Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Jours de Gloire】Vae Victis #58 #64「Austerlitz 1805」

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Jours de Gloireシリーズまとめて紹介・その2。 今回は、三帝会戦ことアウステルリッツ会戦で、58号に南部戦域、64号に北部戦域のユニットと地図が付いている。しかしそもそもJdGの元ゲームである GMT社「Triumph & Glory」にもアウステルリッツ戦は含まれており、リメイク作品と思って両ゲームを比較してみた。

地図に収めた範囲はほぼ同じだが、T&Gが最大42x44、JdGが最大32x36ヘクスとやや縮尺が異なり、ユニット数もT&Gフランス軍79個→JdGフランス軍103個、T&G連合軍92個→JdG連合軍117個と増えている。ユニット密度が高くなり、機動余地も減った気がする。もっと大きな違いは、T&Gが軍団単位でチット活性化するのに対し、 本作では基本、師団毎にチット活性化するという事。さらに両軍合わせた師団チット数がなんと80枚!に達し、それ全部解決して1ターン終わるのに何時間かかるんだよ! と会戦全体のプレイに疑問符が付いたが、いや待てと。こうまでチット数が多いって事は、そもそもアウステルリッツ会戦全体の再現なんて目指しておらず、本作の主眼は、会戦を細分化したシナリオだろうと気づいた。

ちなみに細分化されたシナリオは 「ゴールドバッハ下流の戦い」「連合軍左翼の崩壊」 「テルニッツ/ゾコルニッツの戦闘(通常とトーナメント用の2本)」 「ミュラ、ランヌvsバグラチオン」「親衛隊同士の戦闘」があり、こちらなら穏当なチット数でプレイできるようだ。

つまり本作は、T&Gアウステルリッツの単なるリメイクではなく、細分化したシナリオゲームの集合体として見るべきで、南北で2分冊にした理由もそこにあると思う。