Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの置き土産

【Company Scale System】CSS Rules First Impression

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今年Compass Gamesから出版されたWWII戦術作戦級シリーズCSS(Company Scale System)「Saipan」「Guam」は、もともとMMP社からGTS(Grand Tactical Series)作品として発売される予定だった(マップやユニットの画像もネット上で公開されていた)。ところがデザイナーのAdam Starkwetherが、MMPとケンカ別れしてGTSのシリーズデザイナーから下り、Compass Gamesと手を組んでCSSという新シリーズとして「Guam」「Saipan」を発売した形である。

新シリーズとは言っても、GTSCSSも1ヘクス=500m、1ターン=2時間、1ユニット=中隊規模とゲームスケールは変わらず、言うなれば兄弟システムだよなとは理解していたものの、あいにくCSSに手を出す余裕が無く、はてどこがどう違うのだろう?と気になっていた。しかし最近ようやく「Guam」のPDFルールがCompassのサイトで公開されたのでそれに目を通し、さらに日本語訳を見せていただく機会も得たので、ここらでルールブックだけを読んだ自分の印象をまとめておこう。

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先にも書いたように、GTSCSSのゲームスケールはまったく同じ。CSSのターン進行手順も、天候決定⇨活性化チットの購入⇨チット引きによってフォーメーション毎に活性化して移動や射撃を行う……と、GTSとほぼ同じだ。チットの種類も、師団活性化、フォーメーション活性化、直接活性化とGTSとまったく同じなので、大枠でのプレイ感はGTSCSSもあまり変わらないと思う。

少し違うなと感じたのは、CSSでは各師団毎に疲労レベルが導入されていること。各師団は、チットをカップに入れる毎に疲労が蓄積し、疲労レベルが上がるとチットが購入できなくなる。そしてチットをカップに入れなかったターンには、疲労レベルが回復すると。まあGTSでも、派兵(Dispatch)ポイントが減ればチットは買えなくなるし、それが師団の疲労を表していたのだろうが、CSSでは、より目に見える形で表現されている。

またGTSでは各ユニット毎に部隊練度(Troop Quality)が設定されていたが、CSSでは師団毎に部隊練度が設定され、その師団に属するユニットは一律、自分の師団の部隊練度を用いるようになっている。GTSだと、同じ師団でも練度の高いユニット、低いユニットがいて、その史実背景を知っていると『おっ、さすが第101空挺師団第506連隊E中隊(つまりバンド・オブ・ブラザーズ)は練度が高いな!』とかニヤニヤできたのだが、CSSではそういう作りになっていない。その代わりCSSでは、指揮官ユニットに練度や火力を高める能力を持たせている(GTSでは指揮範囲を定める程度の役割しかない)が、自分の好みとしてはGTS式の、各ユニット毎に個性を持たせる方が好きだ。

さらに細かい部分での違いは、高度レベルの導入(GTSでは稜線という概念)、支援火器(臨機射撃をやり過ぎると壊れる)、火力タイプの簡略化(GTSよりも少ない)、射撃結果(4段階の混乱、これは分かりやすいかもしれない)、弾幕効果(GTSの2タイプからCSSでは5タイプへ。なぜかここは細かくなっている)あたりか。戦車も支援火器扱いだが、これも個人的にはちょっと寂しい気がする。ただ、あくまで太平洋戦線では支援火器扱いであって、ヨーロッパ戦線作品では戦車の扱いも違うのかもしれない。また太平洋戦線ルールとしてバンザイ突撃や酩酊ルールもあるが、これはCSSのシリーズルールではなく、「Saipan」や「Guam」の個別ゲームルールなので割愛。

とまあ、ざっとCSSのルールを見たところ、大枠ではほとんどGTSと変わらないものの、細かい部分では簡略化が進められていると感じた。GTSユーザーは、あまり違和感なくCSSもプレイできるだろう。逆にCSSからGTSに移ると、少しディティールが細か過ぎるように感じるかもしれない。いろいろ改良点もあるし、シンプルにもなっているのだが、それでも自分はGTSの方が好みかなと(ユニット毎の部隊練度を見てニヤニヤする派なので)。 

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Compass Gamesのサイトでは、すでにCSS第3作となる「Montelimar」(1944年南仏ドラグーン作戦での戦闘)がプレオーダーに上がっており、来年には発売されるようだ。またAdam自身はこの先CSSで「1943年のNovorossiysk」「1985年のフルダ峡谷(つまり仮想第三次世界大戦モノ)」を企画しているそうで、さらには「沖縄」「Mortain(リュティッヒ作戦)」も構想中らしい。

自分も、いずれCSSに触れてみたいが、どうもまだ「Saipan」「Guam」の段階ではシリーズルールにもブレがあるようで、テーマ的にも興味深い「Motelimar」から入ってみようかなとも思っている。いずれにしろ来年のテーマだなと……