Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

「Napoleon on the Danube」 Battle at the Russbach Solo-Play AAR

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Napoleon on the Danube」のシナリオ2「Battle at the Russbach 」をソロプレイした。このシナリオは第11ターン以前を省略する事で両軍が盤中央で向き合った形で始まる。またユニットに記載された配置ヘクスもシナリオ2向けである。フランス軍は、右翼によるラスバッハ高地奪取を目指すが、左翼を前進させるとオーストリア軍に増援が来てしまうので、そちらは放置。 オーストリア軍は、第18ターン以降に可能となる攻勢作戦で逆転を狙う……と云った展開だろうか。ちなみにオーストリア軍が行う攻勢作戦とは、その間だけ非砲兵ユニットの練度が+1され、回復ダイスボーナス等が得られる。期間は5ターンだが都市ヘクスを奪う毎に1ターン延長される。勝利得点は、双方に与えた損害(1戦力減=1得点)がメインであり、すべての選択ルール(複合兵科攻撃、騎兵突撃等)を採用した。

7月5日。第12~第17ターン。まずフランス軍は、ダヴー第III軍団にラスバッハブルーク川を迂回渡河させ、要衝都市マルクグラフノイシードルを二方面から攻撃した。フランス軍優位に戦闘が進む中、第14ターンにはオーストリア親衛軍団が、第15ターンには同第IV軍団が損害過多により戦意喪失状態となった。戦意喪失になると攻撃-1シフト、回復と再編成にダイス修正が加えられる。しかしすでに時刻は夕暮れであり、両軍団は作戦的撤退を選択し、オーストリア軍は、夜陰に乗じて再編成の準備に入った。作戦的撤退とはVPを失う事で、無償で敵ZOCから退出できる。再編成とは除去されたユニットを戦力減少状態で盤面に復活させることである。

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7月6日、第18~第21ターン。早朝、フランス軍ウディノ第II、ダヴー第III軍団が前進開始。マルクグラフノイシードルを奪ってラスバッハ高地を駆け上り、前日に傷ついたオーストリア軍を攻めるも一進一退の攻防が続く。さらにワグラム周辺でイタリア方面軍も攻撃に出たが、こちらはオーストリア軍の抵抗が激しく、まったく渡河の見込みがない。またフランス軍は、来るべきオーストリア軍の攻勢作戦に備えて、左翼にリーデ第VII、マルモン第XI軍団を配置。一方オーストリア軍も増援第III軍団を得て、遂に攻勢作戦を発動した。

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オーストリア攻勢作戦、第22~第28ターン。フランス軍左翼がオーストリア軍3個軍団に襲われ、マッセナ第IV軍団、マルモン第XI軍団が甚大な損害を被った。ナポレオン皇帝は右翼への作戦指導を諦め(非指揮状態とする)、新たにベシェール騎兵予備軍団に命令を下し、崩れた左翼へ投入するも、第26ターンにはマッセナ元帥本人が戦闘に巻き込まれて除去され、第27ターンには、第IV、第XI軍団が戦意喪失に陥った。一方、オーストリア軍は第24ターンにジョン大公軍が来援し、イタリア方面軍にも大打撃を与えるなど好機が続くが、第28ターンには攻勢作戦に参加中の第VI軍団が戦意喪失となり、反撃にも翳りが見え始めてきた。

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フランス軍反撃、第29~第31ターン。オーストリア軍の攻勢作戦はなおも続くが、拡散した攻勢軍団に隙間を見つけたナポレオン皇帝は、ベシェール予備騎兵、ベルナドット第IX軍団に反撃を命令した。だがベルナドット第IX軍団の側面攻撃はことごとく失敗し、予備騎兵もさしたる戦果無く、リーデ第VII軍団も戦意喪失となった。結局フランス軍の反撃はならず、日没ゲームエンドを迎えた。

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フランス軍95VP、オーストリア軍114VP。オーストリア軍の勝因は、早期の作戦的撤退で損失VPを抑え、さらに除去されたユニットをかなりの数、復活させた事によるものだ。フランス軍には軍団司令官を後退・再編成する余裕が無かったのが痛かった。史実でオーストリア軍分断に成功したマクドナルド元帥は今回ほとんど活躍できず。親衛軍団と一緒に突っ込ませるべきだったか?実はヴァリアント・ルールとして「ベルナドット元帥の怠慢」もあるが、そんなルールを使わずともベルナドットが攻撃失敗して苦笑した。ゲームとしては、両軍共に攻撃チャンスがあり、 展開もシーソー的でなかなか面白い題材だと感じた。慣れたプレイヤー同士なら午後いっぱいで遊べるし、基本システムのオーソドックスささえ気にならなければ、一度遊ぶ価値はあるかと思う。