Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの日記

GMT「Stalingrad'42」

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プレオーダーしていたGMTの新作「Stalingrad'42」が到着。ゲームデザイナーは、お馴染みのMark Simonitch。タイトル通り、1942年6月に開始されたドイツ軍の青作戦から、コーカサス方面への侵攻、スターリングラードの争奪、ソ連軍の天王星作戦等を包括した作戦級ゲーム。ゲームスケールは、1ヘクス=10マイル(約16km)、1ユニットは軍団(ソ連)~師団(枢軸)が基本となっている。6月~8月までは1ターン=4日、9月は1ターン=6日、10月~11月中旬は1ターン=7日、そして11月後半~12月中旬は1ターン=5日、12月後半は1ターン=6日という変速スタイル。ターンこそ独特のリズムだが、基本スケールは、やはりSimonitch作の「Ukraine'43 2nd」と同じだし、彼が近年出版している遊びやすいWWII作戦級システムを導入している。ある意味、Simonitchが1992年に発表したRhino Gamesの「Campaign to Stalingrad」のセルフリメイクといった趣か。

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地図盤は、フルマップ2枚+コーカサス方面の延長ミニマップ2枚という構成。あいにく我が家のテーブル(150cm✕90cm)には乗りきらないが、青作戦シナリオならマップ1枚、コーカサスシナリオならミニマップ2枚、天王星作戦ならフルマップ2枚なので、そのあたりならどうにか。実際この範囲すべてを使うのは、キャンペーンだけである。ちなみに以前、Simonitchは、同じGMTから「Caucasus Campaign」も出したが、あの地図盤よりも、今回の範囲の方が狭くなっている。なので、より広い範囲でコーカサス戦を楽しみたい方には、まだまだ「Caucasus Campaign」も価値があるかなと。

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ゲームターンは、移動・戦闘・回復・補給をくり返すシンプルなもの。ルールに関しても、ZOCボンド、戦力比10:1による自動的防御側撃破(Automatic DS)、戦車シフトという、近年のSimonitch作と同様になっている。ただし、断固とした防御(Determined Defence)に関しては「Ukraine'43」と少し違い、防御側が攻撃側のステップロスユニットを選択できる結果もあり、都市での退却をキャンセルする市街戦(City Battle)マーカーも登場。このあたりはスターリングラード戦を意識しているのだろう。また戦闘結果表を「Ukraine'43」と見比べてみると、防御側2ヘクス後退や4ヘクス後退も多く、下がる時は下がる、留まる時は留まる戦いになりそうだ。

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プレイブックには、豊富なプレイ例も載っていて、ありがたい限り。 

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こちらは枢軸軍カウンターシート。「Ardennes'44」と同じく、厚みのある造り。 

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こちらがソ連軍カウンターシート。カウンターは、総数576。あまりキャラクター的部分を楽しむゲームでもないのだろうが、平地でも断固たる防御が行えるNKVDユニットや、北コーカサス義勇兵、ドイツ軍の市街戦工兵、指揮官としてチュイコフとマンシュタインもあり。

また史実を再現するルールとして、ドイツ軍の撤収、ソ連軍の冬期攻勢とその欺瞞作戦(マスキロフカ)もあり。欺瞞作戦は、ソ連軍ユニットを盤外のホールディングボックスに集結させ、盤上には予備軍マーカーだけが置かれる形。枢軸軍プレイヤーは、ボックスの中身は見えるものの、そのボックス内の予備部隊が、盤上のどの予備軍マーカーと一致するのかは分からないという仕組み。これ上手くすると、自分なりの天王星作戦が出来るはずなので、是非試してみたい。

まあ、恐らく本作も手堅く作ってあるだろうし、青作戦ゲームの新定番、新スタンダードになるはず。キャンペーンは敷居が高いが、とりあえず1マップでプレイできる青作戦あたりから入りたい。