Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】「ナポレオン戦略」

ナポレオン戦略 (1966年) (国防双書〈第2編〉)

ナポレオン戦略 (1966年) (国防双書〈第2編〉)

 

1966年発行の「ナポレオン戦略」をネット古書店にて購入。以前から何度も神保町で見かけてはいたものの、なかなか手頃な値段と出会えなくて、半分あきらめていたところ、手頃な値段を見かけて注文した次第。著者は、大場弥平・元陸軍少将(日露戦争に従軍)と、上田秀一郎・防衛大学校西洋史教官(当時)で、幹部自衛官向けの簡便なナポレオン戦史になっている。しかし語り口が軍談調のうえ「土俵際にうっちゃり」とか「フンドシ一本で逃げ出し」「おっかぶせの将棋倒し」などの、純日本的な言い回しが出てくるので、ちょっと微笑んでしまう。

しかし、確かに古くさい本ではあるものの、全52章を用いてナポレオン会戦をきっちり網羅・解説しており、特に1814年国内戦役、つまりウォーゲームで言うところの「Napoleon at Bay」に13章も割いていて、各会戦ごとに簡単な戦況図もあり、見過ごせない一冊でもある。まあ、基本的には今時の本を読むべきだと思うが、意外に侮れないというご紹介で。