文庫化された「餓死した英霊たち」を購入。日本軍人の戦没者230万人のうち、過半数は、戦闘行動による戦死者ではなく、(完全・不完全)飢餓による死者であるとの分析。その背景にあった補給・兵站の軽視や、作戦を事実上動かしていた中堅参謀たちの横暴さ、精神主義への傾倒といった、よく言われる日本軍の歪みが、各地の戦場で、普遍的に蔓延していたという分析でもある。自分もガダルカナル、インパールでの惨状は読んだことがあるが、太平洋の孤島に取り残された守備隊の孤立状況を目にしたのは初めて。ウォーゲームでも「補給切れ⇨孤立⇨ユニット除去」という状況はままあるが、その失われたコマたちがどのように死んでいったかの記録として読むと、そのような稚拙な作戦は避けなければと強く思う。
ちなみにTSWWでは『日本軍兵士の多くは農民出身だったので、孤島にいる場合でも、畑を作って自給自足を整えていた』ので、孤立した場合でも、除去判定を1ターン(半月)憂慮してもらえるというルールがある。うん、まあ、半月ぐらいは持ちこたえるかもしれないが、本書を読むと、その処理もどうなのかなあと思ったり。