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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Operational Combat Series】「Beyond the Rhine」 A Time for Trumpets AAR Part.2

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第3(12月22日)ターン。ドイツ軍先攻。もはや北部での突破は諦め、BastogneからLuxemburg間の隙間を衝くことにし、補給ポイントもこの付近に集中していった。まず総統警護旅団と第326擲弾兵師団が、奇襲5シフトでアメリカ第28歩兵師団を除去し、Etterbruckを突破。第2SS装甲師団もこれに続いている。連合軍はこの突破部隊に対し、アメリカ第11、第6機甲師団を当て、突破口を塞ぐ構えである。  

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第4(12月26日)ターンもドイツ軍先攻。ドイツ軍は、爆撃によりアメリカ第11機甲師団のCCA、CCBを混乱させると、総統警護旅団と第2SS装甲師団でこれを攻撃。どちらもアメリカ軍側をステップロスさせて後退させ(DL1o1)、突破口を拡大した。またLuxemburgに籠もるアメリカ第82空挺師団にも砲撃を浴びせて混乱させた後、第17SS装甲擲弾兵師団が攻撃をかけたが、奇襲に成功したものの、戦力比が1シフトしか上がらず、AL1o1をくらって後退している。 

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第5(12月29日)ターンもドイツ軍先攻。第2SS装甲師団を先鋒とする突破部隊は、ようやくバルジ(突出部)らしくなってきたが、いかんせん戦線が延びきっている。ならばとドイツ軍は、北部で予備に就いていた第3装甲擲弾兵師団を戦略移動で呼び寄せ、さらなる突破に備えた。第2SS装甲師団は、運良く連合軍のリアクション砲撃をかわした後、アメリカ空挺歩兵連隊を奇襲5シフトで蹴散らし、さらに突破モードになってアメリカ第11機甲師団CCBを再び攻撃し、これも除去。後方では、第276擲弾兵師団が、Luxemburgの北でしぶとく粘っていたアメリカ第9機甲師団CCAを後退させつつある。また北では、息を吹き返した第116装甲師団が、アメリカ第2機甲師団CCAを除去し、連合軍戦線を食い破っている(ただし北部のドイツ軍は、まったく動けずにいる)。

連合軍は、砲爆撃でドイツ軍の主力スタックを混乱させつつ遅滞作戦を展開。それでもラッキーヒットで第2SS、第9SS装甲師団の戦車大隊を吹き飛ばしてもおり、少しずつその刃を削ぎつつある。 

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第6(1945年1月1日)ターンもドイツ軍先攻。第3装甲擲弾兵師団は、突破先鋒に躍り出たが、ようやくアメリカ軍もリアクション砲撃態勢を整え、これを混乱させて突破攻撃を未然に防いだ。後方では、第352火炎放射戦車大隊を斬り込み役に、第212、第276擲弾兵師団がアメリカ第9機甲師団CCAを除去し、Luxemburgの北に迫りつつある。

連合軍は、引き続きこの突破口を塞ぎつつ、ドイツ軍主力を砲爆撃で足止め……というあたりで時間切れとなったので、今回のソロプレイはここまで。 

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感想。ドイツ軍の南北での副次攻撃案は、悪くなかった。しかしたとえ北部での攻撃に成功しても、その処理はイギリス軍が任えるので、北からのアメリカ軍増援を止めるのは厳しいと思う。

効果が大きいのは、やはり南部での副次攻撃か。南部からのアメリカ軍増援は少ないし、それを今回のようにLuxemburgで食い止めると、序盤でBastogneから南をカバーする部隊が連合軍に無いため、突破の可能性が生まれるかもしれない。それとも南部のアメリカ第10機甲師団に、Luxemburgを捨てて迂回させ、Bastogneの南に向かわせる? Luxemburgは、勝利条件都市ではないが、今回の状況では、史実のBastogne並の要衝として機能したので、簡単に明け渡すのもいかがなものか。

まあ、あれこれ感想はあるが、去年最初にソロプレイした時の違和感は払拭され、「史実に寄せないバルジ戦ゲーム」としてはかなり面白いなと感じた。OCSの場合、部隊ユニットは細かく設定されているが、実際には「お膳立ては史実通りだけど、細かい展開は気にしない」ゲームだし、むしろOCS的にどうすればいいかを考えた方が良いかと。本シナリオで言えば、ドイツ軍の第6SS装甲軍戦区は、北からのアメリカ軍増援が早期に到着するため、かなり厳しいと思う。むしろそちらでの消耗は控え、第7軍戦区から南に、部隊や補給ポイントなどのリソースを集中した方が良いかもしれない(部隊のスイング含めて)。

今回も、第2装甲師団が行き詰まり、行き当たりばったり式に装甲教導師団を南進させたことから突破口が開けたが、ある意味、史実はあまり気にせず、OCS的にうまくいきそうな実存的プレイが望ましい場合もあるということで……