Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Grand Tactical Series】「Operation Mercury」A Heraklion Effort Solo-Play AAR

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シナリオ1「SNAFU」に続き、シナリオ3「A Heraklion Effort」をソロプレイしてみた。こちらも空挺侵攻初日1941年5月20日の1700ターンからスタートだが、シナリオ終了は22日夜間ターンと、やや期間が長い。ドイツ軍第7航空師団第1降下猟兵連隊(と第2連隊の一部)は、やはりHeraklion港と飛行場の奪取を目的とする。こちらのシナリオも、離れて降下した部隊があるため、Heraklionハーフマップだけでは収まらないが、隔絶した部隊は第2ターンに地図盤東端から進入、とか処理しても良い気がする。

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さてゲーム開始。20日1700ターン、ドイツ軍は航空支援で運良くHeraklion周辺のギリシア軍ユニット2個を吹き飛ばした。これによって第1降下猟兵連隊第3大隊(部隊名がピンク色のバー)が、難なくHeraklion市街に突入。あわてて連合軍も、ヨーク&ランカスター連隊第2大隊(2/Y&L)を陣地から引き抜き、Heraklion市街に投入。早くもHeraklion港を巡る市街戦が勃発した。

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一方、飛行場周辺には、第1降下猟兵連隊第2大隊(部隊名がオレンジ色のバー)が降下。第2大隊第5中隊は、英軍ブラックウォッチ連隊第2大隊の迫撃砲班を強襲するチャンスを得ながらも、部隊練度チェックに失敗し、これを取り逃がした。後々この迫撃砲班がドイツ軍を執拗に阻むことになろうとは。またこちらでも、ライセスターシャー連隊第2大隊(2/Leices)が陣地を出て、降下部隊を包囲している。

続く1700ターンには、飛行場近くの英軍対空砲がダイス0射撃(最良)で、第2降下猟兵大隊第7中隊を半殺しにし(1ステップロス)、英軍234砲兵中隊も阻止砲撃を開始した。

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早くも日が暮れ、20日夜間ターンとなる。ドイツ軍は、翌0700ターンに第1連隊第3大隊、第2連隊第2大隊のフォーメーションチットを仕込み、連合軍も2/Y&L大隊のチットを0700ターンに投入した。

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夜が明けて21日0700ターン。いきなり降下猟兵連隊の迫撃砲が、ダイス0射撃を連発し、英軍234砲兵中隊を除去。しかし連合軍も、軽迫撃砲火力(紫色)による無償射撃を連発し、1100ターンまでに包囲した第2降下猟兵大隊第6中隊と軽対空砲を除去した。さらに対空砲で半殺しにされていた第7中隊に対し、英軍ブラックウォッチ連隊D中隊が陣地を飛び出して強襲をかけ、これも除去。早くも午前中の段階で、第2降下猟兵大隊は、その戦力の大半を失うこととなった。しかし飛行場東の戦線には、離れて降下していた第1降下猟兵連隊第1大隊が到着。第2大隊と入れ替わる形で前線へ出るや、第7中隊の仇とばかりに、ブラックウォッチ連隊D中隊に強襲をかけ、これを除去した。

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一方、Heraklion市街では、第1降下猟兵連隊第3大隊と、2/Y&L大隊ががっぷり四つに組んで射撃戦を展開。一応、連合軍は、ギリシア軍+イギリス軍というスタックで市街ヘクスを守っているが、ドイツ軍はまず脆弱なギリシア軍から狙い撃ってこれを除去し、イギリス軍を孤立させる構え。対して連合軍も、歩兵化された第7中砲兵連隊のユニットを市街へ増派し、防衛線を厚くしている。

午後になり、1300、1500、1700ターンと経過していくが、一進一退の攻防が続く。両軍とも派遣ポイントが溜まらないため、効率的に攻撃できるフォーメーションチットが得られないのだ。ドイツ軍に至っては、1500ターンに強襲のための部隊練度チェックに4回失敗する(そして指揮ポイント4を浪費する)など、疲れが見えてきている。結局、睨み合いのまま、21日夜間ターンとなり、両軍は再び翌0700ターンにフォーメーションチットを仕込んで攻勢を待った。

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明けて22日0700ターン。連合軍は、旅団チットと直接指揮チットの連発からスタートし、攻勢に出るであろう(そして実際にフォーメーションチットをこのターンに投入していた)第1降下猟兵連隊第1大隊に迫撃砲を撃ち込み、その出鼻を挫いた。だが結局0700ターンに第1大隊のフォーメーションチットは出ず、すべての弾幕マーカーが撤去された直後の翌1100ターンの最初にそのチットが活性化され、第1大隊はこの時を待っていたとばかりに強襲をかけ、英軍戦線を食い破った。

またこの前進から逃れようとしたブラックウォッチ大隊の迫撃砲班が、臨機射撃を誘発して、あえなく除去。一方、Heraklion方面でも1300ターンに、市外から阻止弾幕を撃ち込んでいた迫撃砲班が、強襲をくらって除去され、遂に阻止弾幕を撃てるユニットをすべて失った連合軍は、急速に弱体化していった。

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ドイツ軍はとどめとばかりに、1500、1700ターンに大隊フォーメーションチットを複数仕込んで攻勢をかけた。特にHeraklion市内では、連合軍が立て籠もる1ヘクス毎に火力を集中して防御スタックを弱体化させ強襲で潰す、の繰り返しで、ようやく残るはHeraklion港ヘクスのみとなった。

連合軍は、次々に大隊が全滅していたが、最後に残った2/Leices大隊チットを1900ターンに投入し、果敢に反撃。飛行場に迫る第1降下猟兵大隊第1中隊を除去し、後方の迫撃砲中隊にも攻めかかろうとしたが、強襲の部隊練度チェックに失敗してしまった。

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結局、最終夜間ターンに、ドイツ軍がHeraklion港を占領。しかし滑走路連続2ヘクスの確保はならず、連合軍勝利となった。もっとも損害は連合軍の方が断然多く、このまま続ければ、飛行場の確保も危ういと思われる。また今回すっかり忘れていたが、両軍とも後衛ユニットが捻出できるので、それも使った方が良かったかもしれない。もっとも後衛を捻出する時間があるかは微妙だが。英軍の紫火力(師団チット第1活性化での射撃が可能)は、歩兵相手ならかなり使える能力で、なるべく相手にベタ付けして射撃しまくりたいが、そうするには陣地を捨てる必要があり、どちらを取るかは悩ましいかも。

総じて、先のRethymnonシナリオより面白く感じたので、もう一回プレイするなら、こちらを選ぶと思う。まあ、次はMalemeシナリオに進むとしよう……