Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

GMT「Triumph & Glory」Austerlitz 200th Anniversary AAR

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「Triumph & Glory」のアウステルリッツ会戦を対戦した。奇しくも1805年12月2日から数えて200周年記念プレイである。今回はkarter氏がフランス軍左翼(親衛・ミュラーランヌ・ベルナドット)を、Mi-boh氏がフランス軍右翼(スールト・ダヴー)を担当。自分はロシア・オーストリア連合軍をすべて指揮した。ちなみに今回は「Triumph & Glory:Borodino」で取り入れられた撤収・回復ルールを試験的に採用してみた。この方が盤上がすっくりするので。しかし準備万端、さあ配置しようかと思った矢先、自分テーブルに紅茶をこぼしてしまい、活性化チットが濡れるハメに。今思えばあれが波乱の展開の予兆だったとは……。

さて序盤は霧のため、低地ヘクスで+1移動力となる。連合軍は先鋒ランゲロン、ケインマイヤー軍団に命令を与え、じりじりとフランス軍部隊へ接近。対するフランス軍は中央に分割配置されたスルト第IV軍団を合流させるべく右翼へと移動。そうはさせじとランゲロン軍団を間に割り込ませるも、第IV軍団の逆襲突破攻撃により3枚スタックが全滅。ケインマイヤー軍団も、5回の接敵チェックすべてに失敗するというていたらくであった。連合軍右翼に登場したバグラチオン軍団は、ランヌ第V軍団を牽制。

さて霧が晴れた第4ターン。双方の親衛軍団チットが投入可能となったが、連合軍は指揮稚拙なため、このターンから親衛隊を動かすにはd10を振って2以下を出し、命令変更しなければならない。まあこのターンは無理だなと思っていると、幸運にもダイス目2以下が出て、ロシア軍親衛軍団が最速パターンで前線へ出動してしまった。

さてこの親衛軍団をどこへ投入するか。右翼、左翼ともに戦闘は始まったばかり。 しかし中央部では、すでに先鋒ランゲロン軍団が6歩兵ユニットを失って後退中。攻めてくるのはミュラー騎兵軍団とベルナドット第I軍団。その背後にはナポレオン直率の親衛軍団も見える。 「親衛軍団には親衛軍団を」と云う映画ワーテルローのナポレオン台詞を頭に浮かべ、ロシア親衛軍団を中央部へと差し向けた。

しかし中央部での戦闘は、すでに連合軍有利に傾いていたのだ。高地上に陣取った連合軍コローラス軍団砲兵が、ミュラー騎兵軍団へ猛射撃を浴びせ、次々混乱させているではないか。 ミュラーは混乱ユニットを下げ、残ったユニットで我が方へ正面攻撃をかけてきたが、ほとんど不発。逆にミュラー騎兵ユニットは、再び連合軍の砲兵射程内に入り、またも撃たれて混乱続出。

苦戦するミュラー騎兵軍団を援護すべく、ベルナドット第I軍団も前進してきたが、この側面へロシア親衛軍団を送り込んだ。第I軍団後方には騎兵を突っ込ませ、ZOCで退路も断っている。 プラッツェン高地北側には、ユニットがひしめいていたため、ベルナドット第I軍団ユニットは後退できず、瞬く間に崩壊した。ミュラー騎兵もチットが来ないため、動けぬまま砲撃を浴び、壊滅。遂に写真の如く、ミュラー、ベルナドット両軍団ユニットは消え去り、残るはナポレオン親衛軍団のみとなった。見ろ、皇帝は丸裸だ!

しかし両翼での戦闘は、フランス軍優位に進んでいた。右翼バグラチオン軍団は、ランヌ第V軍団に追い込まれ、左翼ケインマイヤー軍団は残り1ユニットで崩壊状態となり、続くドクトロフ軍団だけでダヴー第III軍団、スルト第IV軍団を支えるのは無理。

ここでMi-boh氏が 「ドクトロフ軍団はダヴー第III軍団に任せよう。 スルト第IV軍団を中央へ送って皇帝陛下を守ってみせる。やらせはせん!やらせはせんぞ!」と士気を鼓舞。しかし皇帝karter氏がすでに士気崩壊状態。なにせこの時期のフランス親衛軍団はまだ少数のうえ、ロシア親衛軍団は無傷。まだ残り3ターンあったが、時間的制約もあり、ここでゲーム終了とした。ああナポレオンの戦勝200周年を祝うはずが……。

このゲーム、ここまで連合軍優位になったのは初めてである。もっとも両翼は史実通りフランス軍が勝っていたので、あのまま続けていた、また違った展開になったと思う。とにもかくにも激戦であった。