Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【The Second World War】「TSWW : Hakkaa Päälle」

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「Day of Infamy」と一緒に、1939年の冬戦争を扱う「Hakkaa Päälle」を取り寄せた。こちらも地図盤とカウンターシートは印刷されているが、ルールやシナリオはPDFという、Lieutenant版(107.5ポンド、125円換算で13440円)。エウロパ・シリーズの冬戦争と言えば、GRD時代に「A Winter War」というタイトルが発売されていたが、あいにくそちらは所持していない。 

冬戦争 (Historia Talvisota)

冬戦争 (Historia Talvisota)

 

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地図盤は3枚。大作揃いのTSWWシリーズの中では、小振りなセット。実は本作は、1939年の冬戦争セットであると同時に、北岬沖海戦(イギリス戦艦デューク・オブ・ヨークvsドイツ巡洋戦艦シャルンホルスト)、ドイツ軍の仮想スウェーデン侵攻を扱うセットでもある。 

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カウンターシートは6枚、カウンター総数1680個。

冬戦争の主役フィンランド軍は、史実では、ソ連軍による盗聴を警戒し、部隊名を頻繁に変えていたというが、実際このゲームの戦闘序列を見ても、ある時期になったら別の師団名カウンターに変更する場合が多々見られる。 

フィンランド軍は、地上ユニットの額面戦闘力は低いが、冬戦争時のCEV(戦闘効率補正)が1.4なので、戦闘力✕1.4として計算する。さらにマンネルハイム元帥は、麾下の部隊のCEVを+1.0上げる能力があり、スオムッサルミの戦闘でソ連軍を包囲殲滅したシーラスヴォ司令官は、CEV+2.0となっている。つまりシーラスヴォと連絡線がつながっている地上ユニットは、本来のCEV+1.4に加えてCEV+2.0=額面戦闘力✕3.4となるワケだ。また「北欧空戦史」でもその活躍が記されているD21戦闘機も額面空戦力は低いが、フィンランド空軍はACEV(航空戦闘効率補正)も高く、見た目よりずっと強力な軍隊となっている。 

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対するソ連軍は、額面戦闘力こそ高いものの、CEVは✕1.0……つまり額面そのままで、伸びしろは無い。またソ連空軍に至っては、練度が低いため、不利なダイス修整を被る。いかにも質VS量の戦い。

収録シナリオは、陸戦・空戦・海戦の練習シナリオの他「スオムッサルミの戦い」「ラーッテ林道の戦い」「ティモシェンコの1940年攻勢」「ソ連軍によるHango港奇襲」「北岬沖海戦」「ドイツ軍による仮想スウェーデン侵攻(1941年、42年、43年想定)」と、小振りで遊びやすいものが多い。

ちなみにこの地域での、継続戦争に関しては恐らく「Barbarossa」で、ラップランド戦争に関しては恐らく「Vengeance」で扱うのだろう。

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ドイツ軍には、戦艦ティルピッツもあり、これがスウェーデン侵攻船団の護送をするという設定もあり。対するスウェーデン海軍には、沿岸戦艦もあるが、さすがにティルピッツの相手は荷が重い……

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そのスウェーデン軍は史実で、各国に戦闘機の売却を打診したという設定が活かされ、仮想シナリオではさまざまな国の戦闘機が選べるようになっている。まあアメリカ製のP38JやP51D、イギリス製のスピットファイアIXは分かるとして、中には日本の零戦二二型もあり、さながら第二次世界大戦エリア88のような状態に……

ということで、地味ながらも遊びやすい規模のシナリオが揃っているので、TSWW入門編として、自分もまずは本作収録の練習シナリオからプレイしようと思っている。太平洋で空母戦に挑戦する前に、まずは北岬沖で水上砲戦から慣れるのも良さそうだ。