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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Company Scale System】「Montelimar : The Anvil of Fate」Opening Blows : 11th Panzer Attacks ! Solo-Play AAR

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CSS:Montelimar」のシナリオ3「Opening Blows : 11th Panzer Attacks !」をソロプレイしてみた。本シナリオは、先にプレイしたシナリオ1と2を合併させた形で、1944年8月22日のドイツ第11装甲師団による攻撃を、0700時~2100時ターンまでの全8ターンで再現するもの。

攻撃側のドイツ軍は、事前に東か西か、自軍の主攻勢軸を密かに定め、それによって連合軍の拠点を奪った際の勝利得点が変わってくる。西寄りなら、連合軍の高地陣地(ヘクス1843の300高地、ヘクス2343の294高地)にぶつかってしまうが、部隊は集中しやすい。東寄りなら、連合軍もまばらに展開しているため攻めやすいようにも見えるが、中央突破を図る形になるので、複数方向から逆撃を喰らう可能性もある。東西どちらを主攻勢軸にするか考えさせられる分、面白いシナリオだと思う。今回は、西寄りの策を取ったが、さてどうなるか。

また両軍ともに、相手に勝利得点を献上する形で増援部隊が得られる。ドイツ軍は、装甲擲弾兵1個大隊とV号パンター戦車2個中隊、連合軍はM4シャーマン戦車2個中隊とM10駆逐戦車1個中隊。先のシナリオ1と2では、イベントのダイス目次第で登場するかどうか分からなかった戦車隊が、ここでは勝利得点さえ払えば必ず登場するので、戦車戦を体験したい方は、このシナリオ3を選択するのが吉かと。今回も当然、両軍の増援を出すことにした。

それからシナリオ特別ルール1の「ドイツ軍の補給不足(German Supply Shortages)」は、特別ルールではなく、ダイス目1のイベントとのこと(Board Game Geekにデザイナーからの解答あり)。

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さてソロプレイ開始。第1(0700時)ターン。先陣を切って登場したドイツ軍第11装甲師団の捜索大隊は、Montelimar市を通過し、奪取目標のひとつである300高地を目指した。第3中隊は早くも高地麓のCharge(1744)に達したが、連合軍はこれをM8装甲車中隊と阻止砲撃で牽制。また後方に控えていたM3スチュアート軽戦車中隊も、捜索大隊の本部に肉薄している。同時に登場したドイツ軍第71高射砲連隊(高射砲は持たず歩兵化しているが)は、徒歩でMontelimar市を通過中。 

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第2(0900時)ターン。ドイツ軍第71高射砲連隊と足並みを揃えて、このターン増援の第11装甲師団第110装甲擲弾兵連隊がSauzet(2644)へ突進。この村に陣取るButler任務部隊の司令部に襲いかかった。連合軍は、東に配置していた第132、第133野戦砲兵大隊を西に配置転換し(そうしないと主戦場を射程内に収められない)、猛砲撃を加えてドイツ軍の前進を阻み、Chargeに達したドイツ軍中隊を吹き飛ばした。 

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第3(1100時)ターン。連合軍は、TF Butler司令部に迫ったドイツ軍1個中隊を砲撃で吹き飛ばし、M8装甲車中隊2個で、逆に第110装甲擲弾兵隊司令部を襲わせた。しかしドイツ軍もMontelimar市内に配置した砲兵部隊から阻止砲撃を浴びせ、フランス国内軍1個中隊を除去。手の空いた第71高射砲連隊は、294高地に取り付いている。

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またこのターン、増援として登場した第11装甲師団第111装甲擲弾兵連隊は、ほぼガラ空きになった東へ突進。奪取目標のひとつ、Cleon d'Andran(4741)に迫っている。連合軍もこのターン、増援のM4戦車2個中隊、M10駆逐戦車1個中隊が登場しているが、あいにくまだ前線には達していない。

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第4(1300時)ターン。このターンは、ドイツ軍の大攻勢となった。まず第110装甲擲弾兵連隊が、間接砲撃と射撃によってTF Butler司令部を除去。続いて第71高射砲連隊が294高地に立て籠もっていたアメリカ軍中隊を潰走(Rout)。続けて、このターン増援の第15装甲連隊のV号パンター2個中隊が来援。邪魔なM8装甲車中隊を瞬殺し、そのまま北へ突破を開始した。

これに対して連合軍も、増援のM10駆逐戦車を東から、M4戦車中隊を北から送り込み、ドイツ軍の突破を防ごうとしているが、ドイツ軍は、75mm対戦車砲を据えてM10駆逐戦車を牽制している。

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さらに東では、第110装甲擲弾兵連隊が、指揮官Ruepprecht少佐自ら白兵戦を指揮して、Cleon d'Andranを奪取。連合軍は、M4戦車と間接砲撃で阻止を図るが、なにせ手数(ユニット数)が足りなすぎる……

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第5(1500時)ターン。両軍戦車隊は、至近距離で撃ち合うも、どちらも決定打が出ず。294高地を落とした第71高射砲連隊は、続いて300高地にも向かっている。

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あとまだ3ターン残っていたが、あいにく時間切れにて今回はここまで。とは言ってもこの時点で、連合軍は勝利得点34点(ユニット除去10点、拠点支配14点、増援10点)、ドイツ軍は勝利得点38点(ユニット除去25点、拠点支配10点、増援3点)であり、このままドイツ軍有利に展開するかなと思う。連合軍としては、序盤でドイツ軍偵察大隊を警戒し過ぎ、Butler司令部に敵を近づけてしまったのが敗因のひとつ。M3軽戦車とM8装甲車で薄いながらも防御線を張るべきだった。まあ結局は、後から出てくるパンター戦車に一蹴されるのだろうが……

しかしマップ2枚と場所は取るが、『主攻勢軸はどこなのか?』を両軍ともに考えさせられるシナリオなので、実際、対戦プレイをしたら、かなり面白いと思う。戦車が必ず登場するという派手さも含めて、この「CSS:Montelimar」で一番遊ばれるシナリオはこれだと思う。ユニット数もあまり多くないし、対戦するにしても、一日あれば十分終わりが見えるところまで行くはず……今のところイチオシ。