読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの置き土産

Europa Simulazioni「Guelphs & Ghibellines」

ES Guelphs & Ghibellines

f:id:crystal0207:20140227173257j:plain

中世イタリアでのローマ教皇派vs神聖ローマ皇帝派の戦いを扱う、 3in1戦術級ゲーム「Guelphs & Ghibellines」を購入した。ローマ教皇派がゲルフ(Guelphs)、神聖ローマ皇帝派がギベリン(Ghibelines)である。

収録されているのは、モンタペルティ会戦(1260年)、ベネヴェント会戦(1266年)、カンパルディーノ会戦(1289年)の3会戦。モンタペルティ会戦がフルマップ、他2つはほぼハーフマップ。 各会戦には、ヒストリカル配置シナリオ、自由配置シナリオがあり、カンパルディーノ会戦には導入用短期シナリオもある。

f:id:crystal0207:20140304125040j:plain

フルカラーのユニットには、士気や耐久度を表す結束度、装甲クラス、飛び道具の種類が記されている。兵種としては装甲騎士、槍兵、弓兵、クロスボウ兵などがある。ゲームはGMT「Men of Iron」の如くターンと云う概念が無く、バタグリア(=フォーメーション)毎に活性化を続けていくシステムである。ただし各指揮官は、指揮力(最高12、最低6)を持ち、基本的には指揮力と同じ回数だけ活性化のチャンスを得られる。プレイヤーは活性化したい指揮官を選び、2d6を振って、現在の指揮力以下を出せば活性化が可能になる。しかし活性化ダイスを振る度に(成功しても失敗しても)指揮力が1ずつ落ち、徐々に活性化が難しくなっていく。また予備に指定されたバタグリアが自発的に活性化した場合、他のバタグリア指揮官の指揮力が1上がるというルールも存在する。予備が動き出したので、他の味方が活気づくと云うことだろうか。

さらに他の会戦級ゲーム同様、連続活性化や割り込みもあり、その判定ダイスが、両軍の最も高い指揮力を超えてしまうとサドンデス終了となる。この終了ルールも含めて、どの指揮官をいつ活性化させればいいのか、会戦全体の流れをデザインする能力も問われそうである。

活性化に成功すると、現在の指揮力と同じ命令ポイントが得られ、それを使って指揮範囲内の麾下ユニットに移動、射撃、突撃などの命令を与える。戦闘は射撃、白兵戦に分かれ、チャージとカウンターチャージ、騎兵のエシェロン隊形、防盾パルヴェサリのルール等もあるが、戦闘判定は、おおむねシンプルにまとまっているようだ。

中世~近世の会戦級といえば、以前は「なるようにしかならない」ゲームが多かったものの、 近年の「By The Edge of the Sword」「Men of Iron」「Musket & Pike」を見るに、いずれも活性化の手順を工夫してエキサイティングなゲームに仕上げており、本作もそれらとは違った活性化システムを搭載した意欲作だと感じた。そう考えると、最近の会戦級ゲームはある種のゲーム・システム実験場なのかもしれない。※本作と同一システムを用いた「Braccio da Montone」「Sa Battalla」なるゲームもAcies Edizioniから発売されている。