Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Grand Tactical Series】「The Devil's Cauldron」 A Bridge too Far AAR

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昨日は、Karter氏と2015年最後の自宅ゲーム会。来年もGTSを遊ぼうということで、久しぶりに「The Devil's Cauldron」の「A Bridge too Far」シナリオを対戦した。GTSはあれこれ遊んでいたものの「TDC」に触れるのは2012年3月以来である。

今回はKarter氏がドイツ軍を担当。ナイメーヘンから出撃したイギリス第43歩兵師団第214歩兵旅団サマセット軽歩兵大隊を迎え撃つべく、第10SS装甲師団クナウスト戦闘団の戦車隊を前のめりに配置してきた。時間の都合で3ターンしかプレイできなかったため、オーステルハウト近郊での戦闘のみ記しておく(ポーランド空挺旅団vs第9SS装甲師団の戦区にはほとんど動きが無かった)。

まず第1ターン(1944年9月22日0900時ターン)、サマセット軽歩兵大隊の露払いを務める装甲車中隊がオーステルハウトに立て籠もるSS守備隊へ発砲。これがラッキーヒットとなり、一撃で最初の陣地を吹き飛ばした。しかしダイス目が良かったのはこの時だけで、第43歩兵師団はチットを購入するDispatchポイントが減るアクシデント(ダイス目9)を出す始末。早くも師団運営に暗雲が漂う……

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第2ターン(1100時ターン)。ドイツ軍クナウスト戦闘団のIV号・III号戦車中隊が果樹園に隠れながら前進。イギリス軍のM4シャーマン戦車中隊と撃ち合うも、お互いなかなか決定打が出なかった。クナウスト戦闘団は、後方のネーヴェルベルファー・ロケット砲中隊などと連絡をつけ、阻止砲撃を放つも、連絡途絶(砲撃ダイス目9で発生)も頻発。一方の第43歩兵師団も、わざわざ師団砲兵チットを投入したにもかかわらず、真っ先に来て欲しかったのに、最後の最後にカップから引かれるという運の無さ。

それでもサマセット軽歩兵大隊は、オーステルハウトで二つ目の防御陣地を強襲してこれを粉砕。M4シャーマンと17ポンド砲?半個中隊で、どうにかクナウスト戦車隊を食い止め、善戦していた。

しかし第10SS装甲師団も、2ターン連続してDispatchポイントを2ずつ増し、余裕でクナウスト戦闘団チットを投入してきた。

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第3ターン(1300時ターン)。このターンは、ドイツ軍直接命令チットから始まり、Commandポイントを使い切る形で終わったものの、すぐさま第10SS装甲師団チットが来てCommandポイントが補充され、さらにまたクナウスト戦闘団チットが引かれるという、 怒濤のドイツ軍3連続活性化、鬼のような猛攻で始まった。

クナウスト戦闘団はこの機に、温存していたティーガーI中隊を前線に投入。頑丈な装甲値-4を頼りに平野に飛び出し、M4シャーマン中隊を狙い撃ち、がしがしとダメージを与えていく。続けてIV号戦車中隊がM4シャーマン中隊に強襲をかけたが、一発も当たらずあえなく敗退。IV号戦車中隊は、連続活性化を活かして再度強襲をかけたが、ここでも一発も当たらず、むしろステップロスに追い込まれて敗退した。粘るM4シャーマン中隊に対し、ドイツ軍はネーヴェルヴェルファー・ロケット砲を撃ち込み、ようやくこれを全滅させたが、むしろ1ユニットでこれだけの戦力を引きつけたM4シャーマン中隊こそ善戦したと言うべきか。

一応サマセット軽歩兵大隊は、オーステルハウト最後の陣地を潰して、街を制圧したが、支援のM4シャーマン中隊を失い、かなりのピンチである。後方に増援のコーンウォール歩兵大隊も来ているが、そちらにも戦車は無し。第4ターン(1500時ターン)になれば、M4シャーマン中隊✕2、M3スチュアート中隊✕1が来てくれるのだが……というあたりで時間切れ、プレイ終了となった。

このシナリオは何回かプレイしたが、今回のようにドイツ軍戦車が前のめりに来たのは初めてだった。もしかするとドイツ軍としてはコレが正解なのかもしれない。序盤のイギリス軍には戦車が少ないため、優位に戦闘を進められると思う。

今回、ドイツ軍はチットの流れこそ良かったものの、ダイス目にはずいぶん祟られていたと思う。かなりの通信途絶が起きていたし、IV号戦車の強襲2回失敗(射撃ダイス12回が失敗)も、イギリス軍にとっては僥倖だった。そういうプレイの振れ幅もまたGTSの魅力だと思う。