「TSWW:Day of Infamy」の「ニイタカヤマノボレ」シナリオその2。いよいよ1941年12月前半ターン、両軍の第2海上移動セグメントが終わり、機動部隊が真珠湾攻撃位置についたところから、という体で、このシナリオは開始される……のだと思う。本来は、第2海上移動セグメントの日本軍の手番が終わったら、アメリカ軍側の移動になるのだが、奇襲前に動かれても困るので、そこは割愛。真珠湾口にいる特殊潜航艇も、ミッドウェー島にいる囮部隊も、この時点では動かず、航空部隊による奇襲の後に行動することとしよう。
続いて手順的には、まず敵空軍基地への攻撃から解決しなければならない。日本軍は、九九式艦爆✕3スコードロン(今回の場合は、13.8✕3=41.4機相当)で、ホイーラー陸軍航空隊基地(収容力3)を攻撃した。
ちなみにシナリオ特別ルールとして、最初の5回の航空攻撃に対するアメリカ軍の対空射撃力は1/3に低下し、いかなる迎撃も受けない。6回目以降の対空射撃力についても1/2に低下するが、迎撃は受ける。3個ユニットをまとめたこの攻撃が、第1回目の航空攻撃と見なされ、アメリカ軍戦闘機による迎撃は受けないので、護衛機は付けていない。
アメリカ軍の対空射撃はいずれも空振りで、九九式艦爆隊は、作戦爆撃力(カウンター左下の左の数値)合計6を投下。敵空軍基地に対しては、3作戦爆撃力を投下する毎に1ヒットが自動的に与えられるため、今回は2ヒットとなり、ホイーラー基地の収容力は2低下して1となり、駐機してあったP40BトマホークとP36Aホーク戦闘機が、それぞれ1ポイントずつ航空補充ポイントを失った。また空軍基地へ2ヒットを与えたことにより、日本軍は勝利得点4を獲得。
さらにヒッカム陸軍飛行場、エワ海兵隊飛行場にも、九七式艦攻✕各1が爆撃。こちらも対空射撃をかいくぐり、各作戦爆撃力3を投下。基地に1ヒットずつ与え、さらに勝利得点4を得て、合計勝利得点は8に。しかしあいにくヒッカムとエワの基地収容力がどこにも書いていない。ホイーラー基地の収容力(3)はFAQに書いてあったし、「Pearl Cityの収容力は1」という記述もあったのだが、今回はどちらも収容力1とし、ヒットを被ったことによって、両飛行場とも発進能力を失ったと仮定しよう。そしてこれが第2、第3の航空攻撃で、迎撃も受けないため、護衛機も付けていない。
そして、いよいよ真珠湾港内にいる戦艦群に対する、九七式艦攻隊による魚雷攻撃である。港内には7隻の戦艦が在泊しているため、九七式艦攻✕7スコードロン(13.8✕7=96.6機相当)をすべて魚雷攻撃とし、1隻ずつに1個スコードロンを充てた。これもまとめて1回の航空攻撃とみなすので、迎撃は受けない。
そしてTSWW基本ルールで、港湾内にいる敵艦船を航空攻撃する場合、港内にいる全艦船の対空力(艦船カウンター左下の左側の数値)を合計する。今回の場合、真珠湾港内にいる全艦船の対空力を合計すると72になるが、対空射撃解決表には最大でも「20+」までしかなく、特別ルールで低下させる場合は、対空力20の1/3(切り捨てで6)、1/2(10)として計算するそうだ。
しかし対空力6でも10でも、航空隊がステップロスを喰らうことはなく、たとえ「R*(帰還)」になっても、作戦爆撃の場合は、爆弾を投下して帰るため、ほとんど損害は出ないし、魚雷も無事に投下できるだろう(戦略爆撃の場合は、目標以外のデタラメな場所に爆弾を投下して帰還することになる)。
そして対空射撃の結果、「R*」を被ったスコードロンもあったが、すべて魚雷の投下に成功している。対空力10で、最悪のダイス目を出されると「R」となり、魚雷力の75%しか投下できなかったが、そのような結果は出なかった。
ここから魚雷攻撃判定に入るが、簡単に言うと魚雷力の回数分、1d10を振って8以上なら命中。ただし 今回の艦攻隊は、すべてコードV(対艦魚雷能力あり)による港湾内の艦船への魚雷攻撃なので、修正+3が得られるため、5以上なら命中となる。命中後は、また1d10を振り、その数値を合計して5で割った数が目標艦船に与えたヒット数となる。さらにコードV航空機による、港湾内の艦船への魚雷攻撃は、そのヒット数をも2倍にし、追加でクリティカルヒットも与える。日本軍雷撃隊、恐るべし。
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そして雷撃結果。戦艦「ウエストバージニア」は、魚雷攻撃3回のうち2回が命中。その後に振ったダメージダイスは、6、5だったので、足して11。5で割って2ヒット。それを2倍にして4ヒット。さらにクリティカルヒット表で1d10を振り、追加2ヒット。合計6ヒットを被った。「ウエストバージニア」の防御力は8なので、ヒットポイントは6。つまりすべてのヒットポイントを奪われ、「ウエストバージニア」は撃沈された。他にも戦艦「オクラホマ」が撃沈。戦艦「カリフォルニア」「アリゾナ」「ネバダ」は、ヒットポイント5のうち4ヒットまで喰らったものの、撃沈とはならず、首の皮一枚残して大破。「メリーランド」と「テネシー」は、魚雷を一発も受けず、難を逃れた。日本軍は、戦艦2撃沈で10勝利得点、その他12ヒットで12勝利得点を獲得。
さらに九九式艦爆✕5スコードロン(13.8✕5=69機相当)が、真珠湾の海軍基地を爆撃。こちらも迎撃は受けず(5回目の航空攻撃)、対空射撃もかいくぐり、作戦爆撃力10を投下。海軍基地は、4爆撃力を投下される毎に1ヒットを喰らうため、今回は2ヒットの被害となった。また2ヒットを被るごとに、港内で修理中の艦船にも損害チェック(d100)を判定しなければならない。その結果、駆逐艦「ショー」「シャレイ」が撃沈。重巡洋艦「ニューオーリンズ」が追加1ヒットを被った。日本軍は、駆逐艦2撃沈で4勝利得点、1ヒットを与えて1勝利得点を獲得。
ちなみに駆逐艦「ショー」は、実際、真珠湾奇襲の際、乾ドックで攻撃を受け、弾薬庫が爆発しながらも、後に修理され、ガダルカナル戦に投入されている。
……というあたりで、この1941年12月前半ターン、移動フェイズ中の航空攻撃は終了。この後、地上戦闘フェイズが続くが、それはすっ飛ばして、突破フェイズに移り、また日本軍の移動、続いてアメリカ軍の移動になる。ある意味、日本軍の連続行動的になるが、まあ、この状況なら仕方ないかなと。そして日本軍としてはむしろ、ここから先どうするのか……史実通り、すぐさま日本に戻るのか、はたまた二次攻撃や、米空母の撃滅を狙うのかを考える必要があるが、それはまたPart.3にて。