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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの置き土産

アドテクノス「北海道共和国」Solo-Play AAR

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CSで「ラストサムライ」を観直したので、日本史ゲームでもやろうかと。幕末、刀vs鉄砲、アメリカ傭兵……と言えばこれしかない。アドテクノス社「北海道共和国」である。徳川幕府軍艦奉行榎本武揚幕府軍の残党を率い、箱館五稜郭にて独立政権樹立を画策。鎮圧する新政府軍との間で、世に言う箱館戦争が起こった。新選組土方歳三が死んだのもこの戦い。しかしこのゲームは史実を膨らませた仮想戦である。榎本軍には、死んだはずの長岡藩家老・河合継之助やカスター中佐率いる元南軍傭兵部隊も参加してなかなかの陣容 (トム・クルーズ=オールグレン大尉もいると思いこもう)。対する新政府軍も、実際箱館に行かなかった西郷隆盛大村益次郎が登場。

1ヘックスは1.8キロ。1ターンは8日。1ユニットは兵士50人/指揮官1人/軍艦1隻。各ターンの最初に海上戦闘を行い、その後新政府軍→榎本軍の順番で再編成・移動・戦闘を繰り返す。また榎本軍のみ戦闘後に夜襲手順が追加。陸上ユニットの移動力は一律12。平地の道路上なら1ターンに24ヘクスも進めるが、地形がくせもの。実は緑色の山岳ヘクスはすべて進入禁止。写真で見ればお分かりの通り、ほとんどの地形には入れない。当然隘路や峠を巡っての攻防戦が展開される。

戦闘は艦砲射撃・防御射撃に続いて、攻撃側の射撃または白兵戦となる。攻撃に耐えられるかどうかは士気次第。榎本軍は白兵戦に強い少数精鋭。逆に新政府軍は射撃戦が得意な物量攻勢。榎本軍=ドイツ軍、新政府軍=ソ連軍と思えばいい。また海軍は新政府軍が優位で、 海岸沿いでの戦闘では艦砲射撃が使える。

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さて第1ターン。新政府軍長州隊300が江刺占領。第2ターン。新政府軍第二波上陸。 初海戦で榎本軍蟠竜が沈没。新政府軍は石崎を占領。榎本軍の隻腕の剣豪・伊庭八郎が早速負傷した。※ダイスで6を出されるとチット引きの負傷判定。20枚あるチット中、負傷は3枚、死亡は1枚。負傷が重なると死亡。

榎本軍も中山峠から今井信郎隊250で反撃に出る。数に劣る今井隊だが新政府軍松前隊400を攻撃し、連絡線を断ち切る作戦。今井は3度の負傷チェックをクリアする奮戦。さすが自称・坂本龍馬を斬った男。しかし今井隊の損害も多く、連絡線切断もならず。戦術的勝利、戦略的敗北。

第3ターン。新政府軍第三波上陸。津軽隊500が今井隊に反撃する。別の津軽隊スタックに退路を塞がれ、あえなく今井隊は除去。中山峠危うし。第4ターン。中山峠の土方隊150に対して津軽隊300が攻撃。見事土方歳三島田魁(照英@大河ドラマ)を負傷させる。

第5ターン。新政府軍第四波、西郷隆盛上陸。折戸陥落。勢いに乗る長州隊300は松前も占領。だが指揮官・有地静馬戦死。第6ターン。噴火湾津軽隊到着(地図外移動)。 中山峠ではラッキーヒットが続き、なんと土方歳三戦死!

第7ターン。新政府軍第5波上陸。第8ターン。木古内-知内間に津軽隊500、津・大野隊300が上陸。連絡線を切断された知内の人見勝太郎隊500が木古内への突破を計るが、あいにく全ユニットがステップロス状態。突破ならず袋の鼠と化す。

第9ターン。新政府軍上陸部隊が木古内を占領。守備隊・伊庭八郎は戦死。だが連絡線を切られたカスター隊が木古内へ逆襲。退路の無い上陸部隊を次々海へ追い落とし、木古内を奪回した。

第10ターン。新政府軍は木古内へ敵前上陸を敢行。木古内を再占領する。さらに薩摩の精兵500がカスター隊を撃退した。新政府軍は二方向から木古内に集結し、箱館を目指す。榎本軍敗色濃厚 ……

という感じで10ターンまで進めてみた。勝敗を競うゲームと言うより、ドラマを楽しむゲームかなと。射撃や白兵戦のダイス、負傷判定チットに思わず力が入る。土方歳三や伊庭八郎が負傷しながらも前線に立つ姿は、まさに死に場所を探す最後のサムライですな。ハイスタック10ユニット同士が戦闘(最高3ラウンド)をすると、鬼のような回数のダイスを振らねばいかんのが難点だろうか。それもまた激戦だと楽しめる方は是非。幕末の作戦級ウォーゲームなんてこれだけだし。