Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの置き土産

【Company Scale System】「Montelimar : The Anvil of Fate」

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Compass Gamesに直接プレオーダーしていた、CSS(Company Scale System)第3作「Montelimar:Anvil of Fate」が到着した。ゲームスケールは、シリーズ前作と同様、1ヘクス=500m、1ターン=2時間、1ユニット=中隊である。フルマップ5枚、カウンター総数1056個と、なかなかのボリュームだ。

しかし、今作のテーマはMontelimarの戦い……と告知された時から『どこよそれ???』と思ったのだが、舞台は1944年8月21日~29日の南フランス戦線。ドラグーン作戦(8月15日)をもって南フランスに上陸したアメリカ第6軍団は、急速に内陸に進出し、ドイツ軍の後退路を抑えるべく、Montelimar市の北、Rhone峡谷へButler任務部隊を送り込んだ。これに対してドイツ軍も、第11装甲師団を中心とする部隊で反撃。味方の退路を確保しつつ、連合軍の占領地域から突破するという離れ業を見せたらしい。もちろん、多くのドイツ軍将兵が死傷したり捕らわれ、重装備も放棄されたため、連合軍側も勝利を主張したという、痛み分け的な戦闘だったようだ。

Montelimar Situation Maps

ドラグーン作戦を扱ったウォーゲーム自体が少ないし、Montelimar戦がゲーム化されるのも初めてだろうが、さながら高橋慶史氏の「ラスト・オブ・カンプフグルッペ」の一章を、そのままゲーム化したような内容なので、テーマとして非常に興味深い。一方が退却しつつ反撃し、もう一方は退路を塞ごうとするというシチュエーションも、双方共に攻防が担えるし、ゲームとしても面白く成立するかもしれない。

またCSSは、「Saipan」「Guam」と太平洋戦線モノから始まったが、この「Montelimar」が初のヨーロッパ戦線作品となるし、ようやく同じ土俵で、GTS(Grand Tactical Series)と比較できそうだ。 

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5枚のフルマップは、横長2枚、縦長3枚を連結してこの戦区をカバーしている。さすがマイナー戦線。まったく馴染みが無い……(^_^;) 収録シナリオは、キャンペーン含めて8本だが、1マップシナリオが2本、2マップシナリオが2本あるので、そのあたりなら遊びやすいか。

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先の戦況図を簡単に描き込んでみると、こんな感じか。青の矢印がドイツ軍の退却ルート。緑が連合軍の攻撃ルート。黒がドイツ軍の反撃・突破ルート。 

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こちらが連合軍ユニット。Butler任務部隊の他に、アメリカ第3、第36、第45歩兵師団が登場。Combat Command Sudreと呼ばれる自由フランス軍部隊もあるが、兵科マークは、兄貴分のGTS同様、フランス軍式兵科記号になっている。それから英雄として、後に映画俳優になるオーディ・マーフィーがユニット化されているのも注目か。

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こちらがドイツ軍ユニット。第11装甲師団の他に、第189、第198、第338歩兵師団が登場。よく見ると、列車砲ユニット(射程は無限大)が3個ある。また両軍に(支援マーカーではない)戦車ユニットがあるので、「Saipan」「Guam」では、お目にかかれない戦車ユニット同士の戦闘も発生しそうだ。さらに8.8cm砲ユニットは、対戦車火力と間接砲撃火力の2つを併せ持っている。これが「GTS:The Greatest Day」だと『ノルマンディ戦線では8.8cm砲は対戦車任務にほとんど使われなかった』という解釈の下、間接砲撃能力しか与えられていないユニットもあるが、それとは対照的なレーティングである。

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また、これは「Saipan」「Guam」からの恒例だが、CSS作品のチャート類には、わざわざシワや汚れが印刷されている。戦場の風雨に耐えた感じを出しているのだろうが、最近Consimworldでも『その芸術センス、要る?』とツッコみが入っていた。うん、自分もこれは要らないなあと……

何はともあれ、期待の新作なので、近いうちにソロプレイして感触を確かめる予定。やはり「Saipan」「Guam」といった太平洋モノよりは、意欲が湧くし。

ちなみにCSSのこの先の新作予定は、すでにプレオーダーに上がっている「Tinian」の他には「1943年のNovorossiysk戦」「1985年のFulda峡谷(つまり仮想第三次世界大戦)」が予定され、さらに「1985年のHof峡谷」「1942年のDieppe上陸作戦」「1944年のMortain戦」「1945年の沖縄戦」が企画されているとのこと。個人的には、Novorossiysk、Fulda & Hof、沖縄には期待、Mortainは範囲広くない? Dieppeは期間短くない?と感じているが、実際どうなることやら……