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Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの置き土産

GMT「France'40」Sickle Cut Solo-Play AAR

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一年以上前に購入した「France'40」のソロプレイにようやく着手した。と言うのも今春再版される「Ukraine'43 2nd Edition」が、本作や「Normandy'44」のシステムを基本としているそうで、そちらを遊ぶ前に「France'40」にも触れておかねば……と思い立った次第。

しかし実際「France'40」と「Normandy'44」のルールを読み比べてみると、確かにZOCボンドや断固とした防御など共通している部分は多いものの、細かな差異もあるため同一システムとまでは呼べないかと。「France'40」特有のルールとしては、移動中に戦闘比10:1が成立すれば防御ユニットを自動撃破できたり、戦闘後前進時に前進ヘクス数を犠牲にして戦闘が行えるなど、いかにも電撃戦らしい味付けが為されている。

今回は、1940年5月13日ターンに始まる「Sickle Cut」シナリオを選択。すでにドイツ軍の西方攻勢は開始3日目となり、装甲師団群はムーズ河へ到着……という時点からのスタートとなる。西方電撃戦のクライマックス部分だけを切り取ったワケだが、結局ドイツ軍プレイヤーがやりたいのはここだろう。もっとも本作の連合軍は、反撃も十分成し得る戦力で、特に重戦車装備のフランス機甲師団(DCR)は、ドイツ装甲師団に対してすら有利な戦力比シフトが得られ、なおかつその反撃を後押しできる司令部の存在もあり、油断がならない。しかしこのスリルが無いと、ドイツ軍がリスクを感じず一方的に突破するゲームになるため、連合軍プレイヤーにとっても一矢報いるチャンスがあるのも好ましいと思う。

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さてソロプレイ開始。第1ターンのムーズ渡河戦闘は、ルールブックのプレイ例にある通りにやってみた。つまりグデーリアン麾下の装甲3個師団に航空支援3個をぶちこみ、戦闘比6:1でセダン(ヘクス5518)から突破するというものである。しかしこの6:1攻撃で、早くも第1装甲師団戦車ユニットがステップロス(損害は相手側が決められるDRXを被った)。続く戦闘でもさらなる損害を被り、第2ターン終了時には早くも第1装甲師団戦車ユニットが除去された。

しかも第2ターン、第3ターンの連合軍増援(カップからランダムに引いてくる)がすべて地図盤南端から現れ、グデーリアンの進路を塞ぐように防衛線を展開した。ドイツ軍にもヘクス5122~5419間の運河をさっさと渡らなかったミスがあり、後続の歩兵師団が追いつくまで苦戦を強いられた。

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一方、デザイナーズノートでは「あくまで陽動」と称されていた北方の第3、第4装甲師団は、フランス軍戦車ユニットを蹴散らし、ディール要塞線へ突入。これを力尽くでこじ開け、突破を図った。

またロンメル麾下の第7装甲師団は、一時全軍の先頭に立つほどの進撃っぷり。相方である第5装甲師団が、フランス第1機甲師団の反撃をくらって後退したため、単騎突出した形となったが、戦闘後前進時での蹂躙を駆使して、いかにも電撃戦的な活躍を見せた。(ちなみにロンメルユニットは、攻撃などのダイス振り直しOKというヒロイックな扱い)

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その後、ドイツ軍は戦線中央から第6、第8装甲師団も突出させ、第5ターンにはサン・カンタン(3315)を狙う位置まで前進した。しかし装甲師団群の消耗は激しく、南部にはドゴール将軍麾下のフランス第4機甲師団(GQG妨害マーカーの影響を受けない)も到着しており、反撃をくらうリスクも増しつつある。

一方、ロンメル麾下の第7装甲師団カンブレー(3210)に迫り、ナミュール(5304)に籠もったベルギー軍は包囲の危機に……というあたりで、初回ソロプレイはここまでとした。

 

とりあえず初回のソロプレイとしては、好感触。西方電撃戦のゲームはあまりプレイしたことが無いが、これだけあれば良いと思える満足度である。

6:1攻撃でも被害を被る可能性があり、しかも相手が損害を選べる場合もあるので、ドイツ軍としては虎の子の戦車ユニットを問答無用に削られてしまうと意気消沈するかもしれない。しかしそのリスクがあるからこそ、史実同様、突破を躊躇するのだからシミュレーション・ウォーゲームとしては正解だと思う。

またドイツ軍装甲師団の状況ばかり書いたが、突破後の戦線を維持する歩兵師団の運用にも気を遣った。ドイツ軍歩兵には、連合軍ユニットをZOCで拘束して、装甲師団の突破に対処させなくするという役目もあるだろうし、どこにどれだけ送り込むかも楽しく悩まされた。

概して他のシモニッチ作同様、戦いの様々な要素(航空支援、上級司令部の介入等)も簡単に再現されているのが嬉しい。いずれ対戦プレイもしてみたい。

電撃戦という幻〈上〉

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電撃戦という幻〈下〉

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