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Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの置き土産

【Great Battles of History】GMT「Ran」

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GBoHシリーズ戦国日本編「Samurai」の続編「Ran」が到着した。両面印刷のフルマップ2枚、カウンター1000個以上とボリュームたっぷりである。収録合戦は「三増峠」「布部山」「耳川」「長久手」「沖田畷」「摺上原」「天王寺」と、とてもアメリカ人がチョイスしたとは思えないモノばかりである。「天王寺」のみフルマップで、他はすべて手軽なハーフマップ。ちなみに「布部山」はNunobeではなくFubeだと思う。

ゲームシステムは、「Samurai」と若干の差異がある。まずユニット兵種が細分化され、足軽より強いサムライ歩兵が登場した。さらにサムライ歩兵+弓、騎馬+弓もあり。 「摺上原」「天王寺」には伊達政宗隊がいるが、さすがに騎馬鉄砲隊は無し。 「沖田畷」の島津隊は、大筒装備の船・ガンボートも持っている。また大名家固有のサムライユニットも増えた。日本人として違和感があるのは、やはりユニットカラーである。なぜ赤備えの真田幸村隊ユニットが緑なのだ。

それでもルールシステムは、「Samurai」からいくらか改善されてもいる。まず戦闘ユニットからサイズ値が削除され、混乱→除去に至るプロセスが簡便になった。「SAMURAI」では結束度を超える打撃を受けると、潰走(Rout)マーカーを乗せ、回復(Rally)チェックを行っていたが、これは盤面が混雑するうえ、潰走ユニットルールも必要であった。「RAN」では、混乱面の結束度を超える打撃で潰走となり、いったん盤外の潰走ボックスに置かれる。そして回復TQ(部隊練度Troop Quality)判定に成功すれば盤上に復帰し、失敗すれば永久に除去される。つまり「Triumph &Glory :Borodino」方式になったのだ。これは盤面がすっきりして良い。

戦闘ユニット同士のスタックが廃止されたのも、遊び易くなった一因だ。新たに加わった密集(Close)、 散開(Open)フォーメーションも特に煩雑ではない。ターン・シークエンスも簡略化が進み、あまり使わない攻城戦関係が外された。また命令フェイズの最後に回復手順が挿入され、その軍勢に手番が回ってこないと、潰走ユニットも回復できなくなっている。

一方、個人的にショックなルール変更もある。武将ユニットのカリスマ値が削除されたのだ。これは直接、戦闘ダイス目を修正する数値だったが 「武将とスタックしている場合ダイス修正1」のみに変更された。 「Samurai」では、武将スタックが派手に暴れてくれて、いかにもヒロイックな活躍を見れたのだが、ダイス修正1だけとは。これでは「天王寺」で、家康本陣めがけて突き進む真田幸村が再現できないような気がする。もしかしたらあまりにも武将スタックが強力だったので、デザイナー側が弱体化させたのかもしれない。

と、文句もいろいろあるが、この「Samurai」と「Ran」、切腹等のトンデモルールに目が行ってしまい、 日本人の感性と異なるグラフィックに違和感も覚えるが、同一システムでこれだけの合戦が揃うのだから、遊ぶ価値がありとは思っている。

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