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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの置き土産

【Grand Operational Simulation Series】Decision Games「Wacht am Rhein 2012」

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WWIIバルジ戦ビッグゲーム「Wacht am Rhein 2012」を購入した。「Wacht am Rhein」の初版はSPIから1977年に発売され、Decision Gamesからも2005年版がすでに発売されている。しかし今回の2012年版は、単なる2005年版の再版ではなく、基本ルールはGOSS(Grand Operational Simulation Series)と云う共通シリーズ・ルールになり、ユニットの能力表記もすべて一新されているため、2005年版とはまったくの別物になったと言ってもいい。そのため本Blogでは混同を避けるため、あえて「Wacht am Rhein 2012」と表記しておく。

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このGOSSルールは、2005年版ルールを整理したもので、精密作戦級とも呼べるディティールの細かさを誇っている。ゲームスケールは、1ヘクス=1マイル、3ターンで一日を構成し、1ユニットは大隊を中心とし、1ステップが中隊を表している。カウンター総数は2380個にも及び、分割用ユニットも多数用意されている。

2005年版のユニットは、原典ゲームのひとつでもあるSPI「Atlantic Wall」と同様、「攻撃力・防御力・装甲値」の順に能力値が記されていた。移動力はユニットに記されておらず、兵科毎に決まっている移動力を、兵科マークを見て判断してくれと云うスタイルである。

しかしやはりユニットに移動力が付されていないのは不便だと思ったのか、この2012年版ではオーソドックスに「攻撃力・防御力・移動力」と云う表記に変更されている。たしかにこちらの方が、移動力をいちいち思い出す必要もなく、プレイには便利だと思う。装甲値は、攻撃力と防御力の右上に小さく記され、攻撃時、防御時で装甲値の異なるユニットもある。特にドイツ軍の突撃砲、アメリカ軍の駆逐戦車などは防御時の方が装甲値が高く、戦術ディティールの再現性と云う意味でも、2005年版よりもずっと「らしく」なっている。

ただし200個近いカウンターにエラッタが発見されている。ユニットの表裏で所属部隊マークが違う程度ならまだしも、2005年版と同じ表記になっているユニット、ステップロスした裏面の方が練度が上がっているユニットもあり、別途エラッタカウンターシートを入手した方が良い。詳しくは下記に。

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ゲーム上では、各ユニットは戦術、準備強襲、突破、機動予備などのモードを有することになる。戦闘前には、両軍の砲撃セグメントが設けられたうえ、戦闘結果は両軍が%ダイスを振り合って決定する。このため防御側であっても、戦闘でダイスを振る機会が与えられ、一方的な傍観者にはならないようだ。ただしダイス修整は「+45」などと軽く二桁に達するため、その算定は勿論、戦闘ひとつを処理するにもだいぶ手間がかかるだろう。しかしむしろ、濃厚に表現されたひとつひとつの戦闘をじっくり味わえるとも言え、戦闘の詳細さを楽しみたい向きには恰好のシステムになっている。無論、本作はやり過ぎの感も否めないが、自分としては挑戦し甲斐のあるゲームだと感じている。

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このGOSSと呼ばれる精密作戦級シリーズは、本作と、同時発売されたヒュルトゲン森林戦「Hell's Forest」(本作と地図接続可)、2014年発売予定の「Atlantic Wall II」(ノルマンディ上陸~半島突破まで扱う)、さらに「Anzio」と予定されている。自分としても、詳細ではあるが、かなりの好みのシステムなので、長いスパンをかけてじっくりと取り組んでいこうと思う。

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