読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの置き土産

【Grand Operational Simulation Series】「Hurtgen:Hell's Forest」October Scenario Set-Up

f:id:crystal0207:20150706103351j:plain

一年ぶりにGOSSに再挑戦。実は前々から本格シナリオ(軍単位の兵站管理ルール込み)に挑戦しようと思い「Wacht am Rhein 2012」の第6装甲軍シナリオを何度かセットアップしていたが、ユニット密度が高く、その都度挫折していた。

そこで今回は目先を変えて「Hurtgen:Hell's Forest」の10月シナリオを選択。マップ2枚と範囲は広いが、実際に使うのはローエル川西岸が中心なので、実質マップ1枚と言えなくもない。バルジ戦よりユニット密度も低く、地形も平坦な部分が多いため、なんとかなるかもしれないと云う淡い期待を抱いて配置を始めたが、実際にセットアップし終わるまでに3日以上かかってしまった。いやそれだけ配置が楽しかったとも言える。

本シナリオが扱う期間は、1944年10月2日~10月20日。いよいよドイツ本土に攻め込んだ連合軍が最初の大都市アーヘンに対して包囲戦を行うも、ドイツ軍も果敢に反撃を行った、という時期である。またアーヘン南東に位置するヒュルトゲンの森に対してもアメリカ軍が攻撃を行って手痛い損失を被っており、双方の戦闘が包括できるシナリオとして選んでみた。

ちなみに昨年発売されたGOSS第3作「The Atlantic Wall」で基本ルールが改定されたが、あいにく未購入なので、今回はそれ以前のルールを用いた。一応、ネット上には新しい基本ルールも上がっていたが、あまりに量が多く、どこを変えたのかもよく分からないため、現時点ではスルーしておく。

f:id:crystal0207:20150706103434j:plain

まず地図北部・アメリカ第19軍団vsドイツ第81軍団戦区から。シナリオ開始日である1944年10月2日は、アメリカ第30歩兵師団がアーヘン北方から攻撃を開始した日である。第30歩兵師団の各歩兵大隊は攻撃練度7・防御練度8(最高が9)で揃えられ、なかなか悪くない。その後方に控える突破部隊、アメリカ第2機甲師団も攻撃練度8を誇り、まずはこの2個師団が戦いの火蓋を切る役目となっている。また支援の砲兵ユニットも十分にあるが、問題はこの時期のアメリカ第1軍の弾薬状況が最悪だったらしく、効果的な支援砲撃がどれだけ行えるかは疑問符が付く。

これを迎え撃つのは、西方防壁に籠もるドイツ第49歩兵師団である。しかしその兵力は前線を埋めるだけで精一杯で、軍直轄の工兵大隊が予備陣地を確保している。ドイツ第7軍全体として見ても、まとまった装甲予備は無く、かろうじてIII号突撃砲2個大隊、VI号戦車1個中隊、VI号駆逐戦車1個中隊、V号パンター2個中隊、VI号ティーガー1個中隊(第301重戦車大隊所属)、VI号ケーニッヒスティーガー2個中隊(第506重戦車大隊所属)がある程度である。できればこれらは、増援として登場する第116装甲師団、第3装甲擲弾兵師団と共に反撃に用いたいが、果たしてそこまで前線に投入せずに済むものかどうか……

またさらにこの北方では、アメリカ第29歩兵師団、イギリス第43歩兵師団がドイツ第183国民擲弾兵師団と睨み合っているが、あくまで脇役。

f:id:crystal0207:20150706103451j:plain

こちらが戦闘の焦点アーヘン市とその南部。アメリカ第7軍団戦区。アーヘン市内に立て籠もるのは、ドイツ第246国民擲弾兵師団であり、その側面を守るようにドイツ第12歩兵師団が布陣している。地図に描かれた赤い帯が西方防壁を表しており、その効果は戦闘比を防御側優位に3シフトするというもの。「2」と書かれた塹壕マーカーも、同様に防御側優位に2シフトするため、これがドイツ軍防御の頼みの綱となる。

このアーヘン南部に位置するアメリカ軍は、歴戦の第1歩兵師団と第3機甲師団。いずれも攻撃練度・防御練度8を誇るが、アメリカ第7軍団所属のこれらの部隊は10月8日ターン(シナリオ開始から7日目)にならないと攻撃が許可されない。

一応史実では、北部から攻めた第30歩兵師団と、南部から攻めた第1歩兵師団がアーヘン東部で合流し、この地を包囲している。当然、堅固な西方防壁を突破しなければならないため、各歩兵大隊スタックには可能な限り工兵中隊を付随させてある。工兵が1中隊(=1ステップ)でも入っていれば、その攻撃スタックは西方防壁や塹壕が持つ防御シフトを1帳消しに出来る。工兵を含む2スタックで攻撃すれば2シフトが帳消しとなる。貴重なのだ、工兵支援は。

f:id:crystal0207:20150706103511j:plain

そして南部。ヒュルトゲンの森では、アメリカ第9歩兵師団とドイツ第74軍団(第89歩兵師団、第275国民擲弾兵師団)が対峙している。この辺り、森林ヘクスの防御効果よりも、拘束地形の影響が大きそうだ。GOSSのスタック上限は「1ヘクスに3個ユニットまで、ただし大隊ユニットは2個まで」が基本となっている。しかし険しい地形を表す拘束地形では「スタック上限2個、大隊ユニットは1個まで」となっている。当然、1ヘクスに集められる戦闘力も限られるため、攻撃の効率も上がらないと思われる。まあ、あくまでこちらは助攻なので致し方なし。

また史実で有名なアメリカ第28歩兵師団によるヒュルトゲン攻撃(と壊滅)は、この後、11月に行われているため、本シナリオ期間では扱わない。

f:id:crystal0207:20150706151620j:plain

地図上部のターントラックには、両軍の増援部隊が配置されている。特に10月10日ターンから登場するドイツ第116装甲師団、10月14日ターンから登場するドイツ第3装甲擲弾兵師団の存在が大きい。もっとも第116装甲師団が有する装甲ユニットは、V号パンター2個中隊、VI号駆逐戦車1個中隊だけであり、装甲師団とは名ばかりである。他にも第108装甲旅団の戦闘団、第1SS装甲師団の装甲擲弾兵2個大隊あたりが頼もしい。

カップに入っているのは、両軍のランダム増援部隊である。双方共に軍直轄部隊ばかりだが、この選別が非常に面倒だった。とにかくルールの書き方が難解で、正直この辺りは間違って選別している可能性もあると思っている。

そもそもユニットに配置・登場情報が書いていないうえ、どのシナリオにどのユニットが出てくるのかという情報もおおざっぱなのだ。「ユニットを×個選べ」という個数も、シナリオブックの箇所によって違ったりする。第301重戦車大隊のティーガー中隊ユニットもなかなか見つからず、おかしいと思ったら独立ユニットではなく、第9装甲師団所属のユニットになっていた。そんなこんなでユニットの選別に一日半かかったが、本作をプレイするにはそういう気概と余裕も必要かもしれない。

f:id:crystal0207:20150706151814j:plain

こちらはアメリカ第1軍の軍管理シート。戦術ディティールを細かく盛り込んだGOSSだが、本格シナリオでは軍単位で燃料と弾薬を管理する。各軍はそれぞれ輸送車両を示す「トラックポイント」を持ち、これを弾薬運搬・燃料運搬・ユニットの自動車化に割り振って運用する。弾薬と燃料、より必要な方にトラックを回して、その流入量を調節できるのだ。

両軍が砲撃を行う際には、弾薬枯渇判定を行う。本シナリオでの弾薬枯渇値は、ドイツ第7軍が「5」、アメリカ第1軍が「3」。10面体ダイスを1個振って、この値以上が出ると、その差分の個数の砲兵ユニットが弾薬枯渇となり、砲撃ができなくなる。弾薬ポイントを消費すれば、再補給は可能だが、補給状況の悪いアメリカ第1軍は砲撃一発で枯渇値を上回りそうだ。しかし弾薬運搬にトラックポイントをより多く回せば、弾薬枯渇値も改善される可能性がある。

燃料は、司令部や機械化フォーメーションを動かすのに必要だが「満タン(Normal)」「ガス欠(Low)」の2段階が選べる。ドイツ装甲師団なら補給ポイント2で満タン、補給ポイント1ならガス欠でも動かせる。一番燃料を食うアメリカ第2・第3機甲師団は、補給ポイント3.5を払わないと満タンにできない。1.5ポイントでもガス欠である。この燃料ポイント量を基準に10面体ダイスを振って、そのターン実際に動ける移動力が決定される。

 

とまあ、GOSSも本格シナリオになると軍単位の運用面も加味されるため、元々高かった敷居がよりいっそう高くなる。ただユニットは多いものの、序盤に攻撃できるのはアメリカ第19軍団だけなので、そこのみ動かして記録しておくだけでも良いかなと思っている。滅多にプレイされず、日本語でのプレイ記録も滅多に見かけないゲームこそ、記事を残しておく必要があるだろう。たとえ国内でプレイしている人数が1人か2人だけだとしてもだ。