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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Grand Tactical Series】「The Greatest Day: Sword, Juno, and Gold Beaches」Nemesis Solo-Play AAR Part.1

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「The Greatest Day: Sword, Juno, and Gold Beaches」「Nemesis」シナリオのソロプレイを開始した。このシナリオは、1944年6月6日のノルマンディ上陸D-Day当日、ジュノー海岸に上陸したカナダ第3歩兵師団が内陸に侵攻し、ドイツ第12SS装甲師団が迎え撃つという戦闘を、6月9日夜までの4日間にわたって再現するもの。昨年、上陸初日だけプレイした「O Canada」シナリオは7日夜までなので、こちらの「Nemesis」が長期拡張版という感じだ。

ちなみにこの「O Canada」と「Nemesis」シナリオだが、Consimworldのスレで『D-Day当日にドイツ軍は全然やることがない、これはクソシナリオだ』と酷評されていたが、たしかに6月6日の日中に登場する第12SS装甲師団のユニットは、たった3ユニット(歩兵中隊1、装甲捜索大隊の装甲車2)だけだ。6月6日夜間になって、ようやく(パンツァー・マイヤー指揮の)第25SS装甲擲弾兵連隊の主力が登場するため、本格的な地上戦闘になるのは、6月7日以降となる。ただ、6月6日まる1日をプレイするだけでも結構な労力がかかるし、だったら6月7日スタートのシナリオも用意してくれと言いたくなる気持ちも分かる。自分も前回、上陸初日でプレイを中断したので、果たして6月7日以降はどんな展開になるのか、確かめるために再挑戦してみることにした。 

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6月6日0700ターン。カナダ第3歩兵師団の上陸は、順調に推移。師団に配属されたカナダ第2機甲旅団も、損耗打撃(Cohesion Hit)をいくつか喰らったものの、全中隊が無事に上陸した。

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駆けつけた第12SS装甲師団の先鋒・第11歩兵中隊は、必死に後衛部隊(Rearguard、この場合は前衛部隊か)を捻出。前衛は0ステップユニットのため、損耗打撃一発で除去されるとは言え、ドイツ軍装甲師団の前衛は、射程3の白火力(装甲ユニットにもダメージが入る)持ちなので、連合軍もおいそれとは近づけない。ドイツ軍としては、この前衛による薄い戦線で、連隊主力が来るまで時間を稼ぐ算段である。

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しかし地図盤西側の守りについた第12SS装甲捜索大隊の装甲車2ユニットは、カナダ軍戦車に呆気なく撃破され、ドイツ軍が前衛を展開する前に、両軍の争奪地点のひとつであるCreully(ヘクス71.017)をカナダ軍が占領、突破した。さらにカナダ軍先鋒の戦車隊は、Bessin(67.027)にまで達している。

それでもカナダ師団は、翌日こそ第12SSとの勝負になると見越して、あえて派兵(Dispatch)ポイントを温存し、6月6日はできる限りフォーメーション活性化は使わない方向で行動した。そのためドイツ軍前衛ユニットの射程内にもなかなか入れず、前進も鈍っているのだが、今回はそういう作戦ということで。

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一方、地図盤東側では、前回のソロプレイで放置しても構わないと感じたDoubres(51.013と52.012、双方ともに強力な歩兵と防御火点が塹壕に入り、地雷で守られているが、勝利条件にはまったく関係ない)を迂回し、後続のイギリス第51歩兵師団(紫色のユニット)に任せている。これもまた、カナダ第3歩兵師団としては無駄な浪費はしないという指針の一環である。

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6月6日夜間ターン終了時。ようやく到着したドイツ第25SS装甲擲弾兵連隊の主力は、夜陰に乗じて各地の村落に展開した。ここまで第12SS装甲師団も、前衛を捻出するぐらいしかやることがなかったため(クソシナリオと言われる由縁)、派兵ポイントも貯まりまくっている。そして翌7日の昼までにはIV号戦車5ユニットが到着し、砲兵集結地も設置できるため阻止砲撃も行えると見て、0700ターンにはマイヤー戦闘団のフォーメーションチットを投入した。

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カナダ軍も、夜陰に乗じてドイツ軍戦線の隙間に浸透。夜が明けたら、お互い射程内にいて、さてどちらが先に射撃できるかはチット次第という状況。もちろんカナダ第3歩兵師団も、翌朝0700ターンに3個歩兵連隊と第2機甲旅団のフォーメーションチットを投入している。この時点で、カナダ第3は、コマンドポイント10、派兵ポイント13を備蓄。ドイツ第12SSは、コマンド8、派兵18を備蓄……と、両師団とも作戦遂行能力は万全である。さて、この先どうなるかを確かめるためのソロプレイなので、ここからが本番。6月7日以降の展開については、Part.2にて。