Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Advanced Squad Leader】KGS17「Schwarzer Freitag」Solo-Play AAR

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先日購入したASLのヒストリカル・モジュール「Kampfgruppe Scherer」の「Player's Guide」からシナリオ17「Schwarzer Freitag(黒い金曜日)」をソロプレイしてみた。このシナリオは、1942年2月13日金曜日、ホルムの街の最南端に、ソ連第391歩兵師団が、マチルダII型戦車を伴って歩戦共同攻撃をかけるというもの。ソ連軍は、7ターンまでに、指定の建物と街区を占領するか、地図盤から突破するか、ドイツ軍の分隊ユニットを殲滅すれば勝利する。

攻めるソ連軍には、マチルダII戦車✕3輌があるが、深雪(ルールE3.73)のため、貧弱なトランスミッションルール(ソ連軍の多用途車両・項目M)が適用されたうえ、直接射撃を受けた場合、移動不能チェックを行う(「Hakkaa Päälle !」収録のH29Eページ、Matilda II(b)の項目を参照)。またそのうち1輌のマチルダIIは、45mm対戦車砲を牽引して登場。さらに5-2-7分隊✕2個は、スキーを装備。それ以外のユニットは、深雪の影響を受け、移動ペナルティが課せられる。つまり通常よりも、前進しにくいということだ。

守るドイツ軍には、対戦車兵器が37mm対戦車砲と爆薬しかない。37mm対戦車砲では、致命的命中でも出ない限り、マチルダIIの装甲を側面からでも撃ち抜けないが、とりあえず命中さえすれば、移動不能チェックをするのだから、当てるだけでも意味がありそうだ。

また今回はソロプレイながらも、隠匿マーカーありでプレイしてみた。もちろん自分で配置しているのだから、どこに何があるかは分かっている。それでも自分を二重人格的に機能させ、ドイツ軍にはダミースタックも配置し、それが分からない体で、ソ連軍を攻めさせることにした。実際やってみると、ずらりと並んだ「?」マーカーを前にして、攻撃経路を考えるところからして、もう面白い。元々、隠匿マーカー使用が前提のゲームなのだから、ソロプレイとは言え、本来の姿により近づいたということだろう。 

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さて第1ターン。ソ連軍は、勝利条件に関わるPP53-QQ54の建物(丸い青マーカーが置かれている)周辺に主力を投じ、北には助攻・陽動部隊を送り込んだ。主力部隊の斬り込み役であるマチルダII✕2輌は、「?」マーカーが載っているスタックに対してオーバーランかまし、隠匿マーカーを引っ剥がした。いくつかのダミースタックを見破った結果、どうやらドイツ軍は、第一線には二線級分隊(4-4-7)や、徴集兵分隊(4-3-6)を配置し、後方の第二線に主力を置いていると分かった。ドイツ軍は、最初の第一撃で、このようなマチルダIIによる接近攻撃を避ける意味もあって、主力を下げたようだ。北では、もう1輌のマチルダが、すぐに45mm対戦車砲を下ろしている。

この初動に対し、ドイツ軍は37mm対戦車砲で応戦し、マチルダIIに命中弾を与えたものの、移動不能チェックはクリア。それでもソ連軍の快速スキー部隊は混乱させている。 

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第2ターン表。ソ連軍の攻撃により、早くもQQ53(丸い赤マーカー)が陥落。PP54に立て籠もるドイツ軍徴集兵分隊も混乱し、もはや建物は風前の灯火。 

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第2ターン裏。MM55ヘクスで混乱していたドイツ軍一線級分隊(4-6-7)が、回復でDR2を出し、戦渦によって凶暴兵化(4-6-10)した。この凶暴兵は、目前のマチルダII戦車めがけて突撃し、臨機射撃で半数を打ち倒されつつも、半個分隊で白兵戦を挑みかかった。この白兵戦DRはなんと3で、危うく成功かと思われたが、機動中の車両に対する白兵戦DRには修整+2が付く(ルールA11.51)ため、マチルダはすんでのところで難を逃れた。戦車はなるべく止まらないように……

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第3ターン。ソ連軍は、QQ53に続き、PP54建物ヘクスも占領。ドイツ軍の頼みのMMGは故障。凶暴兵分隊も、このターンに射撃で除去された。

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第4ターン。激戦ゆえか、双方の支援火器・火砲がことごとく故障している。ソ連軍の快速スキー部隊は、前線で射すくめられ、いまだDM(動揺)状態だ。

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第5ターン。ドイツ軍MMGは修理されたものの、それを率いる9-1指揮官スタックが、マチルダからの射撃を受けて混乱。後方へ退避した。37mm対戦車砲の操作班も、マチルダに撃たれて混乱。北では、瓦礫ヘクスに陣取るドイツ軍LMGスタックが、ソ連軍を寄せ付けずにいる。また、ソ連軍スキー部隊を指揮していた8-0指揮官が、ようやく動き出した瞬間、臨機射撃を喰らって除去された。

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第5ターン裏。瓦礫ヘクスで指揮を執っていたドイツ軍8-1指揮官が、士気チェックでDR12を出し、負傷チェックにもしくじり、除去。すでにドイツ軍戦線は、ずたずたになりつつある……

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第6ターン表。再びドイツ軍が回復DR2を出し、また凶暴兵かと思いきや、戦渦DR12を出してしまい、あえなく戦意喪失。この分隊に、ソ連軍がすぐさま隣接し、捕虜マーカーに変換した。回復した37mm対戦車砲は、隣接ヘクスまで攻め込んできたマチルダ戦車に対して発砲したが、命中弾は無し。結局、3輌のマチルダは、移動不能にも陥らず、兵装が故障することもなく、シナリオ終了まで活躍した。

ゲーム的には、あと1.5ターン残っていたが、ここで時間切れ終了。ソ連軍は、北の瓦礫ヘクスに陣取っていたドイツ軍LMGスタックも除去し、45番街区への突破口を大きく開いているが、あと1.5ターンで45番街区を占領できるかは微妙なところだ。

今回は、まだ慣れていなかったが、やはり隠匿ルールを使うと、面白さのレベルが上がった気がする。妙な話だが、ソロプレイでも、意外に隠匿ルールが楽しめた。自分で配置したユニットの位置を、いったん忘れるのも、案外と簡単だった。そのあたり、自分の記憶力の悪さが、良い意味で機能しているかもしれない。引き続き、隠匿ルール込みのソロプレイを続けてみよう……