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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【The Second World War】「TSWW:Day of Infamy」What If Wake Island Relief Operation Solo-Play AAR Part.2

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では仮想・第二次ウェーク島攻略戦、開始。まだまだ練習ソロプレイなので、VASSAL上で考えながら部隊を動かし、その手順を記録していこう。

1941年12月前半ターン。先手、日本軍の移動フェイズから。すでにウェーク島近海に到達していた第2航空戦隊から、A6M2こと零戦0.5ステップ(20機相当)、D3A1 Valこと99艦爆0.5ステップ✕2(40機)、B5N2 Kateこと97艦攻0.5ステップ✕2(40機)が作戦爆撃任務に発進。その目標は、第一次攻略戦で日本軍を撃退した、ウェーク島の沿岸陣地(レベル5=砲撃力10、重巡加古・古鷹、衣笠の砲撃力11と同等)である。最も航続距離が短いのは99艦爆(航続距離15)だが、ウェーク島までは3ヘクス飛行するものとし、額面航続距離の1/4以下なので、近距離爆撃=爆撃力+50%とする。

これに対してウェーク島守備隊のアメリカ軍も、迎撃にF4F-3ワイルドキャット0.25ステップ(なにせ稼働機が4機しかない)が発進。日本側航空部隊は、護衛グループ(零戦)と、任務グループ(99艦爆97艦攻)に分かれるが、迎撃側F4F-3は、まともに護衛の零戦隊とやり合ってもいいし、真っ直ぐ爆撃機隊に向かってもいい。ただ後者の場合、爆撃機隊に向けて空戦を行う前に、護衛の零戦隊から射撃を受けるので、あまり望みは無い。ということで、F4F-3は零戦隊と空戦に。零戦は、空戦攻撃力4・防御力3。F4F-3は、空戦攻撃力2・防御力2(機数が少ないので戦力も低い)。両軍の練度を表す、1941年の海軍戦闘補正(NEM)は、日本軍が+2、アメリカ軍は0。空戦は同時解決だが、零戦隊は、戦力差+2、ダイス修整+2、ダイス目9で修整後11、結果は相手方の「1」ステップロスでF4F-3を撃墜した。対するF4F-3は、戦力差-1、ダイス修整0、ダイス目4で「R(帰還)」となり、零戦隊は無傷で帰投した。

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さらに第2航空戦隊上空には、CAP(戦闘上空哨戒)の零戦を0.5ステップ配置。航空巡洋艦利根・筑摩のE13A1 零式水偵は待機。呂号潜水艦戦隊は、このメガヘクス内に哨戒ゾーンを形成し、敵艦隊が進入次第、それを観測し、攻撃する構え。そして(上の写真では隣のヘクスに表示しているが)ウェーク島ヘクスには、艦砲射撃を行う第6戦隊、第6水雷戦隊と、上陸部隊が移動してきている。

作戦爆撃任務の解決は、移動中どこでもいいので、とりあえず移動が終わった段階で、沿岸陣地への爆撃を判定してみよう。沿岸陣地に対しては、8爆撃力を投下する毎に1ヒットを与えられ、沿岸陣地レベルを1下げるには、2ヒットが必要となる(ただしこのターンのみ。恒久的なダメージではない)。97艦攻の作戦爆撃力は3、99艦爆の作戦爆撃力は2だが、近距離爆撃なので+50%となり、それぞれ爆撃力は4.5、3となる。さらに99艦爆は、タイプD=急降下爆撃機なので、作戦爆撃任務では爆撃力+50%となるため、結果4となる。それぞれ2ユニットずつあるため、4.5+4.5+4+4=合計17作戦爆撃力となり、これがすべて投下されれば2ヒット、沿岸陣地を1レベル下げられる。

ただし爆撃の前に、対空射撃を解決しなければならない。沿岸陣地は、本来ならレベルの1/2の対空力を持つため、ウェーク島の沿岸陣地は対空力2.5を持つはず。しかし、カウンターの右上には対空力を表す「1」という数値があるため、今回はこれを適用する。たぶん海岸砲に比べて、対空砲が少ない陣地なのだろう。そして対空力1、海軍練度補正0では、当然のようにハズレ。

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これによって17作戦爆撃力が海岸陣地に投下され、そのうち16爆撃力によって2ヒットが与えられた。余り1作戦爆撃力に関しては、100面体を振って12以下なら1ヒットを与えるものとする(1/8=12.5)。そう、そこまでやるのだ。まあ、出目は39なので、これはハズレ。沿岸陣地は、1レベル低下となった。

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日本軍の移動が終わると、今度はアメリカ軍の移動である。空母エンタープライズ隊は、第2航空戦隊に隣接する海上ゾーン(メガヘクス)まで接近。索敵任務としてF4F-3スコードロンを発艦させた。索敵範囲は1海上ゾーンであり、10面体ダイスを1個振って8以上なら発見となる。ダイス目には、海面状況、海軍効率補正(NEM)、観測修整が加わるが、今回の場合、1941年の連合軍空母の飛行任務+1しかつかないため、7以上が出ないと第2航空戦隊を発見できない。そしてダイス目は4。空母エンタープライズ隊は、第2航空戦隊を発見できず、いったんウェーク島沖から退避した。ううむ、1941年のアメリカ海軍はこんなものか……(1942年から海軍効率補正+1もつく)

※ルール間違い。索敵機として使用できるのは、タイプA(攻撃機)、タイプD(急降下爆撃機)、タイプR(偵察機)のみ。

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代わって、空母サラトガ隊がウェーク島ヘクスに接近し、やはり索敵にF4F-3を発艦させた。1海上移動セグメント中には、特定の1海上任務グループしか索敵できないため、空母サラトガは、日本軍上陸船団の索敵を行った。こちらも発見の確率は同じながらも、ダイス目は9。これにより見事、日本軍上陸船団を発見してしまった。当然、空母サラトガから、SBD-3ドーントレス爆撃機0.5ステップ✕2(40機)、TBD-1デヴァステーター雷撃機0.5ステップ(20機)が、海上爆撃任務として発進した。

ここで、さらに攻撃隊が上陸船団を発見できたかどうか判定する。10面体ダイス1個振って、6以上なら成功だが、ダイス目は7。サラトガ艦爆隊は、上陸船団を捕捉した。

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サラトガ隊は、TBD-1を駆逐艦睦月に、SBD-3を輸送船団に向けた。日本軍は、主力艦1+巡洋艦1+駆逐艦1までの対空力を合算できるが、あいにく駆逐艦睦月は対空力0(カウンター左下の左の数値)。仕方なく輸送船団の対空力1で迎え撃つが、効果は無かった。

SBD-3は、作戦爆撃力3だが、近距離爆撃(+50%)と、急降下爆撃機による作戦爆撃任務(+50%)で、結果6となる。さらに対艦・急降下爆撃は、成功のダイス目修整+2が加えられる。TBD-1は、コードV(対艦魚雷装備)なので、魚雷力3となる。

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結果から言うと、サラトガ隊の攻撃は大当たり。TBD-1の魚雷攻撃は、判定3回のうち2回命中し、さらにヒット判定で2ヒットを駆逐艦睦月に与え、これを撃沈。SBD-3も、それぞれ判定を6回行い、それぞれ4回ずつ爆撃を成功させ、海上輸送4ポイント(防御力3なので2ヒットで1輸送ポイント撃沈)をすべて撃沈した。第2舞鶴陸戦隊も、第4工兵連隊もウェーク島沖で海没……

いや、正直ここまでアメリカ軍の攻撃が成功するとは思わなかった。なにしろ、先に書いたように、艦隊索敵(40%で成功)と攻撃隊索敵(50%で成功)に成功する必要があるため、アメリカ軍が爆撃を行える確率は20%しかなかったはず。エンタープライズ隊のように、索敵段階でしくじるのが普通なのだが、そこからさらに命中、輸送船団を全滅させるとは……。かなりダイス目にも助けられたが、アメリカ軍にとっては会心の一撃真珠湾の復讐である。

※ルール間違い。本来は索敵用にTBD-1(タイプA)を使用していたため、爆撃に参加できるのは、SBD-3✕2ユニットのみである。まあ、それでも輸送船団は全滅ということで。

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さて戦闘フェイズ。ウェーク島ヘクスに到達した第6戦隊・第6水雷戦隊は、本来なら、この後に控える強襲上陸に備えて、上陸艦砲支援射撃(AGS)を行うはずだった。しかし上陸船団が壊滅してしまったので、沿岸陣地を砲撃しても仕方ない(ヒットは与えられるが、あくまでこのターンだけの一時的なもので、恒久的なダメージにはならない)。

しかしそこは練習ソロプレイ。もしウェーク島の沿岸陣地に対し、上陸艦砲支援射撃を行っていたらどうなるか、計算してみよう。各艦艇の砲撃力は、カウンター左上に記されている。第6戦隊・第6水雷戦隊すべての艦艇の砲撃力を合算すると、合計76。この砲撃力を8で割った数値が、沿岸陣地に与えるヒット数となるが、観測用の水偵があれば、6で割れる。幸い、4隻の重巡には、観測用の水偵が搭載されているため(カウンター中央下のFがそれを示す)、76÷6=12.66となり、確実に12ヒットは与えられる。沿岸陣地はすでに爆撃によって2ヒットを被っているため、合計14ヒットとなり、7レベルダウンし、このターン中はもはや機能しなくなったはず。

対する沿岸陣地も、先の爆撃によって1レベル下がった4レベル陣地として8砲撃力で、駆逐艦に撃ち返すだろう。

いや待て。ということは、第6戦隊・第6水雷戦隊だけで、5レベル沿岸陣地を潰せたということか。まあ、そういった計算も、本来は事前にやっておけという話だが、まだ「合計砲撃力÷8(または÷6)=与えるヒット数」という計算式が頭に入っていなかったので、これからは気をつけよう。またこの計算式は、地上ユニットを支援する戦闘艦砲支援射撃(CGS)でも同じで、「合計砲撃力÷8(または÷6)=地上ユニットに加算する戦力」となるので、覚えていた方が良さそうだ。

だとすれば、第2航空戦隊の爆撃は必要なかったわけで、むしろ日本軍も、蒼龍隊・飛龍隊に分かれて、それぞれエンタープライズサラトガの索敵・攻撃に向かわせた方が良かった? または、第2航空戦隊と輸送船団を合流させて、零戦2ユニットでCAP(戦闘上空哨戒)をした方が良かったかも。まあ、今さら後の祭りだが、あまり最初から理詰めで計算してプレイするよりは、むしろこれぐらいの被害が出ると分かった方が今後の参考にもなるしね。 

とにかく上陸船団が壊滅した今、日本軍のウェーク島占領の道は断たれたし、戦力の喪失という意味でも、勝利ポイント的に負けている。ならば日本軍としては、これからアメリカ軍艦艇を撃沈し、巻き返すしかない。逆にアメリカ軍としては、このまま退避しても引き分けに持ち込めるが、さてどうなるか……