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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの置き土産

【戦国群雄伝】「関八州古戦録」天正壬午の乱 Solo-Play AAR

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今年は久しぶりに大河ドラマを初回から見続けている。「真田丸」も先日の放送で天正壬午(じんご)の乱が終わったが、この戦いを扱ったウォーゲームはプレイしたことが無い。しかしよくよく考えてみると、2007年に購入した戦国群雄伝シリーズ「関東制圧」の同人エキスパンション「関八州古戦録」に天正壬午の乱シナリオがあったのだ。カウンターも購入直後に作ってあるし、ちょうど良い機会なのでソロプレイしてみることにした。

※以下、武将名の後に能力レーティングを表記。★★★と★★=総大将。★=大将。能力値は戦力・野戦修正・行動力。野戦修正は最高4。行動力も最高4。

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シナリオは、天正十年六月第三週ターン、北条氏直(★★★323)が滝川一益(★★234)を襲った神流川の合戦から強制的にスタートする。北条軍は総勢5万2千(52ユニット、122戦力)、滝川軍は1万8千(18ユニット、36戦力)と一方的だが、ある意味、儀式的な幕開けなので気にする必要も無い。

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合戦の結果、滝川軍はすべてステップロスして敗北。碓氷峠を越えて信濃に逃げ込み、この後、盤端から退場していった。北条軍は、わずか6ステップロスに留まり、部隊を分散させて厩橋、箕輪、松井田、国峰といった滝川方の城を奪取。そのまま信濃へなだれ込んだ。

信濃には真田昌幸(★344)2千(2ユニット、6戦力)がいるが、これはまだ中立。攻め寄せる北条軍にも「どうぞどうぞ」とばかりに刃向かいはしない。しかし待てそれは昌幸の罠だ。真田は、七月第二週以降、反北条方が望むターンから反北条方として行動できる。だったら先に潰してしまえ、とも思うのだが、今回は信濃に守備隊を残して真田に備えることにする。

北条方の勝利条件は、十月第一週ターンまでに甲斐の城をすべて奪取するか、ユニット除去や城獲得による得点で反北条方を上回ればいい。史実の北条軍はこの後、北信濃へ向かって上杉景勝(★★333)軍と対峙したが、わざわざそれをやる必要はない。基本的に上杉軍1万8千(18ユニット、54戦力)は越後・春日山城に留まっており、北条方が上野・信濃に守備隊を10ユニット残しておかなかった場合、反北条方として南下してくる。そのため5万2千あった北条軍は、上野に1万(10ユニット)を残し、4万2千の軍勢として信濃に入っている。

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北条軍は、徳川方に降った旧武田家臣・依田信蕃(★334)の小諸城を攻略。依田ユニット自身は徳川方と合流するため城を捨て、高遠城から来た徳川軍・酒井忠次(★334)と共に甲斐へ入った。北条軍は、大軍にモノを言わせて小諸城を落としつつ、総大将・氏直自身早くも甲斐に進入。また七月第一週ターンから行動を開始した徳川家康(★★344)も、遠江から甲斐・新府城へ到着している。

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北条・徳川両軍は史実通り、新府への入り口、若神子城で対峙。実際には正面決戦を避け、小競り合いで終わったようだが、今回は北条軍にまともに決戦を挑ませてみた。

ということで七月第三週ターン、第二ステージ、若神子合戦の火蓋が切って落とされた。北条軍3万1千(信濃にも守備隊を残してきたため31ユニット、79戦力)、徳川軍1万7千(17ユニット、51戦力)と、兵力的には北条軍有利だが、野戦修正は氏直2、家康4のため、ダイス修正的には徳川軍有利である。

しかし5ラウンドに及んだ合戦の結果、徳川軍敗北。本多正信を含む6ユニットが討ち死にし、新府へ敗走することとなった。だが北条軍も、31ユニット中29ユニットまでステップロスされ、満身創痍。首の皮一枚残しての辛勝である。北条軍は、とりあえず若神子城へ前進してこれを落とし、失ったステップの補充に努めることとなった。

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と、翌七月第四週ターン、ここぞとばかりに表裏卑怯な真田昌幸が反北条方として行動開始。あえて負けた徳川方につき、恩を売る気か。北条氏房(★313)六千(6ユニット、13戦力)が守る小諸城へ攻めかかった。わずか2ユニットの真田隊だが、野戦修正差は±3。この差が恐ろしいほどモノを言い、氏房隊はあれよあれよと言う間にステップロスし、逆に真田隊への反撃はまったく当たりもしない。上野=信濃間の補給ルートを塞がれては、甲斐の北条軍主力が補給切れになってしまう。あわてて内藤綱秀(★323)が甲斐から引き返してくるが、彼もまだ合戦後の補充が間に合っていない状況である。

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北条氏房も城に居るうちに補充を……と思ったが、なかなかステップが回復しない。とうとう真田昌幸は、内藤隊を蹴散らし、さらには氏房隊を上野まで追い払ってしまった。これにより「信濃に北条方の守備隊10ユニット」という条件が崩れてしまい、春日山の上杉勢が行動開始。たぶん真田昌幸から「信濃を守るためにお力添えを……」とか何とか頼まれて丸め込まれたのだろう。上杉景勝は、真田昌幸と合流すべく信濃へ南下し始めた(真田隊は6戦力しかないため、レベル1の小諸城が奪えない=城攻めには最低でも城レベル✕10戦力が必要)。

一方、甲斐では徳川軍が高い行動力を活かし、全戦力を回復。いまだ若神子城にて回復を続ける北条軍主力に対し、二度目の合戦を挑んだ。

八月第二週ターン、第三ステージ、第二次若神子合戦は、徳川軍1万1千(11ユニット、33戦力)、北条軍2万7千(27ユニット、57戦力)で始まった。今回も兵力的には北条軍有利だが、北条軍の半数はいまだステップロスしたままである。これが響いて、4ラウンドの合戦後、北条軍が敗北。4ユニットを失って若神子から撤退していった。徳川軍も裏返らなかったユニットは2個だけであり、今回は徳川軍が首の皮一枚で勝った形である。

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これを見た真田昌幸は、小諸城・平原城の攻略を上杉軍に任せ、北条軍主力の連絡線を断つ位置に進出。退却中の北条軍にしてみれば「げげーっ、孔明真田!」というところか。翌八月第三週ターン、連絡切れにより、北条軍主力はそれぞれ士気が1ずつ落ち、すでに合戦による退却で最低士気の-4まで落ちていた北条綱成隊6千が全滅、除去された。戦わずして相手の兵力を削ぐとは、さすが真田、やり方が汚い(笑)。北条軍は、北に上杉・真田、南に徳川に挟まれ、万事休す。ソロプレイもここで終わりとした。

真田丸 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)

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感想。北条・徳川の戦力差が絶妙で面白いシナリオだった。北条軍が甲斐に持って行ける兵力は3万程度。これを徳川軍が全力で迎え撃つと、どちらが勝ってもおかしくないバランスになっている。だったら北条軍は、わざわざ上野=信濃経由ではなく、いったん小田原に戻り、駿河の徳川方の城を落として連絡線を繋ぎ、甲斐に入ればいいじゃないか、と思われるかもしれないが、そこは特別ルール。駿河へ侵攻してしまうと、徳川方10ユニットが追加で出てきてしまう。しかも「上野・信濃に北条方の守備隊10ユニットが無い」なら、越後から上杉軍も出てくるわけで、如何ともしがたい。相模から山中に連絡線を繋いで直接、甲斐・岩殿山へ向かうルートもあるが、うーん……

今回は真田の嫌らしさも光ったが、やはり北条軍はこれを先に潰すべきか。しかし真田隊が3レベルの上田城に籠もれば、城攻めに30戦力は必要になる。強襲すれば真田昌幸にがつがつとダメージを喰らうし、地道に包囲するしかない。仮に上田城が落とせたとしても、その後で甲斐まで奪える時間があるかどうか。対する反北条方は、総大将同士の合戦は避け、有能な武将(真田昌幸酒井忠次あたり)による野戦で北条の兵力をちくちく削ぐ方が良いのか。もしまたプレイする機会があるなら、そういったアプローチで挑戦してみたい。

しかし大河ドラマでも描かれたが、北条が信濃に入った時は北条につき、北条が甲斐に入った後で徳川につく、という真田の身の振り方は、このシナリオでも良いタイミングだなあと。結局、徳川・北条は和睦してしまうが、天正壬午の乱だけを切り取るなら、その身の処し方も正しいと思えてしまった。うん。