Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Musket & Pike Series】GMT「Under the Lily Banners」

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Musket & Pikeシリーズ第三弾「Under the Lily Banners」を購入。 本作もいつの間にか安売りされていて、セール価格3000円ほどで入手できた。CMJやGJより安いのは、ありがたい。

テーマはまたも三十年戦争だが、本作の主役はフランス軍と言うか、名将コンデ公ルイ2世で、彼が勝利した会戦を中心に構成されている。「ロクロワ会戦(1643)」はコンデ公わずか21歳にしてスペインの大軍に勝利した戦いで、フランス100年に一度の勝利と評されている。「フライブルグ会戦(1644)」は三日間に及び、別名フリブール会戦とも呼ばれる。コンデ公は敵の堡塁に指揮杖を投げ入れて自らも突入。「メルゲントハイム会戦(1645)」またの名をマリエンタール会戦。こちらの主役は、テュレンヌ元帥を負かしたフランツ・フォン・マーシーである。「アラーハイム会戦(1645)」またの名を第二次ノルトリンゲン会戦。これまたコンデ公(この時はアンギャン公)がマーシーを破った一戦。「ランス会戦(1648)」三十年戦争最後の年の戦い。またもコンデ公がオーストリア・スペイン軍を撃破。

フライブルグとメルゲントハイム会戦がハーフマップ、その他3会戦がフルマップを用いる。とりあえずロクロワとランス会戦は、プレイしておきたい。主役のコンデ公、テュレンヌ元帥、フォン・マーシーとみな「-2」の最良レーティングなので、指揮官に関しては拮抗している。横隊ユニットにスイス、ワルーン、ドイツ等の国籍が入ったのも嬉しい。三十年戦争と言えば、まずはグスタフ・アドルフヴァレンシュタインだが、ヒストリカル・ノートを読むとコンデ公も十分に魅力的な人物であると再認識。ルール巻末に、ゲーム用の戦術解説が載っているのも親切だ。 メルゲントハイム会戦のプレイ例もあるので、そこから入門するのもありかもしれない。

ところで映画「アラトリステ」に、一応ロクロワ会戦シーンがあり。 規模が小さく見えるが、三十年戦争の雰囲気作りにどうぞ。