読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの置き土産

【Battalion Combat Series】BCS Rules v1.1 First Impression part.2

MMP BCS Baptism by Fire MMP BCS Last Blitzkrieg

f:id:crystal0207:20170218094722j:plain

MMP/The Gamersの新WWII大隊作戦級シリーズ、BCS(Battalion Combat Series)ルールv1.1の第一印象・その2。今回はユニットの能力値(特に攻撃能力)を中心に、戦闘ルール周辺を眺めてみたい。

まずユニット右側に記された数値は、移動力(MA)。赤い移動力は戦術移動(敵ZOCから敵ZOCへ移動可)、白い移動力は徒歩移動(敵ZOCで停止)、黒い移動力はトラック移動(射撃戦ゾーンで停止)。ユニット中央に記された数値は、そのユニットの質を表すアクションレーティング(AR:5が最良)。ARが黄色い〇で囲まれている場合は、補充による再建不可。ARの下(ユニット中央下)の数値は、射程。このあたりは、先輩格OCSと相通じる部分なので、OCSプレイヤーの自分にとっては理解しやすい。

問題は、ユニット左側の攻撃能力だ。白い矢印⇧は「通常攻撃(Regular Attack)」能力を表している。「通常攻撃」とは、⇧ユニットによる攻撃で、歩兵攻撃を表していると思えばいい。「通常攻撃」では、攻防ユニット双方のAR差を基にして結果を出すため、ARがそのまま戦闘力になった印象だ。1回の攻撃では(攻防どちらかが)最大2ステップロスを被る。ユニット左上の▢で囲まれた数値が保有ステップ数であり、そのユニットの打たれ強さを表している。

そしてユニット左側の数値は、Armor Value(AV)。直訳すると装甲値であり、色によって種別が異なるが、実際にAVが表現しているのは、そのユニットの射撃能力だ。赤いAV(Red AV)はその数値で射撃を行え、中抜きで書かれたLimited AVは自ら射撃する場合に数値が1落ちる。上の画像で言えば、中抜きAVは、III号突撃砲ヘッツァー、V号ヤークトパンター等、防御向けの戦闘車両を装備している。他にもSupport AV(M10駆逐戦車など、同じフォーメーションの歩兵ユニットに分割配備できる)や、Standoff AV(88mm砲など、分割配置できるうえに、射撃戦ゾーンを形成する)といった射撃能力の差異を表している。またIV号突撃砲ブルムベアやVI号突撃砲シュトゥルムティーガーは、AVを持たない(イメージとしては歩兵)ユニットに対して優位を得るBreakthrough AVであり、第2弾「Baptism by Fire」からは小火器のみを装備したLight AVも登場するようだ(BCSv1.1で追加)。

f:id:crystal0207:20170218101854j:plain

だったらこのAVとかいう数値、素直にFire Rating(射撃値)にしてくれ!と思った。実際、Armor Value=装甲値とクソマジメに訳すと、日本語文として理解しにくくなるので、My翻訳ルールでは、Red AV=攻勢射撃値、Limited AV=防勢射撃値、Support AV=支援射撃値、Standoff AV=遠距離射撃値、Breakthrough AV=突破射撃値、LIght AV=小火器射撃値にしてしまった。

基本的にこのBCSのルールには、そういった作り手側の「あえてひねった言葉を選ぶナルシシズムが満ちている。もちろん、ひねった言葉を選ぶ遊び心はあっていいし、新たな知見も得られることもあり、自分も好きだ。しかし枝葉のルールならともかく、根っこや幹にまで、そのひねった感覚が蔓延しており、ルールの根幹が分かりにくくなっているのなら失敗だと思う。「AVってなに?」「えーと、これは装甲値だけど射撃能力を表していて……」と、根本部分を説明する必要を生み出してどうする。とりあえずこのBlogでは、そういったナルシシズムを無視し、理解しやすい訳語を勝手にあてはめていくので以後よろしく。『シン・ゴジラ』風に言うなら「お前は好きにやった。俺も好きにする」である。

で、射撃値(AV)を持つユニットが、同じく射撃値(AV)を持つユニットを射撃する場合、Engagementとなる。これもクソマジメに訳せば、会敵や参戦、なのだろうが、要するに「射撃戦」である。また、射撃値を持つユニットが射撃値を持たないユニットを「射撃」する場合はAttack by Fire=直接射撃」となり、射撃値を持たないユニットを「攻撃」する場合はShock Attack=急襲攻撃」となり、処理が異なる。またアメリカ軍の戦闘団(Combat Command)に代表されるように、⇧と射撃値(AV)を両方持っている複合兵科(Dual)ユニットもあり、部隊編成の柔軟性も表現されている。

つまり射撃できるかできないか、相手も射撃値を持っているかいないかで、戦闘は「通常攻撃(Regular Attack)」「急襲攻撃(Shock Attack)」「射撃戦(Engagement)」「直接射撃(Attack by Fire)」の4つに分類され、各ユニットも、そのうちどの攻撃パターンが取れるか、分類されているわけだ。(さらに「偵察(Recon)」も攻撃回数を消費するが、実際には攻撃ではない)

とりあえず、BCSv1.1の戦闘がどのように表現されるかは、part.3にて。