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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Operational Combat Series】「Tunisia II」Kasserine Campaign AAR Part.1

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第1(1943年2月15日)ターン開始。まず各港湾の損害チェックで、Tunis(A48.24)とSousse(A5410)が3ダメージ、Bizerte(A4431)とGabes(B4817)が2ダメージ、Bone(A1726)とSfax(B5730)が1ダメージと決定。基本的に枢軸軍の補給は海上輸送が頼みで(航空補給もあるが天候に左右される)、特にTunisは本来4SP分の物資やユニットを荷揚げできるのに、現状では1SP+2Tのみしか陸揚げできないのはかなり危うく、早急に回復したい。ちなみに港湾のダメージ回復には、HQか工兵ユニットが必要で、1ターンに1SP(補給ポイント)を消費すれば、1ダメージが軽減される。 

先攻は連合軍。いきなりイギリス第8軍登場チェックが成功してしまい、南部戦線に第8軍の先鋒・イギリス第7機甲師団が現れた。早速、第7機甲師団はマレス(マレス)線前面のMedenine(B5410)に向かい、これを守るイタリア軍を撃退。枢軸軍の飛行場も奪って、気勢を上げた。このターン、連合軍は鉄道輸送3SP+海上輸送1SP+航空輸送1SP2T+第8軍の3SP=合計8SP2Tを獲得。これが連合軍の毎ターンの基本補給量となる(天候が悪化し航空輸送が届かない場合もある)。 

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さて第1ターン裏の枢軸軍。受け取った補給は、海上輸送4SP+航空輸送2SP1T=6SP1T。しかし3月からは海上輸送が3SPに減り、連合軍の航空部隊が前進してくれば、航空輸送も妨害される可能性があり、先へ行くほど補給量は厳しくなる見込みだが、この時点ではまだ連合軍と大差は無い。

枢軸軍は早速、中部(カセリーヌ)戦線で攻勢開始。ドイツ第21装甲師団は、Sidi bou Zid(B4033)のアメリカ第1機甲師団スタックをオーバーランで奇襲し、これを除去。同じく第10装甲師団も、アメリカ第34歩兵師団スタックをオーバーランで2回撃退し、Sbeitra(A3502)まで突破した。また西方では、ドイツ第15装甲師団がアメリカ第1レンジャー大隊を除去して、Feriana(B2732)を突破している。いずれも快調な滑り出しだが、さすがに補給量が少なく、イタリア軍センタウロ戦車師団まで動かす余裕が無い。 

しかしこのまま第2(2月19日)ターン表も枢軸軍が取れば、ダブルムーヴによってさらなる大突破が……と期待されたが、なんと天候は泥濘。移動不可、戦闘不可、さっさと処理を済ませるためOCSルール2.4「同時進行ターン」を使うという、お休みターンとなってしまったのだ。ちなみに自分もこの「同時進行ターン」を使うのは初めてだった。それでも一応、航空補給以外の補給ポイントは届いているので、第3(2月22日)ターン以降の攻勢に期待がかけられた。

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そんな第3(2月22日)ターン、天候は晴天。先攻は連合軍。南部にはニュージーランド第2歩兵師団、イギリス第51歩兵師団も到着し、マレス(マレト)線への攻撃が開始された。第7機甲+ニュージーランド第2は、一級道路が通る真正面のイタリア軍トリエステ師団陣地に正面攻撃をかけた。トリエステ師団は、DL1o2という被害を喰らいながらも3ステップを殺してその場に踏みとどまったが、続く第7機甲予備スタックの第二波攻撃を受けて全滅。第7機甲師団が最初の陣地線を突破した。また枢軸軍の攻勢を受けた中部戦線では、アメリカ軍がひ弱な部隊をばらまき、枢軸軍の足止めを図っている。

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第3ターン裏。2ターン分の補給を溜めた枢軸軍は、まず第15装甲師団が3回のオーバーランでKasserine(A3101)を突破し、大目標であるTebessa(A2105)へ向かったが、途中の戦闘で偵察大隊を失い、アメリカ軍砲兵の阻止砲撃によって装甲擲弾兵も失い、戦車大隊と砲兵連隊だけになってしまった。

一方、第21装甲師団も3回のオーバーランで、アメリカ軍がばらまいたどうでもいいユニット群を蹂躙し、まさかここまでは来ないだろうと高をくくっていた移動モードのアメリカ第1歩兵師団スタックをも除去し、Sbiba(A3406)まで進出。枢軸軍は、このSbibaから北へ向かう、いわゆる小包囲ルートの方が勝算ありと見て、さらに第10装甲師団をこちらへ投入。先発していた第21装甲師団を追い抜き、山中に陣取るアメリカ第1機甲師団スタックを攻撃した。しかしKairouan(A4809)から飛んできた航空支援29爆撃力がまさかのスカ。仕方なく、相手を混乱させぬまま攻撃したところ、先鋒の戦車大隊を失うという手痛い損害を被ってしまった。 

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第4(2月26日)ターンも天候は晴れ。先攻はまたしても連合軍。南部戦線では、ニュージーランド第2師団がラ・スペツィア歩兵師団を撃退して陣地線を突破し、さらに突破フェイズに、第7機甲師団を中心とする戦車隊がわらわらと陣地線を越え、ドイツ第90軽師団をも撃退した。枢軸軍は、イタリア軍予備砲兵による阻止砲撃も加えたが、それがまったく効果が無く、かえって貴重なSPを浪費するハメに。 

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さらに連合軍は、北部戦線から引き抜いたイギリス第6機甲師団とアメリカ第1機甲師団で、ドイツ第10装甲師団を攻撃し、これを撃退。突破を得た第6機甲師団は、そのままドイツ第21装甲師団にも攻めかかったが、逆奇襲をくらい、後退している。しかしこの戦闘によって、ドイツ軍の両装甲師団が弾薬減少状態に陥るという激戦だった。この一連の戦闘だけ切り取って、1ヘクス=500m、1ターン=2時間のGTS(Grand Tactical Series)で再現したい気も……

この第6機甲師団の反撃と、南部戦線での突破戦闘から鑑みて、枢軸軍指導部は攻勢の中止を決意。攻勢中の各装甲師団は後退して弾薬の補充に努めることとなった。次の第5(3月1日)ターンからは、海上補給量も下がるため、このあたりが潮時だろう。貴重な2月ターンをまるまる1ターン、泥濘で休止させられたり、イギリス第8軍の登場も最速、ということで枢軸軍にとっては不利な展開となったが、その双方が無かったとしても、展開が大きく変わるかどうかは微妙。枢軸軍は、攻勢の「穂先」である装甲師団群は強力なものの、それを支える「柄」にあたる歩兵なり何なりが非常に少ない。むしろ「穂先」しか無い印象。また内陸までSPを運搬するのも、意外に難儀だった。まあ、連合軍の脆弱な横っ腹を一発殴って、Tunisへの進撃を遅らせる程度の効果はあったと思うが……