されていない。ただ、フランスでASL製品を出している、Le Franc Tireurが、コヒマ戦のヒストリカル・モジュールを開発中という話もあり、それをプレイする際には、本書が役立ちそうだ。 

さらに、レド方面からの米中軍によるミートキーナ攻略を扱った「Burma Road 1943-44」も購入。「OCS:Burma」でも、この地域の戦闘を細かく再現できるし、なんなら雲南方面の追加モジュールもあるので、あらためてプレイしようかと思っている。いつもインパール作戦シナリオばかりで、レド、雲南方面は放置気味なので…… 

【The Second World War】「TSWW : Singapore !」The Gates of India : Imphal and Kohima 1944 Solo-Play AAR Part.6

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第5(1944年5月前半)ターン。両天候ゾーンとも「晴天」。今回のソロプレイ最終ターン。

先手、日本軍プレイヤーターン。コヒマ奪取に失敗した第31師団唯一の残余58連隊は、チンドウィン河まで撤退し、補給負荷から回復。

そしてインパール正面で激戦を続ける第15師団は、第14戦車大隊も含めて最後の総攻撃。狂信面の2個ユニットは、総攻撃が失敗した場合に万歳突撃を行うこととした。日本軍に航空支援は無いが、イギリス空軍は今回も4レベル阻止ゾーンを形成し、日本軍の戦闘効率補正を25%減少させ、補給負荷(攻勢補給ではない)とさせている。日本軍の攻撃力13✕0.5(戦場航空阻止)=6.5。イギリス軍の防御力17。戦闘比1:2.61。d100を振って33が出たので、戦闘比1:3に決定。ダイス修整-3(晴天のジャングル山岳)+2(山岳部隊)=-1。出目は3-1=2。AE(攻撃側全滅)。日本軍は、戦車大隊と砲兵大隊を失い、2個連隊が狂信面となって後退した。しかし戦闘に参加しなかった、残る2個の狂信面ユニットが、万歳突撃を敢行。1個は突撃に失敗して自滅、もう1個は突撃に成功し、第100インド旅団と差し違えた。

そして、これにてインパール作戦部隊もほぼ壊滅。たしかに前線部隊は粘り強く戦ったので、史実同様、敵兵から賞賛されるかもしれない。しかしその賞賛も、本当は『いやお前らゾンビか、そこまでして戦う必要あるのか、俺たちには信じられん』という戦慄を含んだ言葉だったかもしれない。そして作戦自体は、補給面から見ても、戦力面からしても、やはり無理筋だったという他ない。

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さてアキャブまで2ヘクスに迫ったイギリス軍3個旅団に対しては、第54師団が3方向から集中攻撃(ダイス修整+1)を加えることにした。ここでも日本軍の航空支援は無し。イギリス軍は、3レベル阻止ゾーンを形成して、日本軍の戦闘効率補正を20%下げ、攻勢補給下ではなく一般補給下としている。日本軍の攻撃力12✕0.55(戦場航空阻止)=6.6。イギリス軍の防御力14。戦闘比1:2.12。そのまま戦闘比1:2で、ダイス修整は-3(晴天のジャングル山岳)-1(晴天の河川越え)+1(集中攻撃)=-3。出目は4-3=1。こちらもAE(攻撃側全滅)。第54師団の3個連隊は、すべて狂信面にひっくり返り、ほぼ壊滅、うーん、今までのターンでは、こういった低戦闘比でも押し返していたんだが、あれはマグレか。あるいは負けが込んできた時はこんなものか……

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手番代わって、後手、連合軍プレイヤーターン。ここからは、インパール作戦部隊の掃討作戦となる。

後退した日本軍第15師団の残余(狂信面✕2)に対して、第48インド旅団含む3個旅団は、道路沿いにオーバーランを敢行。戦闘比13:2=6:1なので、70%以下でオーバーラン成功とし、無傷で防御側を全滅させられる。d100の結果は47。イギリス軍は、第15師団の残余を殲滅して、チンドウィン河に達した。もし71以上が出た場合は、攻撃側はスタックポイントの20%を失う可能性があった(この場合、攻撃側は3個旅団=6スタックポイントなので、1.2スタックポイント以上を除去する必要があった)。ちなみにオーバーランのルールは、TSWWv1.6で完全に変更されてしまったので注意(v1.5までは戦闘比7:1以上が立たないとオーバーランが不可とされていた)。

また日本軍第31師団58連隊に対しても、4個旅団で攻撃。こちらにも、ようやく戦場航空阻止(BAI)が実施され、3レベル阻止ゾーンが形成。日本軍の戦闘効率補正が20%減とされた。イギリス軍の攻撃力19、日本軍の防御力4✕0.8(戦場航空阻止)=3.2。戦闘比5.93:1。d100を振って41が出たので、戦闘比は6:1に。ダイス修整は、-2(晴天のジャングル丘)。出目は9-2=7。DE(防御側全滅)。58連隊は狂信面に裏返って、チンドウィン河の対岸へ後退した。

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アキャブ方面でも、第33インド旅団を含むスタックが、日本軍第54師団154連隊の残余をオーバーランで除去。一気にアキャブへと迫った。

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イギリス軍は、アキャブの日本軍第28軍司令部(ゲーム上は軍団司令部)と、アキャブの空軍基地の補修にあたっていた工兵大隊、それを守る重高射砲大隊に対して攻撃。ヴェンジェンスIII急降下爆撃機らによる戦場航空阻止(BAI)は、2レベル阻止ゾーンを形成し、日本軍の戦闘効率補正を15%減少。イギリス軍の攻撃力17、日本軍の防御力は重高射砲大隊の1のみ✕0.85=0.85。戦闘比は振りきりの9:1。本来は、ここも連続オーバーランで潰したいところだが、それだけの移動力が無かったので通常攻撃。ダイス修整は、-1(晴天のジャングル)-1(2レベル陣地)=-2。出目8-2=6。DE(防御側全滅)。第28軍司令部は壊滅し、アキャブ陥落。アキャブの空軍基地は、3ヒットの損傷を受けたままで退避もできないため、駐機していた航空ユニットも失われた。

こちらは史実よりだいぶ早い展開だが、先の第54師団の攻撃(3個連隊ともステップロス)がまずかった。ここまで低戦闘比の攻撃で何度か上手くいったので、つい調子に乗ってしまったが、あれは余計だった。日本軍は打たれ強いのだから、頑強に守る態勢でいないと。このあたり、もっと補充部隊を上手く回して守る必要もあるなあ。

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そしてフーコン渓谷では、モガウンに立て籠もった第18師団に対して、米中2個師団と第77グルカ兵連隊が攻撃。戦場航空阻止(BAI)は2レベルなので、日本軍の戦闘効率補正は15%減。連合軍の攻撃力15、日本軍の防御力8✕0.85(戦場航空阻止)=6.8。戦闘比2.2:1。d100振って14が出たので、戦闘比3:1に。ダイス修整は、-2(晴天のジャングル丘)-1(渡河)+1(集中攻撃)=-2。出目は6-2=4。DR(防御側後退)。防御側日本軍はモガウンを明け渡して後退。ここからモガウン奪回を行うか、それともミートキーナまで撤退しつつ戦線の縮小を図るか。なにしろ6月ターン以降、雲南から国民党軍も攻めてくるので、日本軍が火の車になるのは必至……

という感じで、今回のインパール作戦ソロプレイはここまで。作戦自体は、コヒマを脅かしたものの、インパール盆地には入れず、という展開で終わった。その代わり、アキャブ陥落は史実よりだいぶ早く、このまま続ければ、日本軍は早々にビルマ撤退戦に移るしかないなと。また『日本軍は、連合軍の航空補給路を切れば良かったのだ』という論に対しては、もはや航空機の機体差、総数、補充数で圧倒的に負けているので、ただ単に航空部隊を消耗するだけという結論に。一方、日本陸軍の頑強さについては、手強いというか、敵からすればかなり面倒臭い印象。ただしそれは「強い」というより「死ぬまで戦う」という、まさに狂信性(Fanatic)として表現されており、それにも納得。

本シナリオは、TSWWの中級向けシナリオとしても、良く出来ていると思う。特に、地上と航空補給を駆使する必要があるので、補給ルールを覚えるには良いかなと。自分としても、これだけの長期間、これだけ広範囲のTSWW陸戦シナリオをプレイしたのは初めてだったので、途中、補充管理で混乱してしまった。次回、ソロプレイする際には、もっと細かく帳簿付けをやらないとダメだなと。

一応、次は「TSWW:Barbarossa」で、機甲戦闘にも修練する予定。TSWWは重たいゲームシステムなので、いっぺんに覚えようとせず、少しずつステップアップするのが吉。「TSWW:Singapore」でも、陸海空を兼ね備えたマレー半島戦シナリオがあるので、いずれそちらにも触れてみたい。 

【The Second World War】「TSWW : Singapore !」The Gates of India : Imphal and Kohima 1944 Solo-Play AAR Part.5

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うーん、だんだん補充の計算がわやくちゃになってきた。走り書きのようにメモを取っていたが、これでは管理がしきれない(特に機種毎に異なる航空ユニットの管理)。ここ、次回のソロプレイの注意点ね。とりあえず戦闘の焦点だけ絞って、あと2ターン進めることにしよう。

第4(1944年4月後半)ターン。両天候ゾーンは「晴天」。

先手、日本軍プレイヤーターン。コヒマに取り付いた日本軍第31師団124連隊は、もはや1戦力の狂信面となったため、このまま撤退するか、まともにコヒマを攻撃するか(恐らく戦闘比は最低の1:4)、それともコヒマは奪えずとも万歳突撃を敢行して敵ユニットを道連れにするかという選択肢。今回はダイスを振って、万歳突撃に決定。d10を振って、3以下なら失敗、4~6なら敵0.5スタックポイント(大隊規模)を除去、7以上なら敵1スタックポイント(連隊規模)を除去、という一発勝負。ただし1944年なのでダイス修整-1。結果、ダイス目は9-1=8。214連隊は、ルシャイ族歩兵連隊を道連れにしたものの、自らも除去され、ここでコヒマ攻防戦は終結した。

一方、インパール正面では、なおも第15師団が攻撃を続行。しかしこのスタックにも、すでに狂信面ユニットが2個連隊あるため、これが万歳突撃を行うかどうか、再びダイスを振ってみたところ、万歳突撃に決定。この突撃部隊を除く、2個連隊+1個砲兵大隊で攻撃をかけることになった。イギリス軍は、再び航空支援をかき集め、戦場航空阻止(BAI)にて4レベル阻止ゾーンを形成。日本軍の戦闘効率補正は25%減少し、攻勢補給下ではなく補給負荷1となった。もはやそれを迎撃する戦闘機も飛んでこない……

日本軍は、攻撃力11✕0.25(補給負荷+戦場航空阻止)=2.75。イギリス軍は、防御力13。戦闘比は、最低の1:4。ダイス修整-3(晴天のジャングル山岳)+2(山岳部隊)=-1。しかしこれがダイス目8-1=7で、QR(攻撃側1/4、防御側後退)。日本軍は、イギリス軍のスタックポイント6の1/4、1.5スタックポイントを失い(歩兵連隊1を狂信面にし、砲兵大隊を除去)、イギリス軍を押し返して前進した。嘘だろ、この期に及んで…… そしてこの戦闘が失敗した後に万歳突撃をするはずだった部隊も、複雑な気分だったかもしれない。しかし日本軍は、アキャブ、フーコン渓谷方面では防勢一方となっている。

また連合軍はこのあたりから、自軍地上ユニットに戦力を付加する近接航空支援(CAS)ではなく、敵ユニットの戦力を減少させる戦場航空阻止(BAI)に集中させた。近接航空支援で多少戦闘力を加味するよりも、戦場航空阻止の方が戦闘比が有利になりやすいように感じたので。もちろんこれもケースバイケースだろうが、とりあえず。

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後手、連合軍プレイヤーターン。コヒマ守備隊は前進し、残った第31師団58連隊を2方向から攻撃(ダイス修整+1)。イギリス軍の攻撃力19、日本軍の防御力4✕0.5(補給負荷)=2。戦闘比は最良の9:1。ダイス修整-3(晴天のジャングル山岳)+1(集中攻撃)=-2。出目3-2=1で、結果はHX(1/2相互損失)。58連隊は除去されて狂信面となり、イギリス軍は0.5スタックポイントを失い(今回は第6旅団をまるまる除去)、なおも日本軍は抵抗を続けている。ホントしぶとい……

一方、インパール正面には、コヒマから引き抜いた第37グルカ兵旅団も投入。3方向から集中攻撃を行い(ダイス修整+1)、先と同様、戦場航空阻止(BAI)によって、日本軍の戦闘効率補正を25%減少させた。イギリス軍の攻撃力17、日本軍の防御力13✕0.75=9.75。戦闘比1.74:1。d100を振って32だったので戦闘比2:1に上昇。ダイス修整-3(晴天のジャングル山岳)+1(集中攻撃)=-2。出目7-2=5。DR(防御側後退)。うーん、日本軍にはダメージ無しか…… 

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アキャブ前面の陣地に対しても、再び攻撃が行われた。ここでも前回同様、戦場航空阻止(BAI)により、日本軍の戦闘効率補正は20%減。イギリス軍の攻撃力20、日本軍の防御力5✕0.8=4。戦闘比5:1。ダイス修整-3(晴天のジャングル山岳)。出目は2-3=-1。結果は「HR(攻撃側1/2、防御側後退)」。日本軍は陣地を捨てて後退したものの、ノーダメージ。イギリス軍は、歩兵旅団1を失いながらも、アキャブへ2ヘクスと迫った。

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フーコン渓谷では、米中2個師団+チンディット隊の第77グルカ兵連隊が、日本軍第18師団114連隊を2方向から集中攻撃(ダイス修整+1)。戦場航空支援(BAI)により、日本軍の戦闘効率補正は15%減少。連合軍の攻撃力15、日本軍の防御力4✕0.85=3.4。戦闘比4.41:1。d100を振って87だったので、戦闘比は4:1止まり。ダイス修整-2(晴天の沼地)+1(集中攻撃)=-1。出目は最良の10-1=9。DE(防御側全滅)。114連隊は、狂信面に裏返って後退しなければならず、後退ヘクス(1935のジャングル丘)に隣接している第77グルカ兵は、連隊規模のため、影響ゾーン(ZOI、他のウォーゲームで言うところのZOC)が及ぼせず、そのまま後退可能となる。

うーん、コヒマは手詰まりながらも、インパール正面では、なお押し合いへし合いが続いている。むしろ危機的なのはアキャブか。と言っても、日本軍には後詰めがいない。そして連合軍が、戦場航空阻止(BAI)中心に切り替えたのは正解だったと思う。特に日本軍が攻撃してきた場合、最強の4レベル阻止ゾーンを形成すると、その戦力を半減できる効果は大きい。たぶん1944年のノルマンディ戦線あたりでも、ドイツ装甲師団はそれで戦力を発揮できないんだろうなあと。

ちなみに、細々とした計算式を書いているのは、VASSALでプレイしながら、画面を切り替えてこのBlogをメモ代わりに使っているから。あと、後日またTSWWをプレイする際、この記事を読み直せば、どういう計算をしていたか思い出せるように。TSWWを知らない人には、何がなんだかさっぱり分からないと思うが、なんだか凄そうな(面倒そうな)システムだなあと思ってもらえればそれで良いのよ。

というあたりで、次回Part.6で最終回……

【The Second World War】「TSWW : Singapore !」The Gates of India : Imphal and Kohima 1944 Solo-Play AAR Part.4

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第3(1944年4月前半)ターン。両天候ゾーンで「晴天(Good)」となったこのターンは、両軍とも積極的な攻勢に出て、殴り合いの展開となった。

先手、日本軍プレイヤーターン。まず補充で、第33師団124連隊を復活させ、カレワ(PCF0425)に配置。トンザン(PCF0227)から連合軍が逆撃に出れば、第15軍司令部まで危うくなるので。

そして第15師団+第33師団の残余によるインパール正面への総攻撃。今回は、後方のラングーンにいた第15師団67連隊も呼び寄せ、4個連隊+2個砲兵連隊で、3個インド旅団に攻めかかった。しかし近接航空支援(CAS)に出撃した一式戦と九七式重爆は、スピットファイアVIIIに迎撃され、あえなく全滅。イギリス軍も、航空補充が到着しているため、新鋭機をインパール前線に送り込んでいるのだ。さらにイギリス軍は、いつものヴェンジェンスII急降下爆撃機とハリケーンIIC戦闘機に近接航空支援をさせ(作戦爆撃力11=2地上戦力追加)、さらに山向こうのコミーラから遙々飛んできた、対地支援用のモスキートVI戦闘攻撃機たちに戦場航空阻止(BAI)を行わせた(作戦爆撃力17=日本軍の戦闘効率補正10%減)。

日本軍は地上戦力20(攻勢補給下)✕0.9(戦場航空阻止)=18、イギリス軍は地上戦力13+近接航空支援2=15、戦闘比1.2:1でd100を振り、出目は24だったので、戦闘比1:1。晴天とは言え、ジャングル山岳ヘクスへの攻撃はダイス修整-3。日本軍は山岳部隊扱いなので+2。最終ダイス修整-1。出目は2。AH(攻撃側1/2)。イギリス軍3個旅団は6スタックポイントなので、日本軍はその1/2の3スタックポイントを失い、砲兵連隊1を除去、歩兵連隊2を狂信面に裏返した。

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北部では、いまだ補給負荷2状態の日本軍第31師団が、コヒマ目指して進撃中。それを阻むのは、第37グルカ兵旅団などの精鋭部隊。こちらは両軍とも航空支援を送る余裕が無く、素の地上戦闘となった。しかし攻撃側日本軍は地上戦力8✕0.25(補給不可2)=2、防御側イギリス軍は地上戦力6、戦闘比1:3、ダイス修整-1で、結果はHR(攻撃側1/2、防御側後退)となった。イギリス軍側は、4スタックポイントあるので、日本軍はその1/2の2スタックポイントを失い、偵察大隊を除去し、1個連隊を狂信面にした。それでもイギリス軍は後退し、遂に第31師団はコヒマへ隣接することになった。戦闘比1:3でも押し進むとは、第31師団恐るべし。そしてこの、連隊規模のユニットが除去されても「狂信面」ユニットとして残るというのが、日本軍の頑強さを上手く表しているように思う。

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戦線後方では、第53師団が、チンディット隊狩りに着手。ブロードウェイ滑走路を守る第111グルカ兵連隊を除去し、連絡線を確保した。

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アキャブ方面では、第54師団が到着し、前線を固めている。しかしせっかく工兵大隊が修理したアキャブの空軍基地に対し、再びイギリス軍爆撃隊が襲来。またも3ヒットをくらって、空軍基地は全損状態となった。これはもうイタチごっこだな……

ちなみに両軍の補充に関しては、東南アジア戦域全体で受け取れる数は書いてあるものの、このシナリオで幾ら受け取れるかは書いていない(TSWWのシナリオは、だいたいおおざっぱである)。とりあえず今回は、戦域全体の半分として補充を受け取っている。

ただ、日本軍が1944年3月に一式戦III型(Ki-43-III)を受け取るのは、早過ぎるのでは?と思っている。手元の資料を見ると、III型が試作されたのはこの時期だけれど、量産・配備に入ったのは、もっと後のはず。まあ、多少オマケして登場させてはみたが……

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手番代わって、連合軍プレイヤーターン。

まずコヒマに迫った第31師団に対し、イギリス軍は、増援の第6旅団を含む、4個旅団+2個連隊で攻撃。イギリス軍の地上戦力は20(攻勢補給下)、日本軍の防御力は5✕0.5(補給負荷2)=2.5。戦闘比8:1、ダイス修整-3(晴天のジャングル山岳)。結果、EX(双方損失)。日本軍は、狂信面の124連隊1個となり、イギリス軍は第50空挺連隊を失った。ええい、まだ残っているとはしぶとい……

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そして激戦が続くインパール正面では、イギリス軍3個旅団も反撃。今回は、すべての航空支援を戦場航空阻止(BAI)に投入したが、これに対して日本軍は、試作型(ということでオマケとして登場させた)一式戦III型戦闘機で迎撃。空戦攻撃力8、防御力7と、II型を上回る性能だったが、やはりスピットファイアVIII型にはかなわず、あっけなく全滅。だからさ、もう微妙な改良でどうにかなる相手じゃないんだってば。

結局イギリス軍は、38作戦爆撃力を投下し、4レベル阻止ゾーン(ゲーム上、最も拘束力が強い)を形成。これにより日本軍の戦闘効率補正は25%減少し、E1(補給負荷)となった。

イギリス軍は地上戦力13、日本軍は地上戦力13✕0.75(戦場航空阻止)=9.75。戦闘比1.33:1。d100を振って21が出たので、戦闘比2:1に上昇。ダイス修整-3(晴天のジャングル山岳)。結果、DR(防御側後退)。日本軍を面倒なジャングル山地から叩き出し、沼地ヘクスに後退させた(沼地ならダイス修整がゆるい)。

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イギリス軍はアキャブでも、歩兵旅団4+戦車大隊1+重砲兵大隊1をもって、第55師団が籠もる陣地を攻撃した。本来なら戦車ショック効果(ASE)も加味するところだが、攻撃先のジャングル山岳ヘクスに対しては無効。ここでもイギリス軍は、航空支援をすべて戦場航空阻止(BAI)に投入。作戦爆撃力25を投下して、3レベル阻止ゾーンを形成。日本軍の戦闘効率補正を20%減少させた。

イギリス軍は攻撃力25、日本軍は防御力6✕0.8(戦場航空阻止)=4.8。戦闘比5.2:1。d100を振って03が出たので、戦闘比6:1に上昇。ダイス修整-3(ジャングル山岳)。結果、HX(相互1/2)。規模の小さい日本軍は壊滅したが、第55師団112連隊が狂信面となって陣地を維持。イギリス軍は、戦車大隊を失った。ここでもしぶとい日本軍……

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そして北のフーコン渓谷でも、米中軍がようやくカマインを攻撃開始。アメリカ軍は、作戦爆撃力13を投下して、1レベル阻止ゾーンを形成し、日本軍第18師団の戦闘効率補正を10%減少させた。

米中軍は攻撃力15、日本軍は防御力7✕0.9=6.3。戦闘比2.38:1。d100を振って49だったので、そのまま戦闘比1:1。ダイス修整-2(晴天の沼地)。結果、HR(攻撃側1/2、防御側後退)。米中軍は、メリルズ・マローダーズを失ったものの、第18師団をカマインから叩き出し、これを占領した。

とまあ、このターンは各地で戦闘が発生したが、戦闘比1:3でも前進に成功したり、戦闘比8:1でも相手を殲滅しきれなかったりと、TSWWの戦闘結果表の特徴も表れてきた。自分は論理的な人間ではないので、細かい表分析はできないが、ひとつの戦闘比に21欄も結果があるため、かなり振れ幅のある戦闘結果表になっている。もちろん、戦闘比で優勢になれば、有利な結果が出やすくなるのは当然なのだが、ダイス修整が良ければ、低戦闘比でもどうにかなる場合もあり、ダイス修整が悪ければ、高戦闘比でもイマイチな場合もある、という戦闘結果表になっている。

ちょうど最近読んだ「戦史の探究」Blogさんでも、こういった話題が出ていたが、たとえ戦闘比3:1でも、優勢な側が確実に勝てるわけではない、という研究成果もあるそうだ。TSWWの戦闘結果表も、恐らくこの手の分析を反映しているのだろう。なので、戦闘比を上げると同時に、修整要因とも言うべきダイス修整を高めることも大事だなと。しかし、ダイス修整を有利にするには「戦車を沢山持ってくる」「厳しい地形は攻めない」なのだが、あいにくビルマ戦では、どちらもその機会が少ないので、そのあたりは「TSWW:Barbarossa」で確認するしかない。

また日本軍が、除去されても狂信面ユニットとして残るというしぶとさは、ある意味「Advanced Squad Leader」の日本軍ルールと同じく、他の国々からすれば考えられない、規格外の頑強さを上手く表していると思う。正直、このシナリオを実際にプレイするまでは、インパールやコヒマまで攻め込めないだろうと思っていたが、いやいや、無理筋ながらも結構進めているではないかと。もちろん、日本軍も破断界が近づいてると思うので、それが見えてくるまで、もう少しこのソロプレイも続けてみよう。