Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【By the Edge of the Sword】「Poitiers 1356」 AAR

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Yossi氏と、Vae Victis誌26号「Poitiers 1356」を初対戦した。「By the Edge of the Sword」シリーズ第一作の百年戦争ポワティエ会戦だが、ルールは最新ver.7.2を採用。このverでは騎士突撃が強化され、射撃結果表の改訂によりフランス軍クロスボウ部隊が弱体化されている。イングランド軍をYossi氏が、フランス軍を自分が担当。主な勝利ポイントは敵ユニットの除去によって得られるが、中世らしいと思ったのは、敵指揮官は殺すより捕らえた方が得と云う事。貴族をとっ捕まえて身代金を要求する中世らしいルールではある。

さて展開も、恐ろしいほどに史実通り。イングランド軍ロングボウ部隊が、攻め寄せるフランス軍に雨あられと矢を浴びせ、フランス軍第一波のクロスボウ部隊はことごとく2ヘクス敗走するハメに。このゲーム、敗走ユニットは自軍ユニット上を乗り越えて後退できるが、乗り越えられたユニットは二次敗走チェックをしなければならないため、なるべく間を置いて配置するか、広く横一線に展開すべきである。

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そこでフランス軍は、二次敗走を避けるため両翼に広く展開。しかし高地に登った右翼第二波はまたもロングボウに射られて敗走し、左翼第二波はイングランド 騎士団から突撃をくらって苦戦を強いられた。運良くイングランド弓兵の機会射撃をくぐり抜けて白兵戦を挑んでも、敵を疲労させるか、1ヘクス押し戻すのが 関の山で、むしろ強制的な戦闘後前進によって窮地に陥る場面もしばしば。

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そうこうするうち、イングランド騎士団の執拗な突撃に耐えきれず、フランス軍左翼ユニットが次々に敗走して壊滅。そこから地図盤端に追い詰められ、最終ターンを前にフランス軍投了となった。

やはりイングランド軍有利に組み立てられたゲームなので、フランス軍が勝つのは難しいのだが、初心者にイングランド軍を受け持ってもらえば、入門用シナリオとして機能するかと思う。イングランド軍も部隊の戦術運用で悩むだろうし、実際自分もYossi氏も久しぶりのユニット捌きを堪能した。まあ、そういう 部分だけでも楽しめれば御の字だろう、この手のゲームは。むしろヒストリカルに推移しただけでも、十分と言えるかもしれない。