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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Company Scale System】「The Little Land : The Battle of Novorossiysk」Operation More Solo-Play AAR

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先月購入した「CSS:The Little Land : The Battle of Novorossiysk」の翻訳ルールが公開されたので(馬場夫さん、いつもありがとうございます)、早速シナリオ1「Operation More」をソロプレイしてみた。このシナリオは、実際には失敗した、ソ連軍によるオセレイカ(Yuzhnaya Ozereyka)への空挺・上陸作戦を扱っている。史実では、第一波だけ上陸した後、第二波以降を載せた上陸船団が「作戦失敗」と判断し、第一波を置き去りにして帰ってしまうという、なかなか酷い展開だったが、このシナリオでは、第二波以降も上陸するというIF(もしも)シナリオ。しかしソ連海軍歩兵vsルーマニア軍歩兵とは、渋い組み合わせである。シナリオ後半では、ドイツ軍山岳猟兵1個大隊も応援に登場予定。 

ちなみに配置する際、ソ連軍空挺ユニット2個は、実際に地図盤上の3フィート(約90cm)上から落とし、降下ヘクスに降りたかどうか判定するという、バカバカしいながらも盛り上がるルールとなっている。これは空挺ルール部分にも「Jack Radey氏に感謝を込めて」とあるように、本作と同じテーマを扱った「Black Sea Black Death」にあったルールから拝借したようだ(BSBDでは2フィート上から落とすとのこと)。まあ、真面目で精密なルールも好きだけれど、こういった遊び心も大事ということで。

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さて、第1(1943年2月3日夜間II)ターン。制圧状態で上陸したソ連海軍歩兵(ピンク色のユニット)第一波は、派兵(Dispatch)ポイントを払って、最初に師団チットを選択。まず制圧状態から回復した後、続く第255海軍歩兵旅団(255IB)フォーメーションチットによって、上陸ヘクスに隣接するオセレイカ村のルーマニア第10歩兵師団司令部に対し、人海戦術を敢行。指揮官による陣頭指揮、レンドリースのM3スチュアート戦車、火炎放射器装備の工兵中隊もあったおかげで、見事この白兵戦に勝利し、オセレイカ村を奪取した。しかし3カ所の海岸砲台の守りは堅く、まずこの制圧が急務ともなっている。一応、降下地点に下りた空挺歩兵中隊が、背後からFlems海岸砲台に接敵。隣接されたユニットの射程は1ヘクスに限定されるため、これでFlems海岸砲台も遠距離は狙えなくなったわけだ。一応、アゾフ小艦隊の艦砲射撃もあるが、火力が低いのか「弾幕が残らない」という制限付き。

守るルーマニア軍は、白兵戦によって、早くも師団司令部と8.8cm砲ユニットを1つ失い、このターンは回復に徹するのみとなっている。

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第2(2月4日0700時)ターン。ソ連軍上陸第二波が到着。これも制圧状態で上陸するため、最初のアクションは回復。しかし上陸ヘクスに留まり続けると、スタック制限オーバーで混乱マーカーが載せられてしまうため、直接指揮(Command)ポイントを払ってでも、上陸ヘクスから出て行かせた方が良い。だが硬直的な指揮のソ連軍に、臨機応変に使える指揮ポイントは少なく、この後、徐々に上陸海岸が渋滞することに。そして指揮ポイントを海岸の交通整理に使うため、戦闘行動にも制限が生じている。また海岸砲台については、白兵戦で一気に落としたいが、ソ連軍の人海戦術には、通常の2倍の派兵ポイントがかかるため、そうそう何度もは使えない。各ターン、師団フォーメーションチットを購入し(2派兵ポイント消費)、先手チットを取る(2派兵ポイント消費)となると、人海戦術に回せるポイントもあまり無い。

第3(0900時)ターン。ソ連軍上陸第三波が到着。しかしこのターンも、海岸沿いでの戦闘が続いた。一応、重機関銃も荷下ろしされつつあり、徐々にソ連軍の前線火力も上がっているのだが。 

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第4(2月4日1100時)ターン。ソ連軍上陸第四波(最終)が到着。しかし最後に現れたのは、NKVDの政治委員。指揮能力は低いくせに、本来の指揮官がヘタを打つと(射撃10面体ダイスで絶対失敗の9を振ると)、それに取って代わるという面倒な存在である。本来の指揮官は、ユニットの火力を+1してくれるので、是非とも前線で指揮を執ってほしいのだが、射撃して9を出されたら政治委員に代わられてしまうので、逆に使いづらくなってしまった。

それでもソ連軍は、次第に迫撃砲も展開させ、艦砲射撃と併せて、ヘクス0829、Glevovka村の8.8cm砲ユニットも除去。ルーマニア軍の防御線は、中央が破られた形となり、(やはりレンドリースの)マチルダ戦車中隊を含む部隊が、Glevovka村から突破を果たした。 

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第5(2月4日1300時)ターン。ようやく枢軸軍後方に、増援のドイツ軍山岳猟兵大隊が登場。ソ連軍も、朝から攻勢(日中に師団チットを入れる)が続いたため、部隊全体の疲労度が上がっており、このままドイツ軍と対峙するのは危険とみて、このターンには師団チットを入れず、休息ターンとした。すでに海岸のルーマニア軍もほぼ一掃したし、残るは海岸砲台である(いまだ健在)。 

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第6(2月4日1500時)ターン。Vasilevka村付近で、ソ連軍先鋒と、ドイツ軍山岳猟兵が会敵。しかし、すでにこの地域を射程内に収めていたソ連迫撃砲が炸裂。まだ移動モードだったドイツ軍の山砲部隊を潰走させた。対するドイツ軍も、後方に陣取る10.5cm砲の間接砲撃により、ソ連海軍歩兵1個中隊を潰走。いつものGTS/CSSでよく見られる砲撃戦の応酬と相成った。またこのターンには、ヘクス1329で頑張っていたルーマニア軍陣地が陥落し、Flems海岸砲台が孤立してしまった。 

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第7(2月4日1700時)ターン。遂に、ヘクス0730のBleslau海岸砲台が陥落。これを包囲していたソ連軍部隊は任務から解放され、中央奥のVasilevka村へと向かった。 

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そのVasilevka村では、ソ連軍の砲撃に耐えきれず、山岳猟兵中隊2個が潰走。幸い、すぐに後方の大隊司令部付近に復活したが、防御線は下げざるを得なかった。そしてシナリオ的には、あと残り2ターンあるが、ほぼほぼソ連軍の勝利確定ということで、今回はここまでとした。

まあ、攻めるソ連軍目線だと、なかなか面白いシナリオだと思う。枢軸軍は防戦一方なので、ベテランプレイヤーが枢軸軍、入門プレイヤーがソ連軍を担当すると、CSSシステムの登竜門としても機能するような気が。そして「ユニットを地図盤の上から実際に落として降下判定」というルールに関しては、ひとつのネタとして、全ウォーゲーマーに一度は体験していただきたいところ。ソロプレイでもニヤニヤしてしまったので、対戦プレイなら、その馬鹿っぷりに、対戦者みんなで盛り上がれるのでは?