Vae Victis誌62号「La Croix et L'epee」をソロプレイしてみた。テーマは国土回復戦争(レコンキスタ)におけるキリスト教軍vsイスラム教軍の決戦、ラス・ナバス・デ・トロサ会戦である。両軍主力は騎士であり、歩兵は弱く、弓兵にはマイナス修整も入っていて、この戦いなら騎士の精強さを堪能できるかと思う。「By the Edge of the Sword」の騎士突撃ルールはなかなか派手で、一次突撃、二次突撃まではペナルティが無く、三次突撃まで行うとようやく疲労する程度。それが遺憾なく発揮できるのではないかと期待してプレイに臨んだ。
キリスト教軍(青ユニット)は、左・中・右翼に各2フォーメーションを配置。特に最強の練度を誇る左翼・修道騎士団(黒ユニット)が心の支えだ。対するイスラム教軍(緑・橙ユニット)は中翼が4段構え、左右に騎兵フォーメーションを配し、大軍を擁して待ち受ける防御側である。ただし史実的には、キリスト教軍に本陣天幕まで迫られて敗退しているが……
さて序盤はキリスト教軍が中央部で先手を取り、イスラム軍義勇戦士ムジャヒディーン部隊の投槍と、デ・アロ率いる装甲騎士突撃がぶつかり合い、一進一退の攻防に。 左右両翼はイスラム教軍が先に動いてキリスト教軍を抑えるも、 キリスト教軍左翼では、修道騎士団がSS装甲師団的活躍を見せ、右翼では戦闘修整3のナバラ王サンチョ7世自らが奮戦し、イスラム教軍の軽騎兵部隊を次々に敗走させていった。
これに対しイスラム教軍は、中央3段目のムワッヒド軍団を右翼に回し、迫る修道騎士団にわざと歩兵を接敵させて突撃を封じた (突撃するには最低1ヘクス移動しなければならないため)。
それでも第5ターン終了時には、すでにキリスト教軍は左右両翼で優勢を勝ち取り、 イスラム教軍司令官カリフがいる本陣の丘を視界に捉えている。イスラム教軍もなお兵力を残しているが……と云う段階でソロプレイ終了。
感想。これこそ「騎士が活躍するゲーム」である。ヤワな歩兵を蹴散らし、突撃に次ぐ突撃で戦線を突破し、騎士同士が相撃てば一進一退の手に汗握る攻防になる。無論この戦い(1212年)以降のモンゴル侵攻や百年戦争になると、もう弓矢戦術が発展してしまい、装甲騎士の優位さは薄れてしまう。装甲騎士の強さを味わえる時代は意外に短く、そしてそのゲームも少ない。
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