Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Grand Tactical Series】「Operation Mercury」 Descent into Hell Solo-Play AAR

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GTS:Operation Mercury」のシナリオ5「Descent into Hell」をソロプレイしてみた。こちらもMalemeマップ1枚のみ使用のシナリオだが、最終的には4個師団が登場するため師団ディスプレイ4枚を広げる必要があり、ルール的にも砲兵集結地が導入されるため、本格シナリオの感がある。降下するドイツ第7航空師団の狙いは、Maleme飛行場と、島の首都とも言えるCaneaへの突破である。Maleme飛行場付近には降下突撃連隊が、Caneaの西には第3降下猟兵連隊が降下する。飛行場の滑走路連続2ヘクスを確保すれば、シナリオ2日目の夕刻には第5山岳師団の2個大隊も空路到着するが、ほぼ終幕なので、ドイツ軍で実質戦うのは降下兵2個連隊か。対する連合軍は、第2ニュージーランド師団とクレタ混成守備隊(イギリス王立海兵隊含む)が展開している。

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まずドイツ軍は、Maleme飛行場周辺に航空攻撃をかけ、対空砲1を除去。降下突撃連隊は、第9中隊を降下時に失うも(敵の真っ只中に降りた)、早くも第3中隊が対空砲を潰して滑走路西端を確保した。一方、Canea西方に降りた第3降下猟兵連隊は、第1(0700)ターンに仕込んだはずのフォーメーションチットが最後に引かれたため、本格的な活動開始は0900ターン以降となった。

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その0900ターンには、降下突撃連隊第5中隊が、Maleme飛行場南の107高地に陣取るニュージーランド軍A27機関銃中隊陣地に強襲をかけ、見事この観測地点を確保した。しかし1100ターンになるとドイツ軍にも疲れが出たのか、第7航空師団チットが最後に引かれて翌ターンに持ち越され、攻勢は小休止。

これに対して連合軍はようやく反撃に着手し、1500ターンにはMNDBO(海軍根拠地機動守備隊)が、孤立していた第3降下猟兵連隊第11中隊に3度の強襲をかけてこれを除去している。しかしこのターンには、降下突撃連隊もMaleme飛行場の滑走路連続2ヘクスを確保し、第5山岳師団のお迎え準備は整った。

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この後も降下突撃連隊は前進を続け、1700ターンには対空砲中隊が英軍マチルダ戦車半個中隊を一発で撃破する殊勲もあり、飛行場の防備を固めていった。連合軍は、東から第28マオリ族大隊を呼び寄せているが、道路途中で降下突撃連隊の一部とぶつかり、飛行場には近づけていない。

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一方、Caneaの西では、両軍ともフォーメーションチットが投入できないわ、指揮ポイントが少ないわで、あまり活発な活動はみられない。まあ、どうしてもMaleme方面にリソースを優先せざるを得なかったので致し方なし。唯一気を吐いていたのが、ドイツ軍の降下工兵大隊で、強襲を重ねてギリシア軍大隊を殲滅している……と、1900ターンまで進めたところで、1500、1700ターンのドイツ軍増援を出し忘れていることに気づき、今回は味見ということもあって、ここでお開きとした。

途中までしかプレイできなかったが、ここまでに触れた中では最も面白そうなシナリオである。最後までプレイすれば、ドイツ軍がMaleme飛行場を奪えるか、そして第5山岳師団が到着するまでに連合軍が奪い返せるか、というストーリーが味わえると思う。戦場もMaleme飛行場方面と、Canea方面に分かれているので、複数プレイヤーで部隊を担当するにも良いシナリオかと。